2015.08.29
どうも、ラッセルです。
先日8/6~16日まで祥子姉とyosemiteに行って参りました。
今回はグレードにこだわらず、マルチやショートの5.10台~5.7の★★★★★を登りまくりました。
写真はあまりありませんが、悪しからず。
(エルキャプがお出迎え )
気候は常に晴天。
湿度はありませんが、太陽光がとにかく、
暑い!
干からびながらのクライミングの毎日でした。
どのルートも40m~60mのスケールがあるので高グレードでなくても登りごたえ十分です。
クライマーの聖地CAMP4
5~6月、10~11月はクライマーで溢れるんだとか。
僕らが行ったシーズンはキャンパーで一杯でした。
隣のイングランドチームはエルキャプのワシントンコラムにトライしていた模様です。(イギリス人の女性クライマーは実に美しかった)
実に好みでした。
黄色の・・・
おっとっと。
この裏話はまた今度。笑
ハーフドームは涼しかったですよー。
しかし、上裸は僕だけ。
(アメリカ人大したことないっす笑)
ナットクラッカー★★★★★は美しいかったです。
気持ちの良いランナウト。
ヨセミテのルートはランナウトが基本と聞いていましたが、
登っていると自然とランナウトしていることに気付きます。(玉切れになってしまうので)
そして僕の顔の長さよりもある、松ぼっくり。笑
ジョンミューアトレイルを満喫しました。
そして、西村代表にオススメされた
ピッツアッッッ!!
カリービレッジで食べれます。
アメリカンな感じでとても美味しかったです。(ご馳走様でした)
(そりゃアメリカ人は大きくなる訳だ)
食事は基本的にはヨセミテビレッジで買い出しし、
肉
パン
豆
ビール
を飲み食いしてました。笑
帰国後の体重。
2キロUP。
(この際パワークライマーになろうと誓いました笑)
なによりもyosemiteという場所は
ブログでは本当に書ききれないぐらい素晴らしいところ。
なので千種の方には直接語らして下さい。(書くの面倒くさい訳じゃありませんよ)
写真は祥子姉がもっと撮っているので、後日追加しますね。(きっと)
次にyosemiteに訪れる時は
ビックウォールにトライしたいなと思います。
強くなって、
アストロマン、フリーライダー、いつか登りたいな~(パートナー募集)
帰りにはサンフランシスコ空港で偶然カナダ遠征チームにも会い、
成田で呑み会スタート。
スコーミッシュ、バカブーの話を楽しかったです。僕も行きたいな。
僕は初の海外遠征でしたが、とてもいい経験となり、次に繋がるものになりました。
海外良いっすね。
スケールが違います。
次の目標も出来たので、
さらに山、クライミングを楽しんで
強くなろうと思います。
お疲れサマでした^^
ラッセル
2015.08.19
酒井です。
前穂高岳4峰正面壁北条新村ルートへ、曽我さん上手さん森さんの4人で行ってきました。
取り付きに着いた時点(取り付きまでの経緯は4連休の森さんによる渾身のブログをご覧ください!)で決まっていたのは、抜けられれば3.4のコルビバーク、時間的に難しいければハイマツテラスビバークでした。
1P リード:上手
特別難しいところもなく緩やかにスタート
2P リード:酒井
高度感が少し出てくるが特に印象なし
3P リード:上手
2Pを伸ばしすぎたか短かかった
とりあえずハイマツテラスまで何もありません。
テラスに着くと既に曽我さんが核心の4Pをアブミを掛けリード中。
曽我さんだけ抜けたところで時間は16:00、ハイマツテラスのビバークが決定しました。
酒井崖っぷち
18時頃就寝し、寒くて起きたのが23:30頃。
そこからは寝ては寒さで起こされを繰り返し、起床時間の3:00を迎えます。
明るくなったところで登攀を再開。
曽我さんが先に登って4人のザックを荷揚げしてくれたため、3人は空身で核心の4Pに挑むことができました。
トップの曽我さんがみんなのアブミを要所に予めセットし、森さん上手さんが抜けた後、フォローの私が最後に全てを回収。
これが思いの外しんどい。
体力的に疲れるし、たどり着いたところでスリングが(宮崎さんの?)残置なのかPTのものか分からず大声で聞いたり。
事前に印など確認しとかないとダメでしたね。
ようやく回収し終えて終了点に着いた時、すでに5P目を森さんが抜けた後でした。
5P リード:酒井
「トラバースして、一段下を回り込んでからカンテを登る」
とのことでルートを探します。
1度少し戻ってから一段下げてみるなどするも、どうしても「回り込んでからカンテ」へのルートが見つかりません。
上手さんからも見えるところでは相談しながらでしたが、トラバースして進んだ位置は上手さんからも見えず。
結構立っている壁なのでだんだん疲れてきますが、焦っても仕方ないのでフィフィを残置のナッツ(岩佐さんの?)に、ヌンチャクをハーケンに引っ掛け、しばし壁を見上げながら休憩。そして考えた結論はここから直上です。
登れそうに見えたからというのは勿論ですが、残置ハーケンが私のリーチで届く範囲に多く、多少左右に振られるもののまめに支点をとっていけば大丈夫だろうと。
高度感抜群の壁を集中して登り、終了点から解除のコール。
見えない位置であーだこーだとやっていたので、私より上手さんの方が安堵したのではないでしょうか。
5P終了点から壁を見下ろす
後で曽我さんに聞いたらかなり手前から上がっていったようで、難しくないよと。森さんも同じ意見。
回り込む=ビレイヤーから見えないくらいまでトラバースしていく、というような認識があったのですが、これが間違いだった模様。
そして間違ったルートに入り込んだ人によるハーケンが、たくさん残っていくのではないかとの話でした。
6P リード:上手
お、壁の終わりが見える。としか覚えていません。
私の北条・新村ルートは5P目のルート迷いとの格闘だけが鮮明に残り終了。続いて北尾根3.4のコルへ向かいます。
北尾根をやったことのない私は二度美味しくいただき、3峰を気持ちよく登って、13:00前穂高岳登頂。
無事に4人で記念写真を撮ることができました。
その後、岳沢小屋などで休憩しつつ上高地へ下山。
今回もたいへん刺激的で楽しい山行に参加させていただきありがとうございました。
またよろしくお願いします!
2015.08.18
鵜飼です。皆さんがえっちらほっちら登攀している最中,ルンルンと去年の縦走続きをしてきました。
本当は劔に行く予定でしたが、単独行での雨の劔は色々勿体無いので、、、9月まで楽しみに取っておきます。
15日 01:30新穂高 ~ 06:00 穂高岳山荘 ~ 06:30 涸沢岳 ~ 08:00 北穂高岳(昼寝) 09:00 ~ 11:30 南岳小屋 ~ 14:30 槍ヶ岳ピーク
16日 05:30槍ヶ岳山荘 ~ 08:30 双六岳 ~ 双六小屋 09:00 ~ 10:00 鏡平山荘 ~ 12:30 新穂高
0時頃、新穂の無料Pはやっぱり満車。槍見に駐車し仮眠しようとするもどーも寝付けない,ので1時頃出発
白出沢のガレに出ると、前方にヘッテンの灯り。まさか先行者がいるとは、、、世間話しながら追い抜き
穂高岳山荘、まだ朝日が綺麗で人が溢れる中、モサモサとパンを頬張る。
北穂南峰を登ってるあたりで、涸沢槍あたりでかなり大きな落石が、、
北穂で休憩している時にヘリが救助していたが、どうもニュースを見る限り亡くなられたようです、、、、
ご冥福をお祈りします。
続く飛騨泣き、大キレットを眺めるとアップダウンに気が滅入る
時間的には全然朝ではあるが疲れたし、だいぶタイムも早いので腹を満たして山頂昼寝
おっかない飛騨泣き、意外と普通な大キレット。南岳前の急登に着く頃にはヘロヘロ なんやかんやで南岳小屋、
まだ昼前である。山と高原地図のコースタイムはよくわからんと改めて思う。 計画ではここで1日終わり予定であったが、流石に暇すぎるので槍まで行ってしまう。
中岳、大喰の稜線は歩いてて気持ちがいい。ギザギザの稜線はもうエエっすわ
山荘に着くと幕営地は殆ど埋まってて慌てて滑り込み、最後のテン場をゲット。
ツェルトを張って空荷で頂上へ。ディズニーランド状態で辟易する。
下ってビールを買って飲むも、美味しさの欠片も感じない。疲れすぎた。
飯を掻き込み16時頃就寝、雨やら風やらで何度か起きるも結局4時まで泥の様に寝ていた。
日の出まで30分以上あるのに何をそんなに浮足立ってるのかよくわからない人たちを尻目に 朝飯を食べながらご来光待ち、
頂上は頂上で相変わらずディズニーランド状態なのでスルー ありがたいご来光をみたらさっさと出発。
西鎌尾根の中間でやっと人混みから開放され、左手に連峰、右手に笠ヶ岳。
初めて良い気分になれたのでコーヒーを入れたり。
双六小屋でエネルギーを注入して空荷ピストン。最高のランニングエリアだ。走るのは嫌いだけど、、、
下山は一心不乱に、早く降りて、風呂と飯!
たまにはハイキングもいいもんです。
2015.08.18
メンバー:早戸、F君(日本山岳会東海支部・岐阜登高会)
8/14 22:00中尾高原口近くの駐車場
8/15 2:00出発~滝谷出合5:00~合流点9:30~10:30第四尾根下部登攀開始~16:00スノーコル~19:00Cカンテ上・ビバーク
8/16 6:00出発~9:00登攀終了~10:30穂高岳山荘~11:00下山開始~14:00ロープウェイ乗り場
◆
友人F君と滝谷第四尾根に行ってきましたので報告します。
F君は去年のリべンジ、僕は初めての滝谷でした。
計画は日帰りのつもりで予備日一日としました。
14日22:00新穂高に到着。予想通り無料駐車場は満車。
早々に諦めて中尾高原口近くのPに車を停め仮眠。
AM2:00ヘッデンつけて出発。
退屈な林道をひたすら歩く。
ちょうど明るくなったころ滝谷出合に着く。
出合から少し歩くとすぐに雄滝が見えた。ものすごい迫力。
右岸を3Pで登った。
岩登りの部分は浮石も多く、悪かった。
藪漕ぎのトラバースをし、落ち口へ抜けた。
雄滝を越えると雪渓が現れた。アイゼンを履くほどの傾斜ではなかったのでそのまま通過する。
ナメリ滝に到着。
雪渓が切れ落ちていたのでアイゼンを履き、F君をロワーダウンしたのち、
僕はF君のバイルを借り、ダブルアックスで確保してもらいながらクライムダウンした。
ナメリ滝の登攀は難しくないと思っていたが、水量がやや多かったためか濡れている部分が多く緊張した。
ナメリ滝を越え合流点へ。すごい景色だ。下部の核心も終わり、テンションがあがる。
時間的にも順調だし、あとは快適な岩登りをするだけと思っていた。
ここからC沢をつめる。
しばらくしてからF君が去年ここから尾根へ上がったというポイントに着いた。
しかしここはどう考えても手前過ぎる。
もう少しC沢を詰めるべきと思い、もう少し行ったところで左から支沢が合流してきたし、
ちょうど尾根が平らなのを見て尾根へ上がった。
そこには残置支点があり、壁にもスリングがぶら下がっていた。
F君も去年ここを登ったと聞き、登り始める。
しかし脆い、脆すぎる。これは違うんじゃないかと思いながらも登り始めてしまったことを後悔する。
時間をかけてなんとか抜けようと思ったが、自分の胴体ほどの岩が剥がれてフォール。
カムで止まったが心が折れた。F君にリード交代。無事に抜けてくれた。
ここからさらに4Pほどロープを出し、全体的にかなり脆い岩場を登った。
藪漕ぎ、ナイフリッジ色々こなし、ようやく本物のスノーコルに到着。
この時点で時刻は16:00。日没までに登山道に抜けるのは無理だが、明日のこともあるので行けるとこまで行くことに。
そこからのクライミングは岩も固く、全く問題なく登った。Cカンテを登ったところの平地でツェルトを張りビバークとした。
冷たい水で作ったアルファ米は不味すぎて全部食べられなかった。あぁ、僕もパンにしとけば…
今回はシュラフカバー無し。ダウンベストとカッパ上下、足はスタッフバッグに足を突っ込んで寝た。
寝れるか心配だったが疲労のためか結構眠れた。
5:00起床。昨日の疲れも残っているのでゆっくりと6:00出発。
その後も問題なく通過し、9:00に登山道へ抜けた。
バテバテになりながら穂高岳山荘へ駆け込み、カレーライスとポカリを購入。
おお、生き返った…
電波が悪かったので公衆電話で代表に電話をいれ下山にとりかかった。
カロリー補給したおかげで多少元気も戻り白出沢を駆け下った。
2015.08.18
1皮です。
岩佐さんと甲斐駒・赤石沢に行ってきました。
当初の計画は、登山大系に甲斐駒最長ルートと記載された大武川~赤石沢~奥壁左ルンゼを15~17日の3日間でトレースすること。だけど17日は雨予報ということで、2日間で左ルンゼまで登ってしまおうと、いつも通りの甘い見通しを立てて臨みました。赤石沢は何とか完登しましたが、残念ながらというか、当然ながらというか、左ルンゼは触らずに終わりました。
【15日】篠沢大滝キャンプ場先の林道3:30-4:30林道終点・入渓谷地点4:40-赤石沢出合-11:20大滝11:40-14:00Aフランケ下部岩小屋-15:00ビバーク地
【16日】ビバーク地5:305:50CS滝取り付き6:20-9:30フランス人のチムニー-14:30第一バンド15:00-20:00横手集落-21:00林道の駐車場
【15日】
お盆休みの家族連れで賑わうオートキャンプ場の真ん中を通り過ぎ、しばらく行った先の林道脇に駐車。大武川で堰堤工事が行われており、林道は路面がきれいで歩きやすい。シカの「キーン」という鳴き声を聞きながら篠沢との分かれ道を左へ行き、林道終点の工事現場まで。まだ薄暗いので、明るくなるのを待ちながらゆっくり準備する。土砂を詰めた堰堤工事用フレコンバッグの上を歩いて入渓。このところの猛暑のせいか、水はぬるい。
しばらく河原を行くと、最初の滝が現れる。すぐに右岸の巻き道へ。登山大系によると、95年前の1920年に初めて登山者が登ったとされる大武川。最近は入渓する人はあまりいないと思われるけど、踏み跡は明瞭だ。その後は、きれいな滑滝(上一条の滝?下一条の滝?)などが次々出てくるが、ほとんどを巻き道から越えていく。シャワーを浴びながら行く沢登りの楽しさはないが、きれいな釜や滝を巻き道から見るだけでも癒やされる。
滝の沢を右岸に分けた後、本流はやや蛇行するようになり、ヒョングリの滝や横手の滝と思われる滝など、美しい滝が続く。でも、どれがどの滝か全く分からない。左岸のカラ沢を越え、大きな滝を右岸から巻いていくと、正面に摩利支天の岩壁が見えた。しばらく行くと、左岸からしょぼい沢が合流。これが赤石沢らしい。赤石沢に入っても滝は続く。右岸左岸と巻いていき、連瀑帯を右岸から大きく巻いていくと、樹林の間から白っぽい河原が見えるようになってくる。その上には大滝が見えた。日差しが暑い。大滝正面の河原で大休止を取った。
大滝は水流の左側を登れるらしいが、今日は第一バンドまでの予定なので左岸の巻き道に向かう。右手の小尾根に乗り、岩壁にぶつかったら、やや不明瞭な踏み跡に導かれて右に左に越える。途中、土のルンゼを登ったり、古い残置ロープの方向へ岩を越えたりする。大滝の落ち口より遙かに高く上がると、踏み跡は左へトラバースするようになって、右手から来る八丈沢を下り気味に渡って、50分ほどで本流の河原に下りられた。その後、沢は傾斜を増し、クライミングに近くなる。その周辺には、4月に起きた遭難の犠牲者とものと思われる荷物が散乱していた。トイ状の滝をシャワーを浴びながら途中まで行き、巨岩の手前を右に巻き気味に越える。3段40mの滑滝を右岸から越える当たりから、巨大なAフランケが見えてくる。左岸の樹林帯に沿って巻き、Aフランケ下部のスラブへ。すでに午後2時。これから難しい滝が続く。このまま登り続けるかどうか迷ったけど、今日中に第一バンドまでは抜けられないと判断。本流近くの砂地にツエルトを張った。Aフランケ赤蜘蛛ルートでは2人パーティーが夕方まで奮闘していた。
【16日】夜は寒くてあまり寝られなかった。すぐ下の滝でずぶ濡れになり、濡れた衣服のまま寝たせいだ。4時起床。取り付きまですぐなのでゆっくり準備し、十分明るくなるころに出発。20分ほどで、でかい岩がいくつも溝に挟まったチョックストーン(CS)滝に着いた。
1p目40m(1皮)CSは一つ一つが巨大で、ハング帯のようだ。左壁は、水流で磨かれた花崗岩でつるつる。おまけに滝の途中まで水流があり、こけが付いている。カムが効くのが唯一の救いです。岩を乗り越す時にホールドがなく、マントリングを多用。「こえー」と叫び声を上げていく。カムとナッツでビレー点構築。
2p目15m(岩佐)本流が右に屈曲するところまで。Bフランケが目の前に見える。
この後はしばらく歩きが続くとみて、ロープをしまい、アプローチシューズに履き替える。でもすぐにロープなしでは越えられない巨岩が出てきて、2回ロープを出したりしまったりする。しばらく巨岩を乗り越えたり、砕石の上を歩いたりして、フランス人のチムニーの取り付きに付いた。チムニーの傾斜は緩そうで、そんなに難しくなさそう。ザックを背負ったまま登り出す。
1p目25m(1皮)オフィズスの1歩目が上がらない。左面はツルツル岩で、右はハング気味。これは無理! 荷揚げすることにして、カムにあぶみをかけてグラグラ動くチョックストーン(セカンドの岩佐さんが落としたらしい^^;)の上にはい上がる。一歩目から必死です。その後は、ずりずりやる典型的なワイドクラック登り。所々カムが効くので、プロテクションは安心です。上部は風化が激しくボロボロとれる花崗岩のかけらに気をつけながら登る。グレードは5・9ぐらいか。傾斜が緩く、CSにひっかかるため、荷揚げも一苦労。ロープ1本は1皮のザック荷揚げ用にして、セカンドの岩佐さんが自分のザックは背負って、1皮のザックを押しながら登ってくれた。
2p目10m(1皮)正面は傾斜のあるツルツルスラブ。右側はこけでヌルヌルのルンゼ。さてどっちから行くべきか。ルンゼにさびた残置ハーケンが一本だけあり、これしかプロテクションが取れない。ドロドロの岩のエッジにそっと乗り込み、その上は「ボロボロ岩がはげるなよ」と祈りながら、岩のしわにクリフハンガーを掛けてあぶみに乗る。右手がぎりぎり届く位置にあるヌルヌルチョックストーンの隙間にエイリアンをかませ一安心。あぶみをかけて、岩の上にはい上がる。どっと疲れた。
3p目25m(1皮)登山大系によると、最も困難なピッチとか。ここまででも十分困難です(^^;)。ザックなんて背負う気なし。ダブルクラックから、右手の急なルンゼに斜めに進み、洞穴、最後にハングが待っている。ハングの下にはハンドサイズの横クラックがあるのが見える。上から残置ひもが垂れ下がっているが、ぼろぼろで力をかけたらすぐに切れそうな位に劣化している。ハング下まで行ければと思いながら、ボロボロ岩の隙間に小さなカムをかけて、カムエイドで前進する。洞穴の下は最悪のボロボロヌルヌル岩。開いた溝にトライカムのオレンジ、下向きクラックにエイリアンの黄色などをはめてあぶみで前進。でもハング下の横クラックには1mぐらい手が届かない。ここで敗退?との思いがよぎるが、こんな軟弱プロテクションでは敗退もできない。しかたがない。岩のやや溝になった部分(ほとんど土?)を指でほじって結晶を落とし、長さ2センチ、幅5ミリ、奥行き1センチぐらいの穴を作り、最も小さいエイリアンの黒をはめテイスティングした上であぶみに乗り込む。結晶がガリッかける音にひやりとしたが、何とか落ちずに済む。ハング下の横クラックにハンドサイズのかけることができ、あぶみに乗ってハング上にはい上がった。奥壁が目の前に見えた。セカンドの岩佐さんは自分のザックを背負い、荷揚げの1皮のザックを押しながら登ってくれたm(_ _)m。
第一バンドで小休止。時間的にも、気力的にも左ルンゼをこれから登るのは無理なので、下山を決定。ながーい黒戸尾根を下りた。横手集落までは遠かったが、林道に止めた車はそこから5~6キロ先。足の痛みに耐えながら歩いて取りに行きました。
終わり
2015.08.17
森です。8/15~/16、曽我さんと私、上手さんと酒井さんというパーティで前穂北尾根4峰正面壁 北条・新村ルート~北尾根に行ってきました。
/14 20:30過ぎ春日井初~0:00沢渡
/15 5:00沢渡~5:30上高地バスターミナル~7:00徳沢~8:00中畠新道分岐~13:10北条・新村ルート取り付き13:40登攀開始~
16:30登攀終了 ハイマツテラスにてビバーク
/16 4:50 4P目登攀開始~8:30曽我・森パーティ登攀終了 9:30上手・酒井パーティ登攀終了~北尾根4峰~10:30 北尾根3峰登攀開始~2峰~12:45曽我・森パーティ登攀終了 13:00上手・酒井パーティ登攀終了~前穂高岳頂上~16:00岳沢小屋~18:00上高地バスターミナル
/14日の夜春日井を出発し、沢渡へ。上手さん、酒井さん、私とでプチ晩酌をしてから就寝。
【アプローチ】
/15沢渡よりタクシーにて上高地バスターミナルへ。今回は荷物も水も全部担いでの登攀になるので、一人あたり2.5Lの水を持って行った。
中畠新道分岐の沢は、時期によっては枯れていることもあると聞いたので、徳沢で水を入れて行った。しかし中畠新道の沢には十分な水があった。
その後は急坂が続き、奥又白池との分岐から右方向へヤブ漕ぎ→ガレ場のトラバース→またヤブ漕ぎ→雪渓へ。
荷物の中で、結構な重量となっているアイゼンとバイル。出番はこの雪渓歩きのみ。
雪渓を超えてからザレ場を左へトラバースしてC沢を上がったところで右側へ。一段上に上がって、あとは踏み跡通りに登って行くと取り付きに着く。7時間40分かかって取り付きに着いた。つ、疲れた。。(+o+)
【北条・新村ルート】
2日とも曽我さんに全部リードしてもらいました。
1P目
草付を30m程登った。岩に着いた乾燥した苔の色、草付きに埋もれている四角くてもろい岩。錆びたハーケン、色褪せた残置スリング。マルチルートとは雰囲気が違うなと感じました。
2P目~3P目
20m程のところに赤い残置スリングの終了点があるが、曽我さんそこはスルー。どんどん登っていくけどロープが足りなくなりそう(´゚д゚`)「あと5mです」「2m!」「1m!」と叫ぶ。どんどんロープがなくなり、「セルフ外して~」と言われて、メインセルフを外して、自分の体を支点に近づけたところでギリギリで足りた。フォローで登っていくと青い残置スリングも超えて、ハイマツテラスに上がってすぐのところに曽我さんがいた。3Pのところ2Pでハイマツテラスへ。
4P目
核心のアブミピッチ。水や荷物が重そう。曽我さんも相当大変そうだったが抜けた。予定では北尾根の3.4のコルまで抜けてビバークする予定だったが、すでに時間は16時を回っていた。全員が荷を担いで核心部を抜けるのは困難と判断。ロープを残置して、ハイマツテラスでビバークする事になった。
去年、宮崎さんとしょーこねえがビバークしたハイマツテラスに今度は我々がビバークする事になった。
ルート的にもハードだし、軽量の為、今回はお酒もガマンしようと思った。でも思っただけで、結局ウイスキーを持って行った(´・ω・`)みんなで一緒に飲もうと持ってきたつもりだったけれど、結局ほとんど一人で飲んでしまった(;´∀`)上手さんは持ってきたウイスキーを紅茶割りにして、酒井さんと分けて飲んでいた。なんてオシャレなんだ。二人は外国の登山家みたいだと思った。
ハーネスをはいたまま、セルフビレイを取ってのビバーク。そもそもビバーク自体私は初めてだった。着る物は全て着込み、シュラフカバーに入ってツェルトを上から掛けて寝る。暗くなると寒くなってきた。ビバーク用のシートを持ってきていたので、試しに使ってみようと広げてみた。しゃかしゃか音がしてうるさかったけれど、ツェルトだけで寝るより随分温かかった。シートの内側が湿気でベタベタになるけれど、シュラフカバーをしていたので気にならなかった。初めてのビバークは寒いし岩が痛くて寝心地悪いし、寝たり起きたりで眠りが浅いように感じたけれど、3時に起こされた時にはよだれを垂らして寝ていた(;^ω^)
/16
明るくなるのを待って、4:50登攀開始。前日のロープのかけ方の都合でロープの流れが非常に悪くなっていたため、曽我さんが空身でタイブロックを使いながら、アブミを6台かけて抜けて行った。アブミの回収は最後の人がする事にし、ザックを全員分荷揚げし、全員が空身で登る事にした。曽我さんは登攀よりもこの荷揚げが一番大変だったと言っていました。本当にすみませんでした。
さて、私が登る番。去年ボロボロの残置スリングを宮崎さんが新しいものに換えておいてくれたので、昨日ハイマツテラスに着いた時、どのスリングだろう、と下から眺めていた。スリングをつかむ、乗る時は「宮崎さん、ありがとう」って心の中で言いながらA0しよう!と思っていた。でも実際に登る時が来ると、空中アブミに必死で、宮崎さんの事はすっかり忘れてしまっていた。スリングも使ったかどうか、覚えていない(^-^; とりあえずアブミが6台あり、回収もしなくていいおかげで何とか抜けた。
5P目
残置ハーケンがいろんなところに打たれており、ルートが分かりづらい。曽我さんも行ったり来たりを2回ほどしていた。リードであの高さでそれをやる事自体、私には恐ろしいことだ(´Д`)曽我さんは5m程トラバースした後、奥のカンテではなく、手前の凹角の奥を登って行った。どうやらそれが正解のよう。続く私は、同じようにトラバースして行ったが、どうも足が悪い。残置スリングを両手で持って下を覗くと下の段は足がありそうで、そこから上に行くのも易しそうに見えた。「あ、、もう一段下だったか。」と思った。なんとかスリング2つをつかんで横の凹角をつかみ、足はどうしたかよく覚えていないけれど、結局はえいやー!で凹の中にあった木を掴んだりして何とか乗り移れた。けどこれ、フォローだからできるものの、リードでこの高さでこんな事絶対にできないよな。。と思いつつ、何とか乗り移れた事にホッとした。後で上手さんパーティや曽我さんの話を聞いて、自分が行ったルート本当は合ってたのか、実はもう一段下だったのか、結局はよくわからないまま(´Д`)
6P目
草ボーボーの草付。ロープいっぱいいっぱいで登った。曽我さんは終了点にたどり着いたところの一番手前のあたりの灌木で支点を取っていた。
ここで北条・新村ルートの登攀は終了。上手・酒井パーティが上がってくるのを待っていたが、なかなか上がって来ない。心配になってきた。「お~い!」と何度か読んでみたが返事がない。1時間が過ぎても上がって来ない。そういえばすごい落石の音がしていたけど。。。とだんだん不安になってきた。曽我さんが「ちょっとロープ出して。見に行ってみるわ。」とザックからロープを出したところで人の気配がした。ガサガサと草付から人影が現れた。上手さんだった。よかった~!酒井さんが上がってくるのを待ち、少し休んで北尾根へ向かう。
終了点から北尾根に向かう道も何気に悪いし・・・(´Д`)
【北尾根】
北尾根4峰はよくわからない、あまり人が歩いた感じのないところを登って行った。浮石だらけ。一度げんこつ位の大きさの石を落してしまい、下にいた酒井さんはヒュッと避けてくれたけど、当たっていたら大変な事だ(>_<)
3.4のコルに着き、3峰を登る。
フォローで登ったけど、高度感があって快適で楽しかった(*^-^*)と思うのはフォローだからで、きっとリードしたら怖いにきまってる(;^ω^)曽我さんがいるところまで行って、「上に上がったところまで行って」と言われ登っていく。「あんまり奥まで行かんでいいよ。」と言われたけど、結局残置終了点があるところまで登ってセルフを取った。槍穂がよく見えて、やっぱり北アルプスは本当にキレイだなあ~としみじみ思った。ず~っと眺めていたいくらい。曽我さんも私のところまでそのまま登ってきて、その後は3峰の頂上まで短いピッチだったけど一応ビレイして、そこで3峰は終了。
2峰はロープ出さずに下りのみ懸垂で降りる。その後も歩いて登って頂上のある岩峰へ。
上手さん、酒井さんが少し遅れて上がってきた。みんなで記念撮影をして少し休んで岳沢小屋へ。
途中まで元気だった私は下山中に急にふわ~っとしてきた。疲労なのか、脱水なのか、急に体が動かなくなり、頭もぼんやりしてきた。
脱水かも、と思って岳沢でスポーツドリンクを買おうと思ったが、ソフトドリンクは全て売り切れていた(´Д`)
ゆっくり下山して18時、上高地のバスターミナルへ着き、沢渡で温泉に入って帰った。
アプローチ一日目、11時間、2日目、13時間と行動時間が長く、水と荷物が重くて大変でした。
本チャンでリードなんて、まだまだ怖くてできないけれど、ルートファインディングも少しづつやっていけるように頑張りたいです。
2015.08.06
岩佐です。
毎日あまりにも暑いので、曽我さんとお気楽沢登りに行って涼んできました。
08:50 山之口登山口 ~ 09:15 入渓 ~ 12:20登山道合流 ~ 12:55 山頂 ~ 14:30 登山口
初心者向けの沢で難しい所もなく、ロープを使う所はありませんでした。
F8より上は岩魚が沢山いて、浅い所では手で掴めそうなくらいで驚きました。
登山道に合流するまで沢は涸れることなく、また意外にも藪漕ぎは5分程で終了。
小粒ではありますが、苔々ヌルヌル無しのそこそこきれいな沢です。
初めて沢登りをする人を連れて行くには良い所です。
2015.08.02
こんにちは、鵜飼です。
昨年の1皮さんの記録を見て行きたくなったってことで、岐阜県の某沢へ
鵜飼・酒井 林道 6:30 ~ 大滝 9:00 ~ くの字の20m滝 10:30 ~ 同ルート下降 ~ 林道 14:00
釣りとか色々したい、という事で早めに出発。しかし着いてみると禁漁区になってまして、、、、漁協のサイトには書いてなかったのに、、
林道からすぐに入渓、先週の柿其より冷たくない?
バットマンの様にブヨを纏い、蜘蛛の大邸宅を破壊しながら、しばらく行くと最初の滝
階段上なのでラクラク。
続く淵と岩間、正面突破
こまい滝を幾つか越えると綺麗な12m滝。
何を思ったか、右側を直登しようとするも、拳大のホールドがモゲて華麗に釜へダイブ
大人しく左側を直登
幅広の綺麗な滝、ここも何を思ったか正面突破しようとして押し返される、素直に左側を登る
スケール感がおかしい、巨岩帯を抜けると25mの大滝
高巻きの予定だったものの、中間部右側のテラスまで登ってみると、ハーケンとお助け紐を見つけて
存外登れそうだってことでハーケンでアンカーを作り中間部より登る
めっちゃ悪い脆い、持てるカムを全力で使いA0してヒィヒィ言いながら突破。
長い時間打たれすぎてセカンドビレイ中は震えが止まらなかった
7mくらいの滝 普通
またまた綺麗な淵と滝、取り付けそうにないので右岸から高巻き
巻いて二俣を左に行くと、2段の滝。
取り付いて見るも、苔苔すぎて気持ち悪いし、釜もないので巻くことに
岩に阻まれ殆ど右俣まで出てしまってから左へ戻る、結構悪い。
遡行図にある最後のくねくねした滝。意外にも余裕で正面突破ができた。
ここで10時半、意外と早かった。しかし、帰りの林道は道が悪いというし
ヒルが出るって話もあるので沢下り。
懸垂につぐ懸垂でなんやかんやで3時間程いい練習になりました。
2015.08.01
出張中の宮崎さんに変わってこんにちは鵜飼です。
7月26日(日) 柿其渓谷 下流~中流域 宮崎、矢野、鵜飼
8時 入渓 ~ 牛ヶ滝(高巻き) ~ 霧ヶ滝(高巻き) ~ 雷の滝 遡行打ち切り 15時半 ~ 林道
白山へ行くつもりが道路の通行止めにより急遽、秘境・柿其渓谷へ。
常に林道が並走してるし、なんだか余裕な気分でノコノコやってきたが全然余裕ではなかった、、、
かなり泳ぐというのはハッキリ分かっていたので遅めの8時スタート。
駐車場から0分で入渓する。
少し歩くと早速、泳ぐか?遊歩道で甘えるか?という選択、珍しく矢野さんがダイブしない
沢の水がかなり冷たく、恐る恐る入る矢野さん。少し流されてすぐさま岸に這い上がる 爆笑である。
結局遊歩道は使わず遡行するとすぐに牛ヶ滝。
こりゃ無理だ、、、なんだこれ、、、ワンチャンとか無い。
左岸の滲み出しみたいな所を高巻く、所々テープが貼ってあるけどかなり崩れた道を辿り牛ヶ滝裏側へ
この滝、2段構えになっていて1段目にも釜があり凄まじいスケール
滝の先は平坦な河原、しばらくいくと両岸が迫り上がり、泳ぎ無しには突破は不可能になってくる
ここで登場スーパー沢屋人のNEWアイテム?カッパ手袋 (別になくても行ける)
その後、右へ左へ渡渉を繰り返すが、水量が多くいちいち飛び込んだりして、油断して時折数メートル流される場面も
そして最初のゴルジュ。軽い気持ちで突っ込むも全く前に進めない、、、
仕方がないのでカッパ手袋を借りて空身で全力クロールで突破。寒さで震えが止まらない
それも束の間、落差は2,3mだが水量の為か突破は無理そう、右岸より高巻き
滝を越えてすぐに懸垂15m、ここで降りて大丈夫か?と中央のデカイを岩をショルダーでなんとか突破
この先もなにかとファイトー一発どころか、何発か数えるのやめた。
この5,6mほどの滝も右岸高巻き。
霧ヶ滝近づくとやっと渓相が落ち着いてきたので、ちょっと竿を出してみるが全く反応なし。根掛かりして終わり
そして霧ヶ滝、左側から登れそうな感じはするがマイナスイオンがちょっと多めなので抜けがやばそう。
資料と見比べると水量が全然違う、、、右岸より藪をバーチカルに漕いで林道に出て数十メートル行った所で下る。
そしてゴルジュはまだまだ続くここらで突破は男気ジャンケンで決める。
このゴルジュと滝、は宮崎さんが先陣を切り左岸の岩によじ登りOKサインを出す。
矢野「何がOKなのか全然わからへん」とぼやく
結局、水量が普通なら行けそうなものの水流で前に進めない為、左岸より高巻き懸垂。結構悪い
虹滝 癒し系
箱淵界隈もなんとか気合で突破する ドボンしたらやばそうなトラバースとか色々悪い
いい加減、滝を突破したいと突っ込んだ2mくらいの滝も、全力。
笑顔で流されてくる矢野さん
そして中流域、上流域の区切りである、雷の滝
水がウォータースライダーの如く宙に浮いてるとんでもない滝でした。
左岸から行けないかと見てみるもヤバそうなので林道に上がって終了。
水量の都合もあって登れた滝は少ないものの
それ以外の要素は凝縮されているし、なにより綺麗なイイ川でした。
ただ、最大の核心は寒さでしたが、、、冬山より震えていた。
上から見た箱淵の様子。どうやって突破したのか全然覚えてない