お久しぶりです。
吉川Kです。
久々に千種アルパインクラブのBC部の山行がありました。
メンバー
酒井さん、成瀬さん、吉川K
ここのところBC部の定番となりつつある妙高エリア。
ドカ雪が降れば、弾丸で日帰りアライリゾートに行く強者もいます。
降ればゲレンデでパウダー祭り
雪が安定していれば山で遊べるBCスキーヤーにはもってこいのエリアです。
昨年、妙高山外輪の三田原山へツアーした時のこと。
そこから見る火打山のピラミダルな形と美味しそうな雪を抱いた山容に心奪われた我々BC部は、今年、1泊で火打を滑る計画を立てました。
【概要】
Day1
10:30 ゲレンデトップ
13:20 三田原山
14:15 黒沢池ヒュッテ
16:00 高谷池ヒュッテ
Day2
7:00 高谷池ヒュッテ
9:00 火打山直下2300m地点(敗退決定)
10:00 高谷池ヒュッテ
16:00 ゲレンデトップ
1泊装備だが、高谷池ヒュッテの冬季避難小屋には布団があるとことだったので念のため3シーズンシュラフのみを各自持った。あとストーブも各自1つずつ。
後に、この念の為の各自シュラフと各自ストーブに助けられることになるとは….
1日目
ゲレンデトップへ到達するリフトの始発が9:30なのでゆっくり目のスタート
三田原山までは、私は3度目。
寒波のおかげで雪は十分そうだった。
天気は芳しくなく、この日は火打山の姿を見ることはできなかった。
風ふく外輪山を歩く。
三田原山まではスキーヤー1パーティが先行。三田原山で彼らを抜き、そこからはノートレースだった。
妙高山外輪から、適度に開けたところをとって黒沢池方面へ滑り降りる。
本日1回目の滑走。
視界が悪く先が見えないが、地図を頼りに緩やかに滑り降りていくと突然視界に、変わった形の小屋が見えた。
ここから茶臼山への登り返し。
トレースが消えたのでラッセルしながら登る。
夏道沿いにたどり、最後は高谷池ヒュッテに向け尾根から滑り降りた。
避難小屋は3階の窓から入る。
窓を開けると散らかった室内。
片付けと掃除からかなーと思い、ブーツを脱いで中へと入る。
薄暗いのでヘッデンをつけて室内を見回すと重ねられた布団の上に、無数の小動物の糞。
ネズミがいるとの情報を前もって知っていた私が、
成瀬さんにこれは、、、
と話しているところに酒井さんも室内へ。
次の瞬間。
「チューチューチュー!!ドカドカドカ。チューチュー!ドカドカ」
姿こそ見えないが
迫力のある鳴き声と、足音。そして見るに耐えぬ糞被害という歓迎っぷりに3人は顔を見合わせた。
しばしの沈黙の後
成瀬さんの
「雪洞掘りましょう」
の一声で「ネズミ小屋」での宿泊はキャンセルとなった。
キャンセル料はかからない代わりに、その後3時間弱のマイホーム作りを余儀なくされた。
久しぶりのイグルー。
アルパインクラブと銘打っている以上、このくらいのアルパインチックなイベントがないとね
なんて話しながらアルパインベテランのお二人と夢のお家を作った。
ネズミ小屋で泊まることを考えたら、こちらの方が快適に違いない。。。
幸い、ストーブを各自1つ持ってきていたので十分な暖が取れた。
さらに3シーズンシュラフも念のためと、3人とも持ってきていたのでなんとか眠ることができた。
2日目
晴れたが、稜線では風が出ていそう。
向かうは念願の火打山
順調にハイクアップするが稜線ではかなりの風があった。
冬の八ヶ岳バリの爆風。
これまた冬山に来たなぁといった感じ。
ある程度まで登ってきたところで成瀬さんの靴擦れに限界が来たため、成瀬さんのみ途中で小屋へ引き返した。
酒井さんと私で火打へ向かうもさらに風が強く、
波打つように深くできたシュカブラにシールがききにくかった。
風の強さから、ここから火打を目指しても滑走できる斜面では無さそうであることと、残りの帰りの行程も考えて2300m地点で引き返すこととした。
厳冬期のBCには条件がよろしくなかった。
名残惜しい思いで、また滑りに来ることを誓い、下山準備をする。
ヒュッテへ戻ると風もなくなり平和モード
装備をまとめて妙高への帰路につく。
風もやみ、穏やかなポカポカ陽気。振り返るとあれだけ風が吹き荒れていた火打山も、そこからみると穏やかな様子に見えた。
酒井さんが今山行でデビューした
テックビンディングとテレマークビンディングの両方の機構を兼ねそろえたハイブリッドビンディングの調子が悪く、何度か立ち止まった。
そういえば、成瀬さんも今回から
テレマークデビュー。
NTNというビンディングの機構があるようで、私の知らないスキーアクセサリーの世界の奥深さに驚いた。
いまだに私は従来のテックビンディングよりも前の
アルペン型のツアービンディング。
重たいが、これしか知らないので今のところはこれで歩ける。(本音は軽いビンディングに変えたい)
ゲレンデトップに着いた頃には
ゲレンデの閉店時間だった。
疲れきった足に、ゲレンデのカチカチバーンが追い討ちをかけ、何度も休憩をしながら駐車場まで降りた。
結果として火打の大斜面を滑ることはできなかった。
滑りを楽しみに来たというよりは、どちらかというと、スキーの機動力を使って厳冬期の火打にアタックできたといった感じである。
敗退こそしたが、
イグルー泊に始まり、爆風の稜線など、久しぶりに冬山やってる感が満載で面白かった。
残雪期にでもまた火打を訪れ、今度こそあの山肌にシュプールを刻みたい。
以上
2020年は大変な一年になりましたね。
来年はコロナが落ち着くことを切に願います。
皆さん、良いお年を!!