愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

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2019.08.06

夏休み中の吉川Kです。

暑いですね。

せっかくの夏休み、1人で行ける沢はないかなと探していると鈴鹿の白滝谷がヒットしました。

水量が多い日が楽しいと聞いたことがありますが、初めてのソロ沢なので、地形をよく知った場所、難しくないところ、登山道近いところというところから、ここなら自分1人でも水遊びができそうと考え山行を決めました。

白滝谷へ行くと伝えると、「俺も行く」と父親。
遡行だよ?と伝えると次の日沢靴を買ってきたので、急遽父親も参加しました。

かつて本会のメンバーであった父親は25年ぶりのヘルメットだということ。

年季の入ったそのヘルメットは、鈴鹿の沢水を浴びて往年の輝きを再び放っているように見えました。

メンバー
吉川K、吉川E

8:00朝明P–9:00ハト峰–10:00白滝谷出合–12:00ハト峰–13:00朝明P

沢靴をザックに入れてハト峰への登り。
最近は、年に数回鈴鹿を訪れる程度の父親。ゆっくり行くだの先に行けだの言いながらもノーレストでハト峰へ。

ハト峰から白滝谷登山道を滋賀県側へ下る。

白滝谷と並行してあるので沢の様子を伺いながら下ることができる。

水量は見た感じ少なそうだが、釜もあり、「楽しそう」と言うと父親は「俺は腰より上は浸かりたくなたい」と弱気発言。

まぁ嫌になったらすぐ登山道へエスケープすればいいさと、滋賀県側特有のルーファイに神経を使う登山道をのんびり下る。
(滋賀県側の登山道の中では白滝谷登山道は分かりやすかった気がする)

途中、植林小屋という廃墟を通る。
中には布団や畳らしきものがあった。

ハト峰から1時間ほどで神崎川本流と合流した。
神崎川本流も綺麗で、今年中に本流の遡行もしたいと思った。

沢装備に切り替えて、とりあえず景気付けに神崎川へダイブ!!

先日の川浦本流の冷たさとは打って変わって鈴鹿の水は快適温度。
父親もとりあえず膝まで浸かる。

十数年ぶりのバリエーションに「緊張する」と、若干こわばった顔をしていたが、遡行を始めるとすぐに「こりゃ楽しい」と言っていた。

白滝谷出合には赤布が。

白滝谷は困難な登りもなく快適に歩いて行ける。

途中5mほどの谷で父親が躊躇したが、巻いたほうが悪いんじゃない?と言うと滝芯を登っていった。

廊下っぽい感じのところもあり。

しばらく行くとこの谷の由来である(?)白滝

スタンスも豊富で難なく歩ける。
美しいところだった。

白滝までが序盤でそこからしばらくは大したイベントがない。

登山道がほぼ並行するようになったあたりで赤ナメ。
50mほどのナメ床が続く。

ここを白滝谷登山道が横切っていてここでおしまいにもできる。
というかこれ以降はいつでも脱渓できる。

降ってくるとき、溝状の滝を見たのでそこまではいこうと遡行を続けた。

溝状の滝。
ここは水量が多いと少し大変そう。

最後はチョックストーンの溝状

釜が深く、ちょいと泳ぎ。
自分はチョックストーンが挟まってる廊下っぽいところを泳いで滝芯を登った。
ここも水量があると大変そうだが、左手から巻ける。
父親はそちらから。



CSとその下の廊下っぽいとこを上から。

そのあとも登山道にそって沢は続くが面白くない。

適当なところで登山道にのってハト峰へ。

靴に履き替えてのんびりと朝明へ下りた。

ソロでいける沢を探して見つけた白滝谷。父親と2人になったが久々に親子で登山ができてよかったです。

滋賀県側には神崎川本流ほか、ツメカリ谷、赤坂谷などもあるので1人で行けそうな沢を見つけて行きたいです。

長いようで短い夏休み。
そろそろアルプスで登攀やらもしてみたいなと思う今日この頃であります。

では。

2019.08.06

台高マニアの1皮です

笠ヶ岳穴毛谷一ノ沢に一人で行ってきました
ほぼ東向きの谷で、早朝から強烈な日差しが後ろから当たりっぱなし
熱中症気味でもうろうとしながら登りました

槍見駐車場(1040m)3:40-4:45一の沢出合-6:00二俣6:20―最初の蓋のある滝の上8:50-9:40最後の巨大な蓋のある滝10:40―12:00クリヤノ頭12:30-15:40槍見

穴毛谷に入り、巨大堰堤の下を左岸から右岸に渡り
堰堤を乗越したところから入渓

1750mの二俣まで滝はない
左俣は広サコ尾根上まですぐそこに見える(標高差200m)
右俣は全く雰囲気が違って、左右が切り立ったゴルジュ
ハーネスを付け、右俣最初の滝に向かう

巨大な岩がチョックストーンになっている
まるで瓶の蓋(ふた)
穴毛谷は
間ノ沢
(http://chikusaalpineclub.com/blog/%E7%AC%A0%E3%82%B1%E5%B2%B3%E7%A9%B4%E6%AF%9B%E8%B0%B7%E9%96%93%E3%83%8E%E6%B2%A2%E3%80%8020150921%EF%BD%9E22)
といい
五ノ沢
(http://chikusaalpineclub.com/blog/%E7%AC%A0%E3%83%B6%E5%B2%B3%E7%A9%B4%E6%AF%9B%E8%B0%B7%E4%BA%94%E3%83%8E%E6%B2%A2%E3%80%8020170915)といい、蓋が閉まっている沢が多い

でもこの滝
よく観察すると、蓋の左側は水流がなく、なんとなく登れそうな雰囲気
とりあえず、シャワーを浴びながら蓋の下の空間へ
日当たりがいいので、水は温くて助かった

蓋の下から観察すると、ひさし部分が2mぐらいあり
右岸の壁はスタンスはあるもののヌルヌル
足が滑ったらかなり空を飛ぶのは確実なので
ちょっと迷った末に滝をまくことに変更
しかし、尾根にブッシュが密生していて
まくのもなかなかに厳しい
途中、会社から電話がかかってきて
あるトラブルの処理方法について30分ほど相談して時間をロス
随分登ったところで岩壁にぶち当たって進めなくなったため
丈夫そうな木から懸垂することに

でもかなりの高さで、蓋の下流側に下りてしまいそうな位置
できるだけ斜めに懸垂し、ロープの伸びもあって
60mロープで蓋の横にぎりぎり着地できた
二俣着から蓋に上がるまで2時間半ほどかかった

斜瀑を上り詰め
2つめの蓋が付いた滝
これは簡単に越えられた
さらにガラ場を登り続けると
丸っこくて巨大な蓋が付いた滝が行く手を阻んだ
右から行くか、それとも左か、どっちだろう
蓋の上までは左側の方が簡単そう
でも蓋の上は急なスラブになっており
手がかりがなくてツルッと行くと、空を飛ぶ羽目になる

ここも迷った末、手がかりが多そうな右のクラックから行くことに
しかし小さなチョックストーンがハング状になっていて難儀
数カ所、エイリアンで自己確保しながら
蓋に一つだけあった浅いポケットに体重を預け
最後は気合いの一歩で蓋の上に立った

そこからはツメ
キスゲが咲き乱れる草原の中を登って行く
正面の岩壁を左から抜けようとすると藪こぎに突入
左上に左上にと登り続け
クリヤノ頭(2440m)すぐ東側のコルに出た
クリヤノ頭は岩に囲まれているように見えるが
北から回り込めば歩いて上がれた
てっぺんには、石が積んであり
人が登ってくることもあるのだろう

二尾根、三尾根のピークの向こうに
笠の頂上がとんがって見える
日本離れした風景だね、ここは
頂上でもっとまったりしたかったが
ここも暑いので渋々引き上げることに
頂上は割愛して、灼熱のクリヤ谷を下山した

2019.08.02

吉川Gです。

友人のH君と前谷川に行ってきました。

以前から行ってみたいと思っていた前谷川でしたが、ついに機会に恵まれました。
ちなみにH君は前谷川の遡行はなんと3回目との事。

今回、二つの反省点があります。お陰で二回も死ぬかと思いました。
しかし沢の内容は素晴らしいものです。

魚返橋05:50-前谷川-大日ヶ岳11:05-大日ヶ岳東縦走路-途中で前谷川方面へ下降-14:15魚返橋

準備を済ませて魚返橋の手前の右岸側の林道を利用して入渓。

入渓直後からナメ床、ナメ滝が続き、楽しませてくれる。

低い堰堤?を超えたところから一旦、平凡な渓相になるが、少し歩くと15m程の滝が現れる。これは水流左から突破。

さらに少し行くと、次は短いゴルジュ。奥に低い滝が控えている。右岸をへつる。

次にちょっとしたゴルジュ帯をぬけて、しばらく歩くと立派な堰堤がある。右岸を巻いたが、どちらからでもいけそう。

次の大物は20m程の滝。右の壁の上部に頼りないロープが垂れ下がっており、そこから登ってみる。まあまあ悪い。ロープを出したほうが良かったかも。ちなみに垂れ下がっているロープは引っ張らない方が良さそう。。。

次の8mは脆そうに見える左壁を意外に快適に登れる。美しい二条10mは左岸から巻く。

1046m付近の二俣を過ぎると土砂が溜まったゴルジュが続く。特に面白くはない。

それが終わると、9mの後にまた大きな20m程の滝。
これは左奥の凹角から登った。

次の10mを右壁から登ると、門のような造形の岩が現れ、その奥に黒いのっぺりとした滝が現れる。

↑門

巻きが面倒な気がしたので、直登出来ないかかなり迷ったが、上部のプロテクションが取らなさそうなので却下。右岸から巻いた。意外と普通に巻けた。

小滝を何個かやり過ごすと、今回の「第一死ぬかと思ったポイント」の15m滝が鎮座している。
ぱっと見プロテクションは取れなさそうだが、上部は寝ていて登れそう?と思ったので、割と気軽な気持ちで取り付いてしまった。
結果的にかなり怖い目にあうことに。。
とりあえず、様子を見ようと上へ上へフリーソロで登ってしまい、最終的には落口でもう戻れない状況となってしまった。
頼みの綱は今右足が乗っているテニスボール大のヌルッとした丸いスタンスと右手のこれまたヌメった横カチ。左足を水流の中の小さいスタンスに祈りながら乗せて左手で水流のよくわかんねえところを抑えてマントルを返した。
失敗したら15m飛ぶところだった。死ぬかと思った。後続のH君にはロープを垂らして登ってもらった。

↑エライ目みた滝

ヤバそうならすぐ戻るべきだし、プロテクションの取れなさそうな高い滝に安易に取り付くべきではない。猛省。

そのあとは特に何もなく、上部は藪漕ぎで稜線へ。噂で聞いてた程の藪漕ぎではなかった。
稜線にでて少し登ると、大日ヶ岳山頂。数名の登山者が居た。

大日ヶ岳山頂で長めに休憩して、大日ヶ岳東縦走路と呼ばれる尾根を下降。
あまりここを下降した記録はないが、H君は数年前に下ったことがあるとの事。出だしはヤブっぽいが、途中からは割と普通に降れたとの事。

序盤はまあ割と歩きやすかったのだが、だんだんと雲行きが怪しくなっていき…

最終的には、全く踏み跡もわからない、完全なる藪尾根となってしまった。
のっぺりとした地形のこの尾根をこの状態で降るのはよろしくない。明らかによろしくない。
ここで「第二の死ぬかと思ったポイント」が始まる。

これはもう「前谷川の方に降りよう。」ということになり、1078m標高点付近からとりあえず西に進路を変え、沢沿いを降りはじめた。この判断そのものは結果的には正解だったのだが、降り始めてすぐに異変は訪れた。
頭が痛い。足がうまく着けず、フラフラだ。
さっきまでの藪漕ぎとたまに当たる直射日光でどうやら熱中症の症状が出てきたようだ。
とにかく頭痛が辛く、今思えば吐気のようなものも感じていた。

急いで、沢の水を浴び、水をがぶ飲みして休憩した。
とりあえず落ち着いたが、頭痛は続く。止まってても仕方ないので、とりあえずゆっくり歩く。程なくして林道に到着。
あとは車道を10分ほど歩く。この車道がまた短いが直射日光が辛い。
危なく倒れるかと思った。水はこまめに飲んで、帽子も持ってくるべきだと痛感した。
なんとか車に辿り着き、事なきを得た。

↑下山は藪漕ぎ祭り

思った以上にシビアな山行になってしまいましたが、沢の内容は噂に違わぬ素晴らしさでした。
あと、下降に大日ヶ岳東縦走路を使う際は自己責任で。(H君は以前普通に降れたそうなので、刈られている時もあるのだと思います。)

お疲れ様でした。

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