明神池から天狗池まで、穂高主稜線の東側にある六つの池を縦につないで歩くことを岩佐さんと計画しましたが、二日目は悪天になり、北穂池と天狗池には行けませんでした
【10日】中ノ湯2:40-5:10明神池5:20-7:20ひょうたん池7:40-11:30奥又白池12:10-14:20涸沢池-涸沢
【11日】涸沢5:40-9:20上高地
中ノ湯に車を止め、明神まで黙々と歩く
「いつも、歩いて上高地にはもう2度と行かないぞと思っているんだけどね」と岩佐さん
にこにこ笑って言うのは、ホントは歩いて行くのが好きだからだろう
あまり冷え込んでおらず、寒くない
南の前線から暖かい空気が入り込んでいるからかも。もはや天候悪化の予感
明神池は穂高神社の境内にあるらしく、柵に囲われていて外からは見えない
柵の手前から、池を拝んだことにする
明神を出ると、正面の東の空に、薄っぺらな月が上がっていた
よく見ると、高い位置に明けの明星。月の横にもう一つ明るい星が見える
自宅に帰ってから調べたら木星だった。木星って、こんなに大きく見えるんだ!
きれいな天体ショーを見ながら、養魚場の木道を渡って下宮川谷へ
一般登山道なみの目印と、しっかりした踏み跡があり驚いた
藪こぎはなく、ただ足を前に運ぶだけで標高2300mのひょうたん池まで着いた
コルでは「あれっ、水がある」と岩佐さんが素っ頓狂な声を上げた
夏以降は干上がると聞いていたらしいが、満々と水をたたえるひょうたん池
とてもじゃないが、飲めそうではないけれど、、、
ここでハーネス等を装着。菓子パンでエネルギーを充電
コルから50mぐらい上がり、尾根がやや幅広になったところから右斜面のトラバースに入る
すぐに急斜面の藪こぎ
灌木を手がかりに、横に横にと渡っていくが
足が滑ると下又白谷に真っ逆さまなので怖い怖い
100mぐらい進んだところで、「ここで滑ったらやばい」ということになり
ロープを結んでスタカットで進む
2P80mほど行き、30m2回の懸垂。
カールボーデンのまだましな斜面に着いた
そこから滑りやすい枯れた草付きと、一歩歩くと岩崩れを起こすモレーン
足場悪すぎです
やっとのことで着いたカールの底(2200m)には
遭難者のものと思われる赤いシュラフが放置してあった
茶臼のコルまではひと登り
登路に使ったルンゼの傾斜は急だが、側壁沿いに行けば岩は安定していた
やっと奥又白池(2500m)
テントを張っていたおっちゃんから
「わしも昔、奥又からひょうたん池に行ったことがあるが、今でも歩く人がおるんやな」と声をかけられた
すでに曇り空になってきた。明日は悪天っぽいので作戦会議
中畠新道から帰るか、予定通り北穂池まで行って泊まるか-。
さんざん迷ったが、
もう2度とこのルートを通ることはないし、明日は北と南の前線が押し合って、もしかしたら晴れるかも、ということで、とりあえず涸沢まで行くことに。
5・6のコル(2700m?)を越えて、雪渓の雪解け水がたまった涸沢池に到着
北穂池に行く時間はまだあったが、またまた作戦会議
明日の朝、池のほとりで雪に降られると下りてくるのが大変になりそう
ということで、涸沢にテントを張ることにした
紅葉シーズンということでテント100張ほどで賑わっていた
でもテンバ代1人1000円は高すぎだわ
到着時は寒いぐらいだったが、日暮れ時から暖かい空気が入り、夜はぽかぽか
夜半から強い雨で、午前4時ごろから強風とともに寒気が入ってきて、また寒くなった
北と南の前線が押し合った結果、北の前線が勝ったらしい
翌11日、この強い雨と寒気では、標高を上げるのは危険と判断し下山を決めた
と言うわけで、北穂池と天狗池は行けず、穂高四湖巡りになってしまいました