愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

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2009.08.06

遅くなりましたが、7月11・12日でS師匠と穂高へ行った時の報告です。

【行程】
11日: 上高地(5:40, 6:00)-養魚場(圏外)(6:55, 7:10)-ひょうたん池(圏外)(10:00, 10:30)-核心のフェイス(13:30)-頂上(14:20)-最低コル(14:50, 15:10)-前穂(圏外)(16:20)
12日: 前穂(5:20)-紀美子平(5:45)-カモシカの立場(6:45, 6:50)-岳沢(III)(7:20, 7:35)-上高地(9:00)

11日: 養魚場から下宮川谷を行き、ガレ場の途中から右に入る道を行く。樹林帯からやがてガレ場になり上宮川谷を右にトラバースするように登っていく。左手に明神5峰を見ながらコルをめざす。ひょうたん池はなるほど、ひょうたんの形だ。ここから東稜が始まるので、ハーネスと登攀具を身につける。ここからの東稜は稜というよりも、尾根といった感じ。急な草付に踏み跡があり、登って行く。荷物が思い、暑い、ここ数日上高地はずっと雨だったそうで、足元の岩も以外にしっかりしていなくて歩きにくくて、ただただ必死で登る。
 途中で5メートルくらいだが、ここで落ちるとかなりやばいところがあり、残置ロープもあったが、ロープをつけてもらった。何でもないところだけど、荷物がかなり多くてスイスイとは行けないのだ。そこからまた長い長いブッシュの急登。黒百合、岩かがみ、キスゲなどお花が咲き励ましてくれる。荷物が重いので、だんだんスローペースになった。休憩も1時間ももたずに、45分くらいで休んだ。上部となると岩も出てきて、核心とも言えるクラックにハーケンが打ち込んである岩に出た。ここでザイルを結ぶ。クラックの右を行き、フェイスに出る。25mくらいだったが、重い荷物での登攀がキビシイをいうことを身をもって経験した。ここからはザイルはしまって、岩稜を登る。大きな岩でも動くようなものもあり、何度かひやひやする。夢中で登るとひょっこり頂上に出た。まずは握手。そして下降を始める。まだ前穂までは長いのだ。下りは古いロープが残置されており、それを使って下りた。かなり疲れが来ている。最低コルからの前穂はかなり遠く、とにかく、一歩一歩ゆっくり進む。でも、10歩くらいで足が止まる。師匠からどんどん離れていくだろうと思っていたが、師匠のペースも同じようにゆっくりになっていた。二人とも同じように辛かったのだ。前穂の道標を見つけてひたすら歩く。約45分後、辛さは喜びに変わった。ジャンダルム~奥穂~北穂、北穂の後ろには槍の大パノラマの中、ツエルトを張る。師匠が内張りのポールも持ってきてくれたので、中は広くて快適だ。まずは温かいコーヒーを沸かす。安堵が体中を染み渡る。長い長い行程、苦しかった登りが、今は至福の時をくれる。今日は前穂の頂上で過ごせる夢のような時間だ。夕食のラーメンもとても美味しく、幸せでした。そして、缶ビールとワインで乾杯。超、超幸せな気分に浸りました。夜は風がかなり強く吹き、しかも一晩中吹き、ツエルトを叩きつける音と、やはり3000m、全てを着込んでシュラフカバーにもぐり込んでも、寒くて寒くて二人ともしっかりは眠れなかった。「さむ」「さみ~」を二人で口走り、朝を迎えた。

12日: この日は北尾根の3・4のコルからC沢を下降、Dフェイスに取り付く予定だったが、3・4のコルからしっかり雪渓があり、持ってきた6本爪アイゼンでは下降が無理なこと、天気も怪しいということで、下山することになった。支度する間に、もう雨がポツポツ降り出し、穂高を後にした。

 今回の山行は、穂高が好きで歩くのが好きな自分のために、素晴らしいバリエーションを計画して下さった師匠に感謝、感謝です。穂高でビバーク、貴重な経験をありがとうございました。

Tsuji

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