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笠ヶ岳二ノ沢奥壁  20160917

2016.09.21

1皮です。岩佐さんと笠ヶ岳二ノ沢奥壁にいってきました
この10~20年ぐらいはだれも登ってないと思われるマニアックな岩場

下部岩壁はボロボロで、石つぶての大雨を降らして寿命を縮め
上部岩壁は雨のため敗退しました

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新穂高3:30―5:50二ノ沢三俣―7:30Bルンゼ・中央ルンゼ分岐7:50―8:05奥壁取り付き8:15―12:15支ルンゼ12:30-13:20稜線・登山道13:40-16:00槍見

当初は2日間でまったり行く予定だったが
秋雨前線と台風で雨予報のため1日で行く予定に変更した
3連休の初日ということで、新穂高の無料駐車場は激混みかと思ったが
午前1時半に到着した時点で空きスペース多数
雨予報で計画を取りやめた人が多かったのだろう
真っ暗のなか出発。満月ということで、稜線のスカイラインや雲の切れ間も見える
しばらく天気は持ちそうだ

昨年、谷筋を間違え、隣の間ノ沢を登ってしまった因縁のルート
穴毛谷の巨大堰堤と一ノ沢を越えた後、最初のゴーロをそのまま西に登って行く
去年谷を誤ったのは、ゴーロを右手にある本流の河原方面に下ってしまったのが原因と分かった

ゴーロをちょっと登ると、水流が出てきて沢らしくなる
でもすぐに水流がなくなった
そういや、雨不足の影響で穴毛谷の水流も極端に少なくて、さっきの徒渉は簡単だったなあ
でも、これだけ貧水(?)だと、上部で飲み水が確保できないかも、、、
ということで、これからかなり登らなければならないが、プラティパスを水で満たした

周囲が明るくなると、高さ100mにもなりそうな右岸の岩壁が見えてきた
岩は堅そう。クラックもある。なんであんまり登られてないのだろう
間もなく三俣。標高1720mぐらいか。安定した河原歩きが続く
真ん中の沢の入り口は巨岩が積み重なっているので、左俣との間から中ノ俣に入る
さらにちょっと登ると中ノ左俣と中ノ右俣の分岐。時々ナメ滝
左にA沢を分けると、正面の沢の奥の方にとんがった岩が見えた
モスクのミナレットのような円錐状の尖塔
「あれは、まさか!あけぼの壁にあるドリュー状岩壁じゃねえ!!また沢筋を間違えたか!!!」と絶句
あけぼの壁は、三俣から右俣に入っていくかずなので、ここは違うはず
でもあまりにも形状が似ている
地形図をあらためて見直したが、ここで間違ってないはずなんだけどなあ
と、半信半疑のまま登って行くことにする
すると狭いゴルジュに突き当たり、3級ぐらいの岩場が2カ所出てきて
それをノーロープで越すと、右手に急峻のルンゼと、2つの岩峰が見えた
中央ルンゼと奥壁右峰・左峰だ。正面はBルンゼだろう
この沢で間違ってなかったとほっとした

 

二ノ沢下部から

二ノ沢下部から

魅力的な壁が連なる

魅力的な壁が連なる

三俣。正面が奥壁。右奥があけぼの壁

三俣。正面が奥壁。右奥があけぼの壁

笠ヶ岳の沢からはいつも美しい槍穂が見える

笠ヶ岳の沢からはいつも美しい槍穂が見える

正面にドリュー状岩峰もどきが!

正面にドリュー状岩峰もどきが!

右の中央ルンゼに進む。奥壁右峰と左峰が見える

右の中央ルンゼに進む。奥壁右峰と左峰が見える

 

ここでハーネス装着。ここにも水は十分流れており、下の方でくむ必要はなかった
中央ルンゼをたどり、左手にカーブしていくと、さらに二俣に突き当たった
右手はそのまま中央ルンゼだろう。でかいチョックストーンが行く手を阻んでいる
左手は支ルンゼか?突き当たった岩場をよく見てみると、奥壁山窓ルートであることが分かった
ガチャを装着し、鱗雲の下で早速スタート

【1P、岩佐】ルンゼから凹角。斜めった草付きテラスまで。岩くずが各所にたまっており、落としまくる。すべてカム
【2P、1皮】ぼろいフェースから垂直の凹角。凹角の出口が草付きテラスで、アックスで突き刺してはい上がる。さびさびの古~い残置ハーケン1本あり
【3P、1皮】みるからにボロボロの凹角とクラック
目の前に1m四方ほどの畳状の岩が、落ちそうな感じでクラックにはまっている
右上にも巨大なフレーク。触ると落ちそう
岩の表面には、直径1~3センチ程度の球状の石が
コンクリートで固められたようにはまっており、触るとボロボロ落ちる
これは脆すぎて、クライミングのできる岩ではありません!
とはいえ、支点が取れないので懸垂で敗退もできない
しょうがないので、球の雨を岩佐さんに大量に降らしながら
畳岩や巨大フレークには触らないように登り始めた
途中、カムを効かせることができるポイントがあり
カムエイドを交えながら上部の樹林帯に抜けられた
残置なし。太い木があり、上に登れなくても、懸垂できそうでほっとする

凹角の1ピッチ目

凹角の1ピッチ目

 

ぼろい3ピッチ目を見上げてため息をつく

ぼろい3ピッチ目を見上げてため息をつく

 

3P目。

3P目。登攀中。

 

硬そうな上部岩壁。次来た時は登るぞ

硬そうな上部岩壁。次来た時は登るぞ。来るかどうか分からんけど(-_-;)

 

終了点は緩い草付き斜面。堅そうな上部岩壁が見える
左手には、支ルンゼがあり、草付き斜面を歩いて下りられそう
岩佐さんが登ってくるころには、上空は黒い雲に覆われてきた
ここまで3時間以上。脆かったとはいえ、時間かかりすぎっす
穂高の稜線も雲に覆われてしまった

ここで作戦会議
上部は岩が硬そうだが、雨が降ると途中の草付きが悪そうということで敗退を決めた
そのまま左手の支ルンゼまで歩いて下り、ロープを解く
ポツポツと雨が降り出した。敗退は残念だが、仕方がないという気になった
大降りにはならなかったが、その後も何度か雨が降った

支ルンゼを詰め稜線へ

支ルンゼを詰め稜線へ

最後の悪い詰め冷や汗を流す岩佐さん

最後の悪い詰めと、恒例の藪こぎ

 

そのままルンゼを登り、クリヤの頭より北の稜線に出た
途中、急な草付きを登るところもあり、とても悪かった
つかんだ岩を落としてしまい、下を登っていた岩佐さんを直撃
顔に擦り傷、おニューの上着に穴を開けてしまった。スミマセン
あとはポクポクあるいて、槍見まで帰った。

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