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大峰 白川又川本谷 (奥剣又谷) 20160813~14

2016.08.18

1皮です
奈良県の大峰・白川又川奥剣又谷に岩佐さんと行ってきました
下から中流域まで冷たい水の泳ぎばかりで、やばかったです

【13日】小谷林道ゲート(460m)5:00-大栂山付近(1020m)-8:20白川又谷(550m)8:40―10:00中ノ又合流点下のゴルジュ-12:40わき水のゴルジュ-17:30口剣又谷出合(泊)
【14日】口剣又谷出合5:30-7:40二俣8:00-8:30 60m滝-9:10 12m滝手前の二俣10:50-12:30八経ケ岳(1915m)頂上13:10-17:50小谷林道ゲート
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当初は行者還トンネルからの入山を計画したが
下部のゴルジュを味わいたいのと
「山は下から登りたい」との希望で
上北山村の小谷林道ゲートからの入山に変更した

明るくなって間もなく、ゲートを出発
堺ナンバーの車が1台止めてあった。どうも先客がいそうだ
林道を20分ほどたどり、モノレール軌道のあるところから左斜面に入る
登山道があるはずだが、道標も、踏み跡も見えない
それもそのはず。斜面は1ヘクタール以上皆伐され
枝打ちされた枝や間伐材、スギの葉っぱが一面に散乱しているから
まあ、適当に登れば稜線に出るでしょう、ということで
足場の不安定な斜面を右上の方へ登って行く
暑くていい加減いやになったころ、高さ7m位のハイボルダーが出てきた
その下に踏み跡が通っているのを見つけた
やった、夏の直射日光が当たる前に樹林帯に見げ込めそうだ
確かな踏み跡をたどっていくと、稜線にある林道に出た
林道は標高1020mぐらいで二手に分かれている。それを左の方へ進む
林道終点手前の3つめの大きな尾根を下ることにして、地形図を片手に丁寧に進む
途中、激しく崩壊している地点があり、道が全くなくなっていた
斜めに垂れ下がった大木の枝に足をかけて登ろうとしたら
突然バキッと折れ、冷や汗をかいた
バランスを崩したら、白川又川の河原まで落ちる所だった(>_<)

3つめの尾根の先端からは踏み跡があった
それに沿って、右の方へ右の方へと下りていく
途中には、切り立った岩尾根や、垂直に近い「木下り」もあった
最後は崖になり、立木を支点に15m程度の懸垂で真っ白な河原に降り立った
そこでウエットスーツにチェンジ
水は冷たいと聞いていたので、今回は持てうる限りの防寒服にした
早速入渓。山越えでほてった体に水が気持ちいい
しばらく歩くと、河原で大阪から北という4人組パーティが休んでいた
川遊びのみで帰るとのこと。「お気を付けて」と言い合って別れた

懸垂で本谷の河原に下りた(ピンぼけ)

懸垂で本谷の河原に下りた(ピンぼけ)

下り立った所は、気持ちの良い河原。登るぞーと意欲が沸いた

下り立った所は、気持ちの良い河原。登るぞーと意欲が沸いた

遡行始めるとすぐにでかい釜が出てくる
河原から行けるが、せっかくだから泳いでいく
また釜、また泳ぐ。水は底まで透き通って、太陽に照らされてキラキラ光る
おーおー、素晴らしいと思って、泳ぎ続けていると
前方が暗くなってきた。ゴルジュのようだ
最初の淵は、真ん中に大きな岩があり、右からよけていけば何とかなりそう
岩佐さんが右岸をへつり、途中からトボン。右から滝に向かっていった

1皮さん、涼しい顔して前進中。水が冷たすぎて、手がしびれる。

1皮さん、涼しい顔して前進中。水が冷たすぎて、手がしびれる。

その次の淵はさらに長い。見る限り25mはありそう
最初ザックを背負って泳ぎ始めたが、流れが強く進まない
Uターンして戻り、ザックを下ろし、ロープで引っ張ることにした
再スタート。進むにつれ、滝が近くなって流れが強くなる
あれ、前に進まないぞ。やばい、水の冷たさで体が動かなくなってきた
右足は何かに引っ張られているようだ
最後の5mぐらいで右の壁につかまろうとしたが、つるつるでつかまるところがない!その瞬間、右の壁を蹴って、なんと大岩が積み重なるところまで泳ぎ着いた
肩で息して水から上がると、右足が動かない
よく見ると、ロープが十回以上も巻き付いていた!
平泳ぎで足でかいているうちに、巻き付いてしまったようだ
足がこれ以上動かなくなっていたら、やばかったなあ
岩佐さんによると、50mロープがほぼいっぱいとか。淵は見た目より長かったようだ
動揺を抑えて、ザックと、自分のザックを背負った岩佐さんを引っ張る

そのまま岩佐さんがロープを引っ張る形で浅めのゴルジュをへつっていく
流れが屈曲した所に滝が落ちているのが見えた。中ノ又谷出合だ
怒濤の流れを逆らってじりじりと進もうとした岩佐さんだが、何か叫んでいる
どうも前に進めないらしい
岩佐さんの所まで行くと、水は白濁して真っ白
中ノ又の滝と、本谷の滝が合流してるから、こりゃ行けんわ
右手の岩の傾斜が緩そうなので上がってみると、この滝場を巻けそうだ
ロープをつないだまま、左岸を上流へ行くと、滝の落ち口に出た
肩確保で、岩佐さんを迎えた

最初から泳ぎまくり。でもクロールとは、、、

最初から泳ぎまくり。でもクロールとは、、、

やばかった淵の端から、中ノ又谷出合に進む岩佐さん

やばかった淵の端から、中ノ又谷出合に進む岩佐さん

 

がたがた震えながら釜を泳ぐ。寒すぎです。

がたがた震えながら釜を泳ぐ。寒すぎです。

 

そこからも、巻けない淵と釜が続き、泳ぎ続けると体が冷え切ってしまった
写真を撮ろうとしても、あまりの寒さに手が震えてぶれてしまう
早く泳がなくてもいい河原に着いてくれと、思いながら遡行していった
火吹谷の出合を越えると、両岸からいくつもの滝が落ちているゴルジュが100mぐらい続く
最後の滝は真っ赤な壁の上を滝が落ちている。珍しい景観にしばらく見とれた
大きな釜を持つ10m斜瀑は、泳いで左岸に取り付き、カムで支点を取りながら登った
この辺りまで来ると、水がぬるくなった

流れが強く、ザックを背負った泳ぎは一苦労

流れが強く、ザックを背負った泳ぎは一苦労

左右から滝が落ちる不思議なゴルジュ。正面には赤壁が

左右から滝が落ちる不思議なゴルジュ。正面には赤壁が

 

落水に打たれ修行するポーズをリクエストしたんですが。。。 寒すぎるので落水を避けてバンザイでごまかす(?)1皮さん(^_^) オージービーフのような壁ですな。

落水に打たれ修行するポーズをリクエストしたんですが。。。 寒すぎるので落水を避けてバンザイでごまかす(?)1皮さん(^_^) オージービーフのような壁ですな。

 

17時を過ぎ、そろそろ止まれる場所を探さなくてはと思い始めたころ
左岸から水流がピューッと飛び出る滝に出くわした。谷は左へ90度曲がっている
地形図を見ると、どうも口剣又谷の出合で、ピューの滝が本谷の25m直瀑のよう
滝の直登は無理なので、ガレから巻くのだろうが、時間も時間
ちょっと小高くなった河原にわずかばかりの平坦地を見つけたので
ここでテントを張って泊まることにした
マキを集め、盛大なたき火と、バーベキューを楽しんだ

翌朝も早朝スタート
ガレ場からピューの滝を大きく巻いた
河原に下りると、右に20m直瀑
左のルンゼから巻くが、途中から木の根っこを伝って行くべきだったのを
ルンゼの終点まで行ってしまい、滝を2~3個パスしてしまった
木を伝って、ロープを出さずに河原に下りられた
その辺りは白いきれいな河原。テンバには最適でんな

この滝の手前には、テントが張れそうなテーブル状の大きな岩があった

この滝の手前には、テントが張れそうなテーブル状の大きな岩があった

奥の二俣。左に行ってしまいそうだが、ここは右だった

奥の二俣。左に行ってしまいそうだが、ここは右だった

水量が急激に減り、チョロチョロに
このまま水がなくなってはいけないので、早めにプラティパスに水を詰めた
また二俣になったが、どちらに行けばいいか分からない
それぞれ100mほど空身で試登して、「方向的には左だが、たぶん右だろう」ということで進んだ
沢筋は大きく屈曲し、結果的に右で正解だった

さらに数え切れないほどのナメ滝を登って行くと、大きなナメ滝に出くわした
途中のテラスまでフリーで登り、そこから25m位はロープを出した
小さなカムで支点は取れた

快適に登れたナメ滝。上部はロープを出した

快適に登れたナメ滝。上部はロープを出した

 

ナメ上部。

ナメ上部。

 

途中まで登ってしまい、ひいひい言ってクライムダウンした滝。右岸手前に巻き道があった

途中まで登ってしまい、ひいひい言ってクライムダウンした滝。右岸手前に巻き道があった

まだまだナメは続くが、次第に砕石が多くなってきて
またまた二俣に突き当たった
岩佐さんによると、高度計は1520mを示しているという
今回も試登するが、左は50mぐらい上で、登れそうにない滝が見える
「ここも右だな」と検討を付け登り始めたが
ルンゼはどんどん曲がって北東方向に伸びていっていた
地形図を見て再検討
「これは本谷ではなく、右の枝沢だな」と判断
樹林帯を下り、15mの懸垂でさっきの二俣に戻った
左俣に進むと、下から見えた厳しい滝にぶち当たった
左岸のルンゼから滝を途中まで登り、ボロボロ岩で「これは登れん」と身体極まった

しがみついたまま振り返ると右岸の樹林帯の緩斜面に、踏み跡らしきものが見えた
これは巻き道に入る手前の12m滝だったのね(T_T)
必死の思いでクライムダウン。かなり神経をすり減らした
さっきの二俣からのうろうろで、2時間近く無駄にした

踏み跡は薄くなったり濃くなったりして、尾根をどんどん左の方へトラバースしていく
そのうち西方向に登るようになり、3つぐらいの大きな岩の基部を通り
上部の立ち枯れ帯に至った
そこからすぐに稜線。明星ケ岳北方のコル近くに出た
登山道の歩きやすさに感動しながら、近畿地方最高峰の頂上に出た
信仰の山らしく、護摩木のようなものがたくさん置いてあった

立ち枯れた森を進む。稜線はもうすぐ

立ち枯れた森を進む。稜線はもうすぐ

近畿最高峰!日向は暑いっす

近畿最高峰!日向は暑いっす

下りも長旅
弥山から東へ東へと稜線をたどり、大栂山手前で林道に出た
「時間かかってもいいから、確実な道で行こう」と林道をゲートまで歩いた

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