5月1日
この日は、一応予報では午後から雨。
もう一度シックルレッジまでフィックスを張る案もあったが、
相変わらず天気が読めないので保留とした。
完全にレスト。昼からビールとバーガーでフラフラする
ヨセミテフォールの下のに行こうとするとスコール。阿鼻叫喚の外人たち
夕方頃にはポツポツと降り始めた。
晩飯はやはりピザ。
天気を確認するが、やはり不安定。
行けるとしたら3日で抜けきるつもりで行かねばならない。
下降のこともあるので不安要素が多いがここまで来て引き下がるわけにも行かないので
もう明日ゴーアップだ。
「あったらいいかも」程度のものや食料、水も削りに削り、酒も無し
挙句の果てに、クライミングシューズも要らなくね?チョークもいらねぇわと削る
随分軽くなった気がする
5月2日
3時起床。映画ニキータよろしく、缶詰のラビオリとミートボールスパゲッティ。どっちも同じ味がする
真っ暗の中、アプローチ。水が4ガロンも無いとなんとかかんとか取り付きまでロープ無しでいけた。
1p目には誰のか知らないがフィックスが垂れ下がっていた。
ちょっと躊躇したけど、今日中にエルキャプタワーまで約12ピッチこなさいないと行けないことを考えると、、、
ありがたく使わせて貰った。
シックルレッジまでは同じ。 今日は風が弱く快適。暑いくらいだ
5p 岩狭
前回途中で切ったのを、切らずにレッジの先っぽまで伸ばす
6p 鵜飼
前回はビレイ点から振り子したが、少し登った残置から振り子をする。超簡単。
ビレイ点もドルトホールのすぐ上らへんのボルトで取ることにした。
バックロープを付け忘れて凄い時間を食った。その間に後ろから追い上げてきたイタリア人に抜かれる。早い
7p 岩狭
ストーブレッグに移るまでは同じ、イタリア人がビレイ点を使っていたので手前でカムでビレイ点を作る
8p 鵜飼
ストーブレッグを前回の8pビレイ点まで登る、リードが入れ替わってしまったがまぁ気にしない
同じサイズばかりなので面倒だ。その上プレートアブミがいい感じにクラックにスタックする超うざい
9p 岩狭
前回はタワーすぐ下のボルトで切ったが、今回は一気にタワーまで抜ける
ロープはギリギリ。メインのセルフを外してやっとだった。
タワーでデポした水を収容する。
10p 鵜飼
タワーから少し降りてスクイズチムニーに、入ろうとするもギアが多すぎて入れる気がしない。
なんとかカムをねじ込むと、プレートあぶみが引っかかる。Everytime!!
ストーブレッグでも散々だったがこの野郎!
最終的に最下段が取り出せずに切断する羽目に、、、
11p 岩狭
出だしはキャメ#0.75~#1サイズだがすぐに広がってキャメ#3~#4サイズがずっと続く。傾斜が落ちてからはキャメ#4サイズ。キャメ#4を残しておかないとワイドのフリーをすることになる。左壁にビレイ点ハンガーボルト×2
12p 鵜飼
エルキャプタワーへ。 5.7フリー 快適
イタリア人はタワーのビバークポイントではなく、テキサスフレークすぐ下のこぢんまりとした所で寝るようだ、優しいなオイ
後続にもう1パーティいたけど彼らはドルトタワーでポーターレッジを張っていた。
12ピッチこなして日没までまだ時間があったので
次のテキサスフレークをやってフィックスしてしまおうっと登りだしたが、
イタリア人の「いーじー、トゥモロウ」と訛った英語が聞こえてくる
結局岩狭さんは、言いくるめられて降りてきた。押しが弱いなぁ (ヽ´ω`)
エルキャプタワーは超快適、あぶみの件ですげーイライラしていたけど変な小躍りしちゃうレベル。4人はまっすぐ寝られる程だ。
朝から我慢してたう◯こも出た。
久々の米!(アルファ米) & カレー 美味い! フリーズドライのカレーにカレー味のフリカケで追い打ち
雨の心配は無さそうだったので野ざらし、ダウンを着てシュラフに入って寝る
風が顔を撫でると冷たくて起きる。潜ってれば快適だった。
5月3日
4時起床。米美味い、
が、飯が1食分足りないことに気づく。
2泊3日予定なので2人で8食+予備だったはずだが6食しかない、、
しかしまぁ、行動食に一切手を付けていないのでどうとでもなりそうだ。継続
テキサスフレークの基部まで登って、荷物も上げる。
しかし、イタリア人がもたついていたので結局登り始めは7時頃になった。
13p 岩狭
エルキャプタワー下部のビバーク地からは5mくらいのフリーをしてテキサスフレークへ。
直接行くならフリー部分にプロテクションを残すとロープドラッグが酷そう。
テキサスフレーク直前のビレイ点で一度切ったほうが無難かも。前日にフィックス張っておいた。
フレークに入るまでが超しんどい。狭いうえに被っていてエイドもフリーもうまくできない。
フレークは左側(奥側)からフレーク側の背中にして登る。出だしは膝でスタック。後半はバックアンドフットでチムニー登り。意外とスタンスがあって休める。
前のパーティが遅くてチムニーの途中で10分ほど待つ羽目に。調子に乗って登ると突然背中側の岩がなくなるので注意。ビレイ点はアメリカ人サイズでちょっと遠い。
テキサスフレーク。イタリア人は次のピッチまでフィックスを張っていたようだけど
ここでもなんか知らないけどモタついていて、岩狭はチムニーの中で待たされていた、、、ビレイヤーは何も出来ん(ヽ´ω`)
14p 鵜飼
ボルトラダーから極小クラック、カムフックがよく決まる。
ブーツフレークは同じサイズが続く
15p 鵜飼
キングスイングのリードはやらせてもらいますので!って事で私めがやる
ブーツフレークの靴底から更に5,6mほどロワーダウン。
ギアは4,5番だけ持って、後からバックロープと共におろしてもらう
意気揚々と壁を走るが全然届かない、、広い凹角になっていて上手く壁に沿って走れない
壁はツルツルで凄い滑る、靴のせいってことにしよう、、、全力疾走なので想像していたより疲れる
本来はイーグルレッジにダイレクトに届くはずだけど、全然上手くできないのでズルズルとロワーダウンして
随分下の方に這い出る。
デカイクラックで登りにくい、イーグルレッジの後もなんか気持ち悪いクラックだ
カムを全て回収しながら登らないと行けなので手間が凄い
最終的に前のビレイ点からほぼ真横に10数m程移動しただけといったピッチになる。
岩狭さんが登り終えた頃に、凄い勢いで外人が迫ってきた。後続のPTも追い抜いて来たらしい
ブーツフレークのビレイ点に来たなぁっと思ったら、あっと言う間にイーグルレッジまで来た。
ショートフィックスを多用したワンデイクライマーだ、フォローも振り子で飛んでくる。
すぐに抜かれるが、イーグルレッジで切ってるのでとりあえず次へ進むことに
16p 岩狭
出だしのフレークがやばいくらい脆い。そっとフリーで越える。一段上がって右側のクラックから。
左側は脆い。キャメ#0.75~#2サイズでフリーでも5.8くらいだと思う。15mほど登ると左側にビレイ点あり。50mならここで切るが、60mなら無視。
ビレイ点からカンテを右側に越えて頭上のハング目指して若干右上気味に登る。ハングからは細くなりマスター#1~#3サイズ。ナッツ有効。
小さなテラスに上がってボルトでテンショントラバース。右側にカンテがあって勢いがつけられず苦労した。振り子後はⅣ級くらいのフリーをこなしてビレイ点。60m目一杯。
後ろから迫ってるのもあって焦ったのかバックロープを忘れる。
ワンデイ外人が来て、自己紹介。ジェフというらしい。冬に日本に英語教師をやりに来るんだとか
バックロープを取りに一旦ロワーダウンして戻ってる間にジェフ達に抜いてもらう。
当然ながら殆どフリー、ショートフィックスで登っていく、頭のネジがどうかしてるわー。
中間部のビレイ点からボルトでトラバースするルートも取れるが(ジェフはそっちでいった)、
トポ通り上まで抜けて振り子をする、振り子した所で終了点。
またしてもロープがギリギリである。
クリーニング中、ジェフのフォロワーが回収しわすれたカムを回収する。
クリーニングも一番上まで行って、降りないといけないので面倒だ。
アッセンダーは逆さになって効かない、折り返したロープを残置に通してロワーダウンするが
距離がありすぎて真横までしか来れなかった、丁寧に一度結びを解いて降りるべきだったか、、、
結局折り返したロープを手で握ったままそのロープで振り子をしてなんとか抜けた。ターザンかよ、、、
ミスって手離したらぶっ飛んでいた。あぶねー
17p 鵜飼
真横に15mくらい移動するだけ。Bivy 1 ok!という感じの棚に着く
真上にはグレートルーフが
ホールバックをここに残し2p後で荷揚げする算段である。
既にジェフはグレートルーフに居たので、
カム忘れてんぞーっと叫ぶ。終わったらキャンプで受け渡しということにした
18p 岩狭
出だしからフリー。マイクロナッツとマスター#00で固め取りして越える。スタンスないうえにホールドはカチ。
クラックまでリーチぎりぎり。少し被ったクラックで奥が狭くてエイドしにくくて体がハマる。
5mほどエイドしてフェイスのボルトに出てフリー。ここもカッチカチ。フェースから凹角~カンテを左に回り込んでⅢ級程度のフリーでキャンプⅣ
初めて左上するピッチだ、キャンプⅣに至る。
キャンプⅣは平らだけど小さい。2人はしんどそう
またバックロープを忘れる、が別に荷揚げしないので問題なし
19p 鵜飼
今度は右上する、5.7のノープロトラバースが愉快。
2ピッチ分の荷揚げはしんどいなチクショウ
20p 岩狭
出だし少しフリーで登ってコーナークラックへ。細い。ルーフまではマスター#1~#3サイズ。
残置がたくさんある。残置なければナッツ多用してないと弾切れ起こす。
ルーフに差し掛かるとマスター#00~2サイズ。濡れててカムが抜けやすくて怖かった。
溝のあるマイクロカムが有効かも。フリービナ(ヌンチャク)多数必要。ルーフにも残置があるが、ナッツとハーケン。
ルーフ出口でキャメ#0.75。ルーフからレッジまではフリー(5.7)かテンショントラバース。
第二の見せ場?グレートルーフ。
濡れてる、、、残置が調度良い間隔で残っている
ルーフに至るまでの方が長かったように思う。
真横移動のクリーニングは面倒くさい。
21p 鵜飼
パンケーキフレーク。
10aのレイバックとあったので5mくらいぐらい頑張ってみるけど、流石レイバック、辛い
プロテクションも取りにくいので諦めてエイドにする。
登っている最中にまたしてもワンデイ外人のトレバーとジュリアンに追いつかれ、その上登り始めた、正気かよ、、
どうでもいいけど、普通に人のカムでA0していく、なんでもありなんだなぁ
もしや?と思い、ジェフを知っているかと尋ねたら、知っていたので
さっき回収したカムを託す。アルコールが欲しいなぁ と独り言を言う
ジュリアンに天気を聞いたら明日は昼過ぎには降るかもとのこと。
昼までに抜けれるかな、、
22p 岩狭
出だしはまた奥が狭いクラック。エイドしにくい。一段上がると幾分楽になる。最後5mくらいはスラブをフリー。
コーナーに決めたマスター#2を掴んでA0したら抜けて怖い思いをした。スラブを抜けたボルトでいったんピッチを切って荷揚げ&クリーニング。
ヘッドランプの明かりを頼りに5.6のフリーでキャンプⅤ。5.6だけど左に4~5mほどトラバースして直上。結構悪く感じた。
これでやっとキャンプⅤだ、もう8時近くクリーニングが終わった頃にはヘッデンの出番となった。
トレバーとジュリアンはそれでも登っていく
着いてみるとどう見てもこれは1つ手前の1人ビバーク用のレッジだ。
5.6のフリーですぐそこにあるはずだけど、支点もクラックもないので迷って切ってしまったらしい
この数mの為に再びロープを捌かねばいけない。
眠気と疲れと暗いのとでお互いにムチャクチャイライラしてきてブチギレ寸前だった
再び岩狭さんが登り初めたがスグソコどころか10mくらい登って行ってしまう、俺はエエエエエ?まじで?みたいな感じでポカーンとしてた
流石に行き過ぎじゃねっと思って声かけたら、「登りすぎた」といって降ろした。
もうクタクタだ
キャンプⅤは2人がギリ寝れるが、斜めっているし非常にツルツルしてるので寝ていると滑っていく
後続の外人は1時間遅れくらいで追い付いてきた。
先ほど切ってしまった所でポーターレッジを展開してた、彼らがポーター持ちで助かった。