吉川Gです。
友人のH君と前谷川に行ってきました。
以前から行ってみたいと思っていた前谷川でしたが、ついに機会に恵まれました。
ちなみにH君は前谷川の遡行はなんと3回目との事。
今回、二つの反省点があります。お陰で二回も死ぬかと思いました。
しかし沢の内容は素晴らしいものです。
魚返橋05:50-前谷川-大日ヶ岳11:05-大日ヶ岳東縦走路-途中で前谷川方面へ下降-14:15魚返橋
準備を済ませて魚返橋の手前の右岸側の林道を利用して入渓。
低い堰堤?を超えたところから一旦、平凡な渓相になるが、少し歩くと15m程の滝が現れる。これは水流左から突破。
さらに少し行くと、次は短いゴルジュ。奥に低い滝が控えている。右岸をへつる。
次にちょっとしたゴルジュ帯をぬけて、しばらく歩くと立派な堰堤がある。右岸を巻いたが、どちらからでもいけそう。
次の大物は20m程の滝。右の壁の上部に頼りないロープが垂れ下がっており、そこから登ってみる。まあまあ悪い。ロープを出したほうが良かったかも。ちなみに垂れ下がっているロープは引っ張らない方が良さそう。。。
次の8mは脆そうに見える左壁を意外に快適に登れる。美しい二条10mは左岸から巻く。
1046m付近の二俣を過ぎると土砂が溜まったゴルジュが続く。特に面白くはない。
それが終わると、9mの後にまた大きな20m程の滝。
これは左奥の凹角から登った。
次の10mを右壁から登ると、門のような造形の岩が現れ、その奥に黒いのっぺりとした滝が現れる。
↑門
巻きが面倒な気がしたので、直登出来ないかかなり迷ったが、上部のプロテクションが取らなさそうなので却下。右岸から巻いた。意外と普通に巻けた。
小滝を何個かやり過ごすと、今回の「第一死ぬかと思ったポイント」の15m滝が鎮座している。
ぱっと見プロテクションは取れなさそうだが、上部は寝ていて登れそう?と思ったので、割と気軽な気持ちで取り付いてしまった。
結果的にかなり怖い目にあうことに。。
とりあえず、様子を見ようと上へ上へフリーソロで登ってしまい、最終的には落口でもう戻れない状況となってしまった。
頼みの綱は今右足が乗っているテニスボール大のヌルッとした丸いスタンスと右手のこれまたヌメった横カチ。左足を水流の中の小さいスタンスに祈りながら乗せて左手で水流のよくわかんねえところを抑えてマントルを返した。
失敗したら15m飛ぶところだった。死ぬかと思った。後続のH君にはロープを垂らして登ってもらった。
↑エライ目みた滝
ヤバそうならすぐ戻るべきだし、プロテクションの取れなさそうな高い滝に安易に取り付くべきではない。猛省。
そのあとは特に何もなく、上部は藪漕ぎで稜線へ。噂で聞いてた程の藪漕ぎではなかった。
稜線にでて少し登ると、大日ヶ岳山頂。数名の登山者が居た。
大日ヶ岳山頂で長めに休憩して、大日ヶ岳東縦走路と呼ばれる尾根を下降。
あまりここを下降した記録はないが、H君は数年前に下ったことがあるとの事。出だしはヤブっぽいが、途中からは割と普通に降れたとの事。
序盤はまあ割と歩きやすかったのだが、だんだんと雲行きが怪しくなっていき…
最終的には、全く踏み跡もわからない、完全なる藪尾根となってしまった。
のっぺりとした地形のこの尾根をこの状態で降るのはよろしくない。明らかによろしくない。
ここで「第二の死ぬかと思ったポイント」が始まる。
これはもう「前谷川の方に降りよう。」ということになり、1078m標高点付近からとりあえず西に進路を変え、沢沿いを降りはじめた。この判断そのものは結果的には正解だったのだが、降り始めてすぐに異変は訪れた。
頭が痛い。足がうまく着けず、フラフラだ。
さっきまでの藪漕ぎとたまに当たる直射日光でどうやら熱中症の症状が出てきたようだ。
とにかく頭痛が辛く、今思えば吐気のようなものも感じていた。
急いで、沢の水を浴び、水をがぶ飲みして休憩した。
とりあえず落ち着いたが、頭痛は続く。止まってても仕方ないので、とりあえずゆっくり歩く。程なくして林道に到着。
あとは車道を10分ほど歩く。この車道がまた短いが直射日光が辛い。
危なく倒れるかと思った。水はこまめに飲んで、帽子も持ってくるべきだと痛感した。
なんとか車に辿り着き、事なきを得た。
↑下山は藪漕ぎ祭り
思った以上にシビアな山行になってしまいましたが、沢の内容は噂に違わぬ素晴らしさでした。
あと、下降に大日ヶ岳東縦走路を使う際は自己責任で。(H君は以前普通に降れたそうなので、刈られている時もあるのだと思います。)
お疲れ様でした。