1皮です
去年の岳人に記録が出ていた笠ヶ岳四ノ沢ピナクル東南壁左ルンゼに岩佐さんと登ってきました
この記事には下降のことが記載されておらず、昔の記録を参考にしましたが、とても苦労しました
岩の最高グレードは5・9ぐらいかな。ビレー点構築も含めすべてカムとナッツを使用しました
5/30 新穂高2:40-6:00四ノ沢出合8:00テンバ8:30-9:00取り付き-14:50ピナクル頂上15:10-19:00テンバ
5/31 テンバ6:20-9:00新穂高
左俣林道から穴毛谷への作業道に入り
そのまま堰堤2~3つは林道を歩いて右から越す(そのうちの1つは巨大堰堤)
林道がなくなった次の堰堤は、2mぐらいの木を斜めに立てかけた所から上がる
その次は右側の斜面を登れる
その次は堰堤の下を徒渉し右岸から上流へ
裸足になり渡るが、アサイチの徒渉はきつい
後は右岸を行き、小さな堰堤を越え、二の沢の手前で再び裸足になって徒渉
足が凍りそうです
去年間違えて登ってしまった三ノ沢出合を越え、すぐに四ノ沢出合
雪の量は去年7月とほとんど変わらない
出合からはピナクルが正面に見える。四ノ沢の傾斜は意外なことに緩い
二俣を越し、左俣を経由しピナクルルンゼに入る
テンバになりそうな平坦地を探しながら行くが適地が見つからない
結局、東南壁取り付きの下100mぐらいまで上がってやっと
2人用テントがギリギリ張れるぐらいの場所を見つけた
夜は雪を溶かして水を作った
すぐに登攀準備し、取り付きまで2~3級ぐらいのルンゼをロープなしで
傾斜が強くなるところでロープを結んだ
1P目20m5・6(岩佐)ルンゼ内を巨大なチョックストーンまで。岩がもろいと叫んで、いくつも落とす
2P目35m5・9(1皮)右壁に入った弓形クラックからチムニー。穴の中のピナクルでビレー
3P目35m5・8(岩佐)穴を奥から出て、チョックストーンの上にあるフィンガー。そこから、カンテ状を登る。クラックが少なく、怖いピッチ。幅70㎝、奥行き5mぐらいの平坦テラスまで
4P目10m5・7(1皮)岳人の記録では、正面の凹角を登るとなっているが、クラックには草がはびこっていて、登れる気がしない。おかしいと思って読み直すと、「3つある右上バンドのうち、上から2つめに取り付く」と記述されていた。もしかして、ここは一番下のバンドなのかもと思い、カンテに戻り、もう少し登ると、安定感の悪いバンドが出てきた。それを伝っていくと、正面の凹角が登れそうに見えた。
5P目30m5・9(1皮)バンドを右上し、凹角のダブルハンドクラック。右壁に適度にスタンスがあり簡単。ハング下のテラスでビレー。
6P目15m5・8(岩佐)ハングを右に越す高度感のあるトラバースから、フィスト~ハンドクラック。クラックはスタンスがないため、左足のジャミングに激痛に耐えながら登る
7P目40m5・5(1皮)岩くずのたまったブッシュ帯を、ブッシュのトゲトゲに耐えながら行く。ピナクルの頂上まで。
頂上から、第一岩稜を正面に見て懸垂開始する
最初の30mぐらいは緩傾斜、そこから急になる
急になったところから下をのぞくと、今登ってきたルートの真上にいることが判明
もっと右手の方に懸垂しなくてはと、途中の木まで登り返し、懸垂し直す
雨が降り出し、雨具の上を着込んだが、すぐびしょ濡れに
そのまままっすぐ懸垂すると、こんどは雪渓に突き当たってしまい、クライミングシューズでは下れない
またもや途中で懸垂を打ち切り、緩斜面のブッシュをつかんで右へ右へと歩いて下る
すると、ピナクルのピークからリッジをまっすぐ降りてきたところにあるコルに到着
そこの灌木で急な雪渓をもう1ピッチ懸垂
やっとガラ場に出て、20~30m歩いて下る
正面に台状のピークが見え、ピーク上のハイマツを探すと懸垂に使ったスリングを発見
新たなスリングを巻き、そこから45mぐらいの垂直&空中懸垂
ガスっていて10mぐらいしか視界がなく、めちゃ怖です
草付きでピッチを切り、岩に向かって左手の灌木を支点にもう1ピッチ懸垂
暗くなる直前に取り付きに戻りました
5/31 第二岩稜に登る予定だったが、雨が朝になってもやまなかったため帰ることを決定。徒渉点では靴をはいたまま渡りました