丸山東壁 左岩稜ルート 7月11日 (記)波多野 会員外 神保
丸山東壁は憧れ続けていた所である。いや「やらなければいけない」と心に誓っていた。
内蔵助から1ルンゼに入ると左岩稜ルートの全貌がみられる。取り付きの見当を付けて基部に向かって進む。
取り付き地点がハッキリしないが、左岩稜へは何処からも入れそうなので、ザイルを結んで緩斜面のスラブをトラバースして岩の基部に取り付いた。
2ピッチ目は傾斜のある潅木帯を登る。途中にシュリングの残置と終了点にはアンカーが設置してある。15m先にもアンカーが確認できたので、ここは左岩稜ルートだと認識した。
しかしピンが何処にも見当たらない。トポとも内容が微妙に違う。
半信半疑のまま登り出すが5メートぐらいで行き詰る。グレードは4級ぐらいであるがランナーが取れていないし、その先もランナーが取れないので精神的にやられてしまう。
「ここは本当にルートなのか?」と疑問に思えてきた。
そして3年前の衝立ダイレクトカンテの思い出がよぎった。
「登れないことは無いがリスクが大きすぎる」との判断から、クライムダウンでビレーポイントに戻った。
3年前なら登っていたであろう。
パートナーとしばらくルートの確認をするが、ハッキリとした事は分からないままであった。
選択肢はもう下降しかなく、頭は悶々としたまま降りる。
基部に下りてからもルートの確認をするがハッキリしない。結局我々の答えは「トポでは3級になってる。それぐらいノーピンで行け」と言うことに落ち着いた。
憧れていた丸山を離れるのが忍びなく、2時間ぐらいその場にパートナーと話しながらとどまっていた。
そして「秋に緑ルートをやろう!」とパートナーと誓い、ようやく丸山を離れることが出来た。
悶々とした頭を空白にしたかった僕は、黒四ダムまでの急登を猛烈な勢いで登った。
ただひたすらに、苦しみに耐えながら全力で登っていたが、最後にはパートナーに抜かされてしまった。そんなことが、楽しくもありうれしく思う瞬間である。
次の日は御岳に行って、田の原~剣が峰~8合目~剣が峰~山頂一周~田の原のトレランをやりました。
最初の田ノ原~剣が峰までは、怒りの走りで40分で登りました。富士登山駅伝に向けての良いトレーニングになりました。