愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

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2015.01.13

1皮です

またまた敗退記録(たぶん50回目位)を書くことにします(-_-;)

 

美濃戸口1:30-4:30行者小屋手前の登山道の標高2260m地点-7:30 2370m位?-9:30美濃戸口

 

午前1時すぎ、車を美濃戸口の駐車場に入れた

エンジンを止めると、堅い雪の粒が車のフロントガラスに当たる音が聞こえる

こんな時は何も考えず、ただ出発準備するのがいい

外は寒いかな、雪はいつやむかな、などと考え始めると

すぐに車から出るのが億劫になってしまうから

 

林道には新雪が10㎝

車が圧雪したツルツル道が隠れて、かえって歩きやすいぐらいだ

美濃戸山荘を過ぎて南沢沿いの道に入る

登山道沿いの左右の雪の壁と、雪が鎧のように固まった針葉樹が目に付く

こんなに雪の多い八ヶ岳は久しぶりだ

今晩の新雪は20㎝を超え、さらに降り積もっている

数時間前に誰か歩いたのだろうか、足跡がかすかに続いていた

ありがたく、人の温かい痕跡に導かれていく

 

冬の夜に山を一人で歩くと、宙に漂っているような不思議な感覚にとらわれることが多い

ラテの光が雪の結晶に反射して、あっちでもこっちでもキラキラ光るし

雪が回りの音を吸収して自分の息づかいしか耳に入らないから

木々の後ろでこちらを見据える獣の目、枯れ草を静かに踏む何かの足音、暗闇を猛スピードで飛ぶ羽音・・・

何か得体の知れないものと出くわしてしまうのでは、といった夏の夜のドキドキ感とは無縁だ

 

南沢の水音が途絶え、道の傾斜が緩くなると、目印を見逃さないように注意して進む

阿弥陀北西稜の入り口はすぐに見つかった。何本かの赤、黄のテープが1本の木にまかれていた

トレースは、ない。たぶん雪で消えてしまったのだろう

雪面がやや歪んだトレースの痕跡があるが、5mぐらい先で歪みが是正され、なめらかになっている

そんな時も何も考えず、足を踏み入れる

膝、太もも、腰の高さへと、次第に雪は深くなった

登山道からほぼ平たんを直線距離で70~80m。そこから急斜面に入る

今晩の新雪30㎝ほどをどけても、下層の雪が体重を支えてはくれない

雪は腰を軽く超え、胸や頭の高さになった

 

この3連休、北西稜にはだれも入ってないのか? それとも、取り付きまでの目印を間違えたか?

まあ、そんなことはどうでもいい。今更考えても遅いから

アックスで表面の新雪を削り、膝で中程のやや堅い層を崩し、足で踏み固める

ゼンマイ仕掛けの人形のような単調な動きを続ける

周囲が明るくなってきた。時計を見ると7時半

ラッセル3時間で、たぶん標高差で100mほどしか登ってない

岩場が出てくるのは標高2650m位だろう。このままいくと、あと6時間はかかりそうだ

 

空腹を感じて、腰を下ろしてカレーパンを食う

今まで気づかなかったが、雪をまとった杉の木が、強い北西風にギシギシうなっている

乾いた冬の木々はもろい。もし倒れてきたら、雪にはまって逃げられないから嫌だな

カレーパンも氷点下20度になると、身を固くする

最後の一口をやっと飲み込み、もう帰ろうと思った

降り始めたら、たった5分で登山道

振り返ると、なめらかな雪面に物を引きずったような醜い跡をつけただけだった

 

車を置いた美濃戸口。もう青空が出ていて、日差しがまぶしい

駐車場を管理する八ヶ岳山荘に駐車料金を払いに行くと

おやじさんが「お宅も北西稜に行ったんかね。昨日はすごく込んでいたらしいよ。登った人がそう言ってた」と教えてくれた

条件が厳しくても、登れる人は登れるんだな。それもたくさん

まあ、いいさ。もう50回目だし。登らずに帰るのにも慣れてるから

2015.01.13

冬合宿で仙丈ヶ岳(3033m)へ行ってきました。  今回記録担当でしたので私はピーク迄行けませんでしたが、新人目線で記事UPさせて頂きます !

・・・と張り切って早戸さんに申し出たのですが・・・ cameraの不具合でデータが随所で飛んでましたので(汗) 不十分な点はご了承ください。

 

[参加メンバー]:早戸・曽我・勝野・武藤・原田・森・鵜飼・岑山   計8名 (計画書順)

[行程] 1日目:早朝名古屋発 ⇒ 7:18 戸台駐車場発 → 12:55 北沢峠 → 13:05 テン場 【休憩10分程×3含】 <幕営>

2日目:1時起床 → 2:50 テン場発 → 4:38 四合目 → 5:10  五合目大滝頭 → 5:50 六合目  → 下山開始 → テン場

→ 早戸・森・鵜飼 頂上へ

11時 戸台へ向け下山開始 → 15:20 戸台駐車場  【休憩程10分×2含】 ⇒ 名古屋

 

1日目 : 早朝土岐SAで皆と合流し、2台で現地へ向かう。 戸台周辺は雪が少ないとのことですが、駐車場近くの路面が凍結していたので慎重に走る。 駐車場には結構車が沢山停まっていて、次々に登山者が出発している。  今日は3連休の初日。 人気のエリアなのですね !

 

駐車場から暫く長い河原歩きが続きます。 平日も登山者が多いのか、登山道はしっかり圧雪され凍結している箇所もあるので滑り易い。

 

今回私は共同装備のロープ(8mm ×50m)を持参していたので、他の共同装備はさとうのご飯200g×5個のみと配慮して頂き、ザックの重さは約18kg程。 皆さんにとっては「軽っ !」 と言う重さでしょうが、ずっしりと肩&腰に響き、元々無いバランス感覚がさらに不安定となる。

 

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行きは渡渉の少ない左岸を歩いたのですが、それでも免れない渡渉。 滑り易い石の上に乗り案の定ポチャンと川にハマる。(帰りは少し要領を得て潔く最初からポチャンした)

 

今回行程中の殆んどを曽我さん(ペースメーカー)の直ぐ後ろを歩かせて頂き、息の上がらないペースで歩く事ができました。 (ご配慮くださりありがとうございました)

 

長い河原歩きが終了し八丁坂に差し掛かった頃(赤河原分岐前後)急登に加え登山道が氷結していた為、ピッケルのみ持ちアイゼン無しで進む。←これが超怖かったです・・ 氷床歩き? これも訓練なのですね(泣)

 

そして程なくして北沢峠に到着。 ここからテン場迄約15分

ピッケル・ストック・スコップ・ワカン etc.使用しテント設営(私にとって初の雪上テント泊です)

今回は6-7人用テントに8名がひしめき合って寝る事になりました。

 

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夜ご飯には少し早かったので、皆でお酒飲みながらゆっくり夜ご飯(味噌煮込みうどん)を作りました。 今回私はお酒の持参無しです。 ヒロサコ尾根であろうが仙丈ヶ岳であろうが、その他の荷物で精一杯になると予測できたので(汗) ※早戸さんに怒られるからではありません・・

皆さんに少しお酒を分けて頂きながら、美味しい味噌煮込みうどんを沢山食べました ! (食担の方 ありがとうございました)

翌日は昼頃から天候が崩れるとの予報なので、深夜に起き出発 → 同日戸台迄下山した方が良さそうとの予測により、19時頃には就寝しました。

・・・が・・・ 思ったよりテント内は暖かく(着てたフリースを脱ぎ捨てた) 緊張と暑さで眠れぬ夜を過ごす。。。

 

 

2日目 : 1時起床し昨夜の味噌煮込みうどんにα米(五目御飯)を混ぜ雑炊に。 最低限の荷物を持ち、2:50 ヘッドランプの灯りを頼りにテン場発。  夜明け迄約4時間 真っ暗な道を歩く。 雲は掛かっているけど月灯りが明るく、風も殆んど無く暖かささえ感じました。

 

仙丈ヶ岳へ続く登山道は、トレースありましたが雪が乗っていて、でも昨日吹いた風で結構締まってる(らしい)  先頭を交代(私以外)で九十九折れの道を徐々に高度を上げながら進む。   途中サラサラな雪の急斜面があり、2番手を歩いていたのにどうしても乗り越えられずモタモタしてたら、すかさず森さんが「先に行きます !」とトレースを作ってくださり、その後に続く。

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その頃、昨日攣った脚の不調で武藤さんが勝野さんとテン場に引き返した。 その際「頑張れよっ !」と勝野さんに気合いを入れて頂いたのですが・・     六合目を過ぎ、森林限界に出た時(皆がアイゼンを装着している時)に、早戸さんに「私も降ります」と伝えました。  「ゆっくりで良いですよ」と言って頂いたのだけど、この歩み(亀さん)でこの先の行程や本日中の下山に残る体力・腰の状態 etc. グルグル普段動かない頭をフル回転させ考えた結果です。   ※この後の3名の登頂記録は後追いで追加補足あります

 

月灯りに照らされ先行する3人を羨望の眼差しで見送りながら・・・ 曽我さん&原田さんに付き添われテン場に戻りました。

テン場に戻り勝野さんに「行けなかった」と報告すると「限界迄行かなぁ~(笑) !!」 と言われました(確かに・・)

 

——-ここからウカP記述——–

「ハラダパイセン!行かないんすか?!」

なんて熱い呼びかけも届かず下降する3人を尻目に歩きだす。

月灯り、カリカリに凍った雪面、かっこ良すぎる、、、なんて勿体無いんだー

寒さで空気中の水分が凍ってるのか?フラッシュを焚くと幻想的

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ガスってなけりゃ最高の夜明けであっただろう

朝を迎える山をハイテンションで歩く。

小仙丈くらいまでは、いちおー森さんのペースを配慮して自分は最後尾で、森さんに無言の圧力をかける。

この3人になった時点で敗退は無いのだよっと、、、

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山頂手前、3つ目の小ピークあたりに着いた時

一瞬体が浮きそうな風が吹く、とりあえずピッケルを刺す。

山頂は恐ろしく遠くに見え、風が吹くと恐ろしく寒い

そして、森さんが見えない。待ってると気持ちが削がれる

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追い付いてきた森さんに意思確認を取り、継続。早戸さんが森さんに付いて自分が先頭を行く。

ときおりガスに飲まれホワイトアウトを楽しみつつ

遠くに見えた山頂は思ったより近かった。

最後の登り、ウィニングランは森さんへ託す。無駄にハイテンションな男子2人。

8時ちょうどにサミット。なんやかんやで予定通りである。

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ちゃっちゃっと記念撮影を済ませて撤収。

バテた森さんと膝が逝った早戸さん、ちゃっちゃか撤収する為にも

テントの撤収を急がねばと単独で駆け下りる。

シリセードーでトレースを潰しまくり10時にはテント帰還した。

実の所、こんな雪稜を歩くのも、体が持っていかれるほどの風も、大半のことが初めての経験でしたが

あぁ~これが雪山なんだなぁっと初めて実感できた、山行でした。

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———ここまでうかP記述———–

 

ピークから戻る3名分の味噌汁・番茶を用意しながらテント撤収の準備をしていると、駆け足で鵜飼さんが先に下山 → 続いて早戸さん・森さんも無事合流し、11時頃戸台へと下山しました。

 

帰りの登山道の状況は行きと一緒ですが、途中の氷結部分はアイゼン履く人・履かない人(多数)   私は昨日登山靴のソールが剥がれた為、本日中ずっとアイゼン装着のままで安心でしたが、河原手前でアイゼンを外しテーピングで補強して頂きました(何とか戸台迄持ちました)

 

下山途中から雪・風も徐々に強まり天候が荒れてきたので、予測通り天気予報は当たるんだなぁ と思いました。

15時過ぎに戸台駐車場に到着。 本日中に下山出来て良かったです。

 

仙流荘のお風呂に入り、途中ラーメン屋さんで夜ご飯を食べてから名古屋に帰りました。

 

最後に・・ 今回の合宿では終始私の歩調に合わせて頂き、色々とご配慮下さりありがとうございました。

団体行動の難しさや加減・歩きのバランス(技術)・テント生活・メンタルの重要性 etc. 沢山の学びがありました。

体調(腰)と相談しながら暫く自主トレに励み、試行錯誤してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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