愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

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2020.04.14

1皮です

「断密」が求められている昨今
① 行き帰りに飲食店やコンビニなどの店舗等には一切立ち寄らない
② 下山後に温泉に入らない
の2点を守って
これまで敗退を繰り返している南岳西尾根に1人で行ってきました
同じ日程で槍方面に入った登山者はゼロで
家を出てから帰るまでの2日間に言葉を交わしたのは
帰路に白出沢出合ですれ違った登山者1人と二言三言だけでした
街にいるより断密できた感じです( ̄。 ̄;)

【11日】新穂高4:20―9:10南岳取り付き(1900m)―11:40最初の岩―16:00南岳小屋
【12日】南岳小屋5:30―8:20大喰岳―10:20槍平―14:30新穂高

【11日】
3月に敗退した時より林道の雪は減っているが
歩いている人が少なく雪も緩んでいるため
ずぼずぼはまって歩きにくい
前回は白出沢出合でもう疲労感があり
滝谷出合から先はトレースがなかったこともあり
西尾根下部の最初の平坦地辺りであきらめたが
今日の方が体は軽い

西尾根の南側斜面は3月と比べると明らかに黒い
槍平小屋まで回り込まず、一番南側から尾根に取り付く
しばらくは壁のような急斜面
何度か雨が降ったのだろう
雪面は前回腰ラッセルだったのが嘘のように固く
アイゼンを効かして登って行く
すぐにふくらはぎが悲鳴を上げ始める
2つのテンバ適地を難なく越えると
右上に三角形の岩場が見えてくる

急な壁に見えるが
段々になっていてホールド、スタンスともに豊富
アルパイングレードⅡ級ぐらい
気温は氷点下8度だが
日差しが暖かい今日のような気象条件だとサクサク越えていける

岩の上からは南沢などが真下に見える

岩場の上は雪稜になった
数日前に20~30センチの積雪があったようで
カチンコチンに凍った斜面や
膝上ラッセル
堅雪の上に5~6センチぐらいの新雪が載った場所など
雪面の状況は目まぐるしく変わり
アイゼンに雪団子が付くところも多く
一歩一歩の足の置き方に非常に気を遣った

2つ目の岩稜は抱きかかえるようにして簡単に越えられる
角度30度ぐらいの鋭くとがったリッジの下りがあり
そこは確保がほしかった

その後は再び太めの安定した雪稜となり稜線まで
ただシャリばてに加えてラッセルも激しくなり
30歩行くと1分休みという亀の歩み
稜線は目の前にあるのになかなか近づかない

やっとのことで南岳小屋のコルに到着した途端
稜線はガスに覆われ強風が吹き始めた
ヘロヘロなので冬期小屋に入ろうかと思ったが
なんと入り口の扉の下部3分の1ほどが堅雪に埋まって凍りづけになっている!
アックスで氷をたたいて掘り出そうとしてみるがだめ
強風の中でテントを張れるような場所はないかと探した結果
小屋の陰にある吹きだまりをスノーソーで掘って
テントを張れるだけの小さな平坦地をつくった
コルに到着してからテントの中に避難するまで1時間半かかった

【12日】
今日は発達した低気圧の接近で午後から雨予報
出発時はまだいい天気で気温はマイナス18度
風はそれほど強くない

小屋から南岳頂上はすぐ
東側(右側)は大きな雪庇があるだろうと予測し
10m以上は内側を歩いて行くが
左手数メートル先に木杭が雪の中から頭だけ出しているのに気づいた
近寄ってみると南岳頂上の標識
いま歩いていた場所は雪庇の上だったようだ
去年の11月に登った時の写真を比べると
雪庇の張り出しの大きさが分かる
今日は視界が良好なのでいいけれど
吹雪などの日の稜線歩きは怖いだろう

去年11月の頂上

中岳を通り過ぎ、大喰岳西尾根を下降
槍ケ岳や山荘付近には人影は見えない
槍平までトレースなしで楽しめた

槍平からは昨日登った南岳西尾根がよく見える
白出沢出合手前から小雪が舞い始め、新穂高は小雨
大雨になる前に下山できて良かった

終わり

2020.04.05

お疲れ様です。吉川Gです。

先日、外部講師の方をお招きして、雪崩講習会を行いました。
講師は山岳ガイドの旭立太氏。内容はプロバイダーセーフティキャンプと呼ばれる二日間の基礎講習会です。
今年は特に寡雪という事もあり、場所の選定に時間がかかりましたが、旭さんと代表との協議により栂池周辺となりました。

参加者:西村、成瀬洋、上手、原田、吉川K、安藤、吉川G

初日は栂池周辺の宿泊施設に集合し、前半は机上講習。その後、野外に出てビーコンの使用方法についての講習を行いました。

机上講習ではまず雪崩の種類などの基礎知識について学び、その後実際の地形の写真を見たり、仮想の気象条件などから考えられる危険とリスクを見出し、行動をマネジメントしていく実践的な講習を行いました。
雪と雪崩に対してこれまで、いかに適当に考えていたかという事を痛感しました。ただ漠然としたイメージでしかなかった雪崩が、少しは理論的に捉えらるようになったという感じでしょうか。

後半のビーコンの操作方法に関しては、とにかく定期的に練習しておかないと全然対応できないという事が良く分かりました。

夜間に多くの降雪があった二日目。旭さんによると「色々とアクティブなものが見られるのでは」とのこと。講習には良い条件のようです。
まずは昨日学んだことを活かし、今日発生すると考えられる雪崩の種類や場所を予想します。
その後、ゴンドラに乗って栂池自然園周辺に向かい、実際に地形と雪を観察して、そこから考えられるリスクを想定しながら行動しました。

初日から言われてきたことですが、雪崩対策に関して最も重要なことは、「雪崩に遭わないこと」。そのためには「地形」を観察し利用しながら、よりリスクの少ない行動をとることが重要です。
雪崩講習というと、雪崩の起きやすい雪の状態や気象条件など、知識的な部分に目が行きがちですが(もちろん大事ですが)、実際には地形を見ることが最も重要で、見ているつもりでもこれまで全然できていなかったことに気づかされます。
山を眺める場所や高さを意識して、より大きな目線で地形をとらえれば、これまで見えてこなかった危険が見えてくるようになります。

途中東面の谷に大きな雪崩の痕がありました。今日発生したもので、朝予想したストームスラブと考えられます。サイズ2と呼ばれる規模で、巻き込まれれば命を落とす危険もあります。
周辺では雪を落とすだけで簡単に雪崩を誘発することが出来ました。
ここに来るまではそのような不安定さを感じることはほとんどなく、同じ山の中でも場所によって、そして時間によっても雪の状態が大きく変わることを示しています。

最後に、三名の埋没者がいるという想定でビーコン捜索訓練を行いました。最後の埋没者を発見した時には、雪崩発生から19分が経っていました。
生存の可能性が高いとされる15分には間に合わず、技術の未熟さを感じました。

ゴンドラの中で新人の安藤さんが知識や経験が少ないことへの不安を漏らしていたことに対して、原田さんがこんな感じのことを言っていました。
「ヤバいと感じたのが『講習会』で良かったじゃん。経験のある他の会員だって今回多くのことに気づかされた。今回感じたことを忘れずにこれから経験と勉強を積んでいけばいい。」
良いこと言うなー。さすがパイセン。でも僕も本当にそう思います。
むしろ経験のあるメンバーの方が経験に付随するバイアスがかかりがちで、常に謙虚かつ柔軟に学んでいくことが、長く山を続けるために大事なのだと感じました。

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