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1229~30 戸台川源流・駒津沢 凍った花道

2014.01.03

ミヤザキです。
いろいろと手を出してきた2013年を締めくくる山行として、29、30日に戸台の駒津沢をめざして奮闘してきました。本来は28日からの三日間で鋸岳~甲斐駒のアルパイン縦走を計画していたものの、積雪量を考えて変更しました。
メンバーは今季限りでの引退を関係者に明かしているイチロー、そして千種のゴッドハンドこと上手さんの3人。
イチローは今回を引退記念山行と位置づけ、並々ならぬ気合いで臨むはず。
ならば、その思いに応えるのが千種アルパインクラブのはず。
 
 
【29日】戸台駐車場8:00-10:30丹渓山荘前11:00-15:00五丈の滝F1-16:30幕営地
 
ちょっと遅めの8時に戸台駐車場を出発。
常に寝不足でスタートするイチローに寝てもらうため集合時間を遅くしたが、1時間半しか寝てないという。
うぉい!
 
双児山と駒津峰
快晴。双児山と駒津峰
 
それでもまあまあのペースで廃屋となっている丹渓山荘跡に到着。
ちょいと中を偵察。テントはなし。窓はしっかりしてるし、けっこう快適そう。
丹渓山荘内部
 
丹渓山荘内部
 
だが、ここからが想定外だった。
丹渓山荘から先、トレースに従って歩くと、舞姫の滝をめざして間違った谷を登っているパーティーに遭遇。
つまりトレースも間違っていたわけで、徒渉して樹林帯に登り返しタイムロス。
ここからはトレースもないため、ルートファインディングが必要。
沢に降りては徒渉し、対岸の樹林に登り返し、また降りて…という流れなのだが、沢の岩には約40cmの雪が乗っており、ラッセルしながら乗り越える。
川床が凍っていないため、乗った雪がずぼってドボン!というトラップにもしばしばやられる。
ドボンを避けて左岸に登れば、トゲトゲのたくさんついた灌木で枝ビンタくらう。
誰だ、戸台をゲレンデなどと言ったのは…。
 
この日の目標は駒津沢F1まで登ることだったが、どうも時間的にアウト。
「もう奥駒津沢のビバークサイトでつららをオンザロックしてウイスキー飲めればそれでいい」とイチロー。
目標が著しく下方修正される。
 
こんもり雪の乗った沢を詰める
こんもり雪の乗った沢を詰める
 
そんなこんなで実に約4時間、うんざりしながらルートファインディングを楽しみながら進んだ末に、五丈の滝F1に到着した。
ようやく本日最初のアイスクライミングだ。
五丈の滝F1
五丈の滝F1 ミヤザキ
 
早く登りたくてムズムズしていたのでリードを志願。
結氷が今ひとつのため、左端から取り付き滑り台状になっている薄い氷をななめに乗り越えるラインを選択した。
難しくはないが、バックパックが重いのと氷が薄いのとで、予想よりデリケートなクライミング。
水流がある落ち口を右からまわり、残置スリングの山を終了点とした。
 
フォローの2人も登ってきたところで時間は16時過ぎ。
F2を登っていると確実に途中で暗くなってしまうため、ここでビバーク決定。
奥駒津沢のオンザロックという目標すら達成できず、どうなる引退記念山行。
まあそもそもイチローはビールしか酒を持ってきていないのだが…
 
 
 
【30日】幕営地7:00-7:30五丈の滝F2-9:30駒津沢F1-14:00下降開始-16:00五丈の滝F1-17:15丹渓山荘17:40-19:45戸台駐車場
 
2日目は明るくなってからクライミングするため6時出発と決めたが、なんだかんだ細かいトラブルがあり、幕営具をデポして7時出発。
五丈の滝F2
五丈の滝F2 ミヤザキ
 
今回の最大の難所である五丈の滝F2。
釜がしっかり口を開けているため、落ちると盛大にドボン→即敗退となる。
ここは最も経験のあるイチローに先陣を切ってもらいたいところだったが、
「ここをリードするくらいなら帰る」とキッパリ。うぉーい、それでいいのか???
上手さんも尻込みしたため、またしてもミヤザキがリードに。うぇー。
五丈の滝F2_2
右側から取り付き、丁寧に雪を落として足場を作り、ちょこちょこ岩をスタンスにしながら抜ける。
ドボンしたら低体温症の危機。しびれたー。
落ち口の左側の雪壁を少し登り、灌木を終了点に。
駒津沢F1_1
 
五丈の滝F2を登れば、すぐ右手が駒津沢F1。
70mの大滝は長いが、下から見るとスタンスは多いし、上部は寝ている。
この美味しそうな獲物を前にして、ついにイチローのクライマー魂に火が点いた。
右のバーチカルのラインを勧めたが、迷わず真ん中を選んでクライミング開始。
1番、センター、イチロー。
駒津沢F1_2
慎重に支点を作りながらじわじわと登るイチロー。
しかしスクリューが足りなくなり、約35m地点、滝のど真ん中でピッチを切る。
駒津沢F1_3
フォローで登ってみると、けっこう下部は立っている。そりゃスクリューたくさん打ちたくなるよね。
でも上部は寝てるし簡単そうだよね。
そんな2ピッチ目もイチローがリードを志願。ここは花道を飾ってもらおうと上手さんも快く譲った。
さあ、あとはビシッと登って帰るだけだ!
ミヤザキが2本スクリューの氷を抜き忘れて使えなくなったが、まあ足りるだろう。
 
 
意気揚々と最後のクライミングに出撃するイチロー。
しかし、上部は思った以上に氷が悪い。
アックスが極まったと思っても上の層がバカッとはがれたりして、下にいる我々は凶悪な落氷に襲われる。
そして、あと15mほど残して動きが止まった。
駒津沢F1_4
「スクリューが足りない!ここでピッチを切る!」
 
しまった、やっぱり氷の抜き忘れが痛恨…
ただ、足場の悪い滝の真ん中で凍えながら、落氷を浴びたりかわしたりしながらビレイしているこっちもけっこうしんどい。
ここはピッチを切らずになんとか急いで抜けてもらいたい。
 
「あと何本?」
「3本!」
「なんとかなる!行けるとこまで行こうぜ!」
「マジでー!?」
 
まあ多少ランナウトするかもしれないが、終了点に木さえあれば足りるはず。いざとなったらアバラコフ作ってね。
そんな期待に応え、燃え尽き掛けていたイチローのクライマー魂が再燃。ランナウト気味にスクリューを打ちながら抜けきった。
フォローで登ると、この2ピッチ70mのリードがいかにしんどかったか、よくわかった。
 
「もう思い残すことはない」
 
イチローのその一言で、ここまで来た甲斐があったもんだ。
渾身のガッツポーズ
渾身のガッツポーズ
 
この日は後続のパーティーが二組いたため、前日に我々が作ったトレースは踏み固められ、下山は高速道路のよう。
4時間かけて登った道を1時間ちょっとで丹渓山荘まで下った。
そして満天の星空の下、上手さんの男気徒渉などに盛り上がりながら、晴れ晴れとした気分で河原を歩いて帰った。
 
これにてイチロー引退記念山行第1弾は無事に終了。
大変お疲れ様でした。第2弾もあるかな?

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