愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

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2015.10.02

お疲れ様です。

合宿明けの土日、妻と八ヶ岳に行ってきました。
トレーニングの為にと思い、ビールやワイン等の酒類、鍋の材料やつまみなどを大量にザックに詰め、共同装備もなるべく僕が背負ってみたものの、やはり金物がないので合宿ほどの重さにはなりませんでした。逆にそれを全部食べてしまったので、カロリーオーバーだったでしょうか。

天気予報が悪かったからか(両日とも雨は降らなかった)、連休明けだったからか、登山者はまばらで静かな登山が楽しめました。若干紅葉していましたが、見ごろはまだ先でしょう。

最大の目的であった本沢温泉にも浸かれたし、良い休日となりました。

9/26 8:00美濃戸~行者小屋~地蔵尾根~横岳~硫黄岳~夏沢峠~16:00本沢温泉
9/27 6:20本沢温泉~夏沢峠~オーレン小屋~赤岳鉱泉~12:00美濃戸

本沢温泉には、内湯と外湯があり、それぞれ小屋で料金を支払います。内湯は小屋の中で、とにかく熱いです。
外湯は小屋から5分強程登ったところにある超開放的な風呂です。日本一高所の野天風呂とされています。
(写真も撮りましたが自主規制としておきます)

本沢温泉小屋
吉川

2015.10.01

槍穂の日の出

槍穂の日の出

1皮です
皆さん、ごめんなさい。先に謝ります
岩佐さんと二ノ沢からあけぼの壁を登る予定でしたが
暗いうちに通ったので二ノ沢の出合を行きすぎ
三ノ沢までの間の急なルンゼ(たぶん間ノ沢)を登ってしまいました

【21日】鍋平2:30~12:40二尾根右支稜~16:30クリヤの頭北方稜線上のビバーク地
【22日】ビバーク地5:40~6:15笠ヶ岳頂上6:35~12:30槍見

登山ブームのためか、最近めちゃ混みの穂高周辺
この日も槍見の駐車場には止められず、鍋平まで駐車しにいくはめになり
21日は30分、22日は1時間余計に歩かされた
最近よく歩いている穴毛谷
堰堤を次々と越え、真っ暗なうちに遡行を開始する
「また間違えるとだめだから(※昨年7月の三ノ沢参照)明るくなるまでまとうよ」
という岩佐さんの忠告に耳を貸さず、そのまま突っ込む
「早く行った方が敗退の可能性が減るでしょ」と答えていたが
それがあだになるとは…

秋本番ということで沢の水は少なく
靴下を脱いで徒渉しなきゃあ行けない場所はなかった
薄明るくなるころ、左手に急なルンゼが見えてきた
「たぶんこれが二ノ沢だ」
「後ろに一ノ沢出合が見えるからそうだね」
こんな会話をしてルンゼに入る
そしたらすぐに両岸とも高さ40~50mありそうな壮大なゴルジュ
二ノ沢ってこんなに狭かったっけ?と心の中で思いながら最初の滝に到着
うーん、悪そう。荷物重いし
段々になった左岸から、泥々で砕石の載った岩のマントリングを経て滝上へ

しばらく行くと二つめの滝
これは右岸からしか登れそうにないが、うーん悪そう
カムが取れず、「ウッ」と息を止めて何とか上へ

陰鬱なゴルジュを登る

陰鬱なゴルジュを登る

 

一つ目の滝リード中。トラバースが悪い。

一つ目の滝リード中。トラバースが悪い。

 

1つめの滝を左岸から越す

1つめの滝を左岸から越す

 

2つ目の滝。

2つ目の滝。

 

2つめの滝。悪いっす

2つめの滝。悪いっす

3つめの滝。これを越えるだけで必至です

3つめの滝。これを越えるだけで必死です

いつまでたっても、あけぼの壁は出てこない いつまでたっても、あけぼの壁は出てこない

50mぐらいのピナクルがある二俣を右へ
まもなく3つめの滝
垂壁を登ってトラバースし、巨大チョックストーンを乗り越すが、悪い
息絶え絶えで滝上へ

そこまで何の疑問も持たず登ってきたが
ここまで来ると、右側の尾根がやけに低いぞ!
トラバースすれば歩いて上がれるぐらい
沢はさらに急になり、岩壁はどこにも見えないまま、ツメの草付きが見えてきた
「ルート間違えた~」と、後ろの岩佐さんに大声で伝えるが
「いや、その岩場だよ」と高さ10mぐらいのしょぼい岩を指さして
のんきな言葉を返される
ここはいったいどこ?このまま登り続けるべきか、下りるべきか

ここまで3つの滝とも、懸垂支点がどこに取れそうか確認しながら登ってきたが
2つめ以外は安全な支点が取れそうにないことが分かっていた
上に見える沢のツメの草付きは、一見したところあまり急傾斜ではなさそうだ
ルートを間違えたと分かった時点で下降するのがセオリーだが
そのまま登り続けることにした

そこからやぶ、藪、ヤブの3拍子
クマザサの急斜面では足が滑って、うつぶせに倒れることもしばしば
クマザサから手を離したらピナクルのある二俣辺りまで落ちていく傾斜なので必死です
2時間ぐらいの藪こぎで稜線(たぶん二尾根右支稜)の上に出た

こんなところを突き進む

こんなところを突き進む

急傾斜の藪でがんばる岩佐さん

急傾斜の藪でがんばる岩佐さん

右手の谷筋に巨大な岩場が見える
ああ、あっちがあけぼの壁だ(本当は四ノ沢第一岩稜)
まだ場所が把握できません
さらに藪こぎは続く
ザックに入っているキャメの5番やトライカムのオレンジは何の役にも立ちません
いい加減、全身が傷だらけになったころ、縦走路近くの稜線に出た
藪こぎを計6時間!
もう動くのは嫌だ!ということで、草原状のところでテントを張った

翌日は笠の頂上まで空身で往復し
槍見の駐車場まで下山
6時間の藪こぎをした跡では、鍋平まで1時間の車道歩きはらっくらくに感じました

雷鳥岩のお隣にある小さな岩をクライミング。

雷鳥岩のお隣にある小さな岩をクライミング。

影笠

影笠

2015.09.30

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
こんにちは。
成瀬洋です。
久しぶりの投稿です。
昨年から、基礎的なクライミング能力を向上させようとフリークライミングメインで登っていました。
ハング、フェース、スラブ、クラックなどいろいろなタイプのルートをわりとまんべんなく登りました。
主な登ったルートは
小川山
・エンドルフィン(5.13a)
・デリウス(5.13a)
・蜘蛛の糸(5.11c)
・無名の5.11aのフィンガークラック
その他、5.12台のスポートルート多数、10台のクラック。
瑞牆山
・T&T(5.10d)
・アストロドーム(5.11a)
・春うらら1P目(5.11b)
など
笠置山
・アノニマス(5.13a)
・亜門(5.13a)
・アカネクラック(5.11b)
他、5.12台のスポートルート数本
瑞浪
・アダム(5.11b)
・イブ(5.11c)
・ノア(5.12a)
その他、12台のフェースなど。
鳳来
・赤い薔薇(5.12d)
・バーニス(5.13a)
・アクシデントウルフ(5.13b)
他、12台のスポートルート多数
城山
・ポコ◯ン大魔王(5.12d)
・白壁の微暇(5.12d)
など。
それぞれのルートがおもしろいのはもちろんですが、さまざまなタイプのルートを触ってきたのはマルチピッチを登るためでもあります。6月からクラックメインで花崗岩にも慣れて来たので、友人とまずはベルジュエールに向かいました。
昨年、ひょんなことから一度触ったベルジュエール。
1ピッチ目の5.11bはオンサイトしたものの上部の5,10bのクラックの手前で時間切れで下降してきてしまいました。
今回はそのリベンジです。
パートナーはいつも一緒に登っているTさん。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
1P目はフォローで登ったことがあるとのことで、Tさんにリードを任せました。
1便目2テン。
「2便目でダメだったらRPは諦めます」と気合いのトライでしたが核心で痛恨のフォール。
チームとしての完登を、ということで選手交代。
ほとんど覚えていませんでしたが、核心で迷いつつも無事ノーテンで登りきりました。
このピッチ、11bですが11cくらいあっても良い気がします。
つるべの順番が逆になり、2P目はTさんリード。
5.10aですが少しいやらしいスラブを抜けて樹林帯でピッチを切り、もう1ピッチ木登りを交えてクラックの下まで。
4P目、きれいなハンド〜フィンガークラック(5.9)。
昨年はフォローだったのでリードさせてもらいます。快適に登り白クマのコルでひとやすみ。
5P目、有名な大フレーク、6P目のチムニーは昨年オンサイトしているしTさんも登りたいとのことだったのでリードをお願いし、上部の樹林帯まで。
7P目、少しいやらしいチムニーとスラブを抜けて、昨年敗退したクラックの基部へ。
ここからを登るために来たようなものです。
ひと休みして、お目当ての8P目のクラック(5.10b)。
フィンガーのフレークから左上クラックへ。
日が陰ると涼しいですが、日が当たるとまだまだ暑くて滑ります。
フレークはレイバックっぽくなるのでプロテクションがセットしずらく、左上クラックは左足がなくてなかなか大変。一日登ってきた疲れもありますが、絶対オンサイトしたかったので甘いハンドを利かせてたら思い切って左手を遠くのガバフレークへ。そこからは簡単で、右上して十一面岩の頂上が見える8P目終了点へ。最高に気持ちが良い場所です。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
9P目、簡単な岩稜歩きで頂上岩峰の基部へ。
10P目、一カ所悪い5.8のクラックとその上のスラブを登ると、数人が立てるほどの広さの十一面岩の頂上に辿り着きました。見渡す限り、森とその中にニュキニョキと生える格好良い岩峰の数々。植樹祭広場が眼下に見下ろせる最高の場所でした。午後4時過ぎ、秋晴れの空の下、傾き出した西日が照らします。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA
下降は一度懸垂し、そこから30分〜40分歩いて取り付きへ戻りました。
昨年のトライと合わせて、1P目、大フレーク、チムニー、10bクラックと、自分が担当したピッチはすべてオンサイト。フォローでもノーテンで完登でき、快適なクライミングをたのしめました。上部クラック以外は二回目ということもあり、昨年よりも余裕をもって登れ、少しは成長しているのかなと思えました。
良い天気、バリエーションに富んだ素晴らしいルートを友人と登れたことに感謝。
良い秋の一日でした。
さて、ベルジュエールの隣にはアレアレアという魅惑的なルートがあります。
このような、ハードなマルチピッチを、その日のうちに全ピッチRPできなくても、何度か通ってRPするようなトライをしていきたいと思います。そして、より大きな壁のより魅力的なルートを登りに行きたいです。
そして大変遅くなっておりますが、10周年記念の手ぬぐいの絵もそろそろ完成です。
IMG_2361

2015.09.29

お疲れ様です。吉川です。

2015年夏の剱岳合宿で剣尾根主稜を登った記録です。
トラブルはあったものの、天候や運に恵まれ、無事登らせてもらえました。

剣尾根は剱では手強い部類の尾根だと聞き、出発前の僕の不安は膨れ上がっていくばかりでした。ウェブ上には剣尾根の記録は意外に少なく、あっても情報が少なかったり断片的な情報だったりで、ネットサーフィンだけでは僕の不安を拭えず、市の図書館に足を運び、登山大系や「日本のクラシックルート」を探し出して剣尾根主稜の記述を熟読した上で今回の山行に臨みました。

メンバー:宮﨑、吉川

行程:
20日 真砂沢ロッジ~長次郎谷出合~八ツ峰5.6コル~6峰、7峰、クレオパトラニードル登攀~池ノ谷ガリー下降~剣尾根R10~コルE
21日 コルE~剣尾根主稜~長次郎の頭~長次郎のコル~空荷にて剱岳本峰ピストン~長次郎左俣~熊の岩~真砂沢ロッジ

記録:
20日
5:30。明るくなり始めた真砂沢ロッジを出発。軽量化を意識していたが一泊分の装備はずっしり重い。
すぐに長次郎谷の出合に到着。前方に何パーティかの登山者が雪渓を登っているのが見える。

「傾斜が強くなる前に」と思い、アイゼンを装着して5分ほど歩いたところで不意に左足のアイゼンが外れた。あれれ?ちゃんと締めたはずなのに。
「アイゼンが外れました」と宮﨑さんに伝え、もう一度靴をよく見ると、なんと左足の踵部分のソールがベロンと剥がれているではないか。すぐに「いや、靴が壊れました!」と状況を訂正。さすがの宮﨑さんも「ええー!?」と焦っている。
セミワンタッチアイゼンの踵部分のコバがソールを剥がす方向に力を加えていたらしい。7年使った靴なのでさすがに寿命か。
靴の破損は致命的だ。BCのテントで五日間膝をかかえている僕の姿が頭をよぎる。
いや、まだソールがすべて剥がれたわけではない。テーピングで応急処置しよう。でも僕のテープは自宅だバカヤロウ。
宮﨑さんのテーピングを貰ってぐるぐる巻きにしてみたところ、なんとか形になった。アイゼンも着けられるし、八ツ峰の縦走までならいけるのではないか?行けるところまで行ってみることにする。
靴破壊

5.6のコルには歩いて上がれるとのことだったが、確かにどう見ても歩いて登れそうである。これなら間違えない。
5.6のコルに上がると3人パーティが6峰に向かって登攀中で、終わるのを待って我々もロープを出して登った。

1P目 リード吉川
壁を右に回り込んでルンゼをコルへ上がる。ロープスケールでちょうど50m。
ピンが取れそうなところが見つからなかったが、とる必要もないと感じ、ノープロ。
2P目 リード宮﨑
出だしが悪い。直上はかなり悪いので、少し左から登った。途中凹角に入るとまた悪いので右のカンテ出て登った方が良い。
終了点は肩のような場所のブッシュでとる。

そこからすこし登って、懸垂下降。
7峰は歩いて登って、ギャップを懸垂下降。

そこからは右側についている巻き道を歩いていった。チンネが見えてきたところで、手前にクレオパトラニードルが現れた。予定にはなかったが、宮﨑さんの2年前の宿題でもあるのでクレオパトラニードルにも登ることにした。

クレオパトラニードル 1ピッチ リード吉川
どこから登るのかよくわからなかったが、弱点だろうという場所からフラットソールで取りつく。
カムやナッツ、ハーケンを駆使して登るつもりで気合をいれて登ったらすぐに残置ハーケンが出てきて拍子抜け。ですよねー。
岩の表面はパリパリ剥がれ、ガバは信用できないので持ちにくいホールドで登った。ハーケンはバチ効きなので安心。
終了点からは懸垂で降りた。ただ置いている岩にしか見えない(でも全然動かない)ピナクルに残置スリングが大量に巻いてある。

クレオパトラニードルの寄り道のおかげでタイミングが合い、チンネの終了点のコルで日本山岳会東海支部青年部のTさんやFさんのパーティと、千種の鵜飼、酒井パーティと落ち合うことになった。ここでFさんと酒井さんからテーピングを譲っていただき、ボロボロになったテーピングを補強した。今のところ悪化もしておらず、テープも潤沢にあるため行動を続行することにした。Fさん、酒井さん、ありがとうございました。
チンネを登る
チンネ左稜線の酒井さん?

池ノ谷ガリーの下降は悪い。ボロボロガレガレの谷を神経を使いながら降りてゆく。このタイミングでガスまで出てきて無駄に雰囲気まで出てきやがった。視界が聞かず目的のR10を探すのも困難になりそうだ。
池ノ谷ガリー霧
池ノ谷尾根の末端付近から雪渓が出てきたのでアイゼンを履いて、さらに下降を続ける。いくつかのルンゼを見送ると、霧の向うに明らかに傾斜の緩いルンゼが出てきた。R10だ。懸案だった雪渓からの乗り移りは数十センチの隙間程度だったのでジャンプで解決。

R10は見た目こそ草付きの穏やかな谷だが、その正体はガレッガレのルンゼだ。もうガレ場にはうんざりだが、今日最後の我慢だと自分に言い聞かせて登る。30分程度でコルEに到着。この時点で16:45。さすがにビバークポイントを探したい。コルEの早月尾根側を見下ろすと10mほど下ったところにちょっとしたスペースがあるように見える。踏み跡らしきものもあるので下ってみたところ、3テン程度のテントなら張れそうなくらいの平らなスペースを発見した。明らかに人為的なものを感じる。これは素晴らしいビバークサイトだ。土木工事ともいえるほどの整地をしてくれたどこかのどなたかに心の中で感謝する。
この先コルDやコルCにもビバークできそうな場所はあったが、剣尾根上では安全面も含めてこの場所が最も良い場所だろう。この剣尾根ホテルからは富山の夜景もきれいに見える。
剣尾根ビバークサイト
素晴らしいビバーク地

ここにツエルトを張り、早月尾根を眺めながら夕食を済ませた。夜のうちに靴のテーピングをしっかり補強した。踵に巻いているので登りには強いが、下りではすぐに破けてしまう傾向にあるようだ。明日の登山の無事を祈って就寝。

21日
前日と同じく、明るくなる5:30頃に出発。今日はハイマツの激しい藪漕ぎからスタートだ。強い傾斜の尾根を枝をかき分け掴んで登っていく。踏み跡は何となくある。
意外とすぐにコルDと思われる場所に到着。正面には20mの壁が立ちはだかる。ここは宮﨑さんが登山靴のままリードで突破。意外に傾斜の強いフェースで、残置は少ないが割と悪い。心配ならクライミングシューズを履いたほうが良いと思う。
そこを過ぎると尾根はやせ、ハイマツも少しずつ減ってきた。ちょっとした岩登りと藪漕ぎがつづく。

すこしいやらしい個所をクライムダウンするとコルCに着く。コルCそのものはビレイも面倒な位狭いが、早月尾根側に少し下ったところでビバークできそうだ。
ここからが、剣尾根主稜の核心になる。
門全景
核心全景

1P目 リード吉川
門1P目
A1のピッチなのでアブミをもって登り始める。最初の5mはフリーで直上。そこから右に5~6枚ほどのスリング付きハーケンが約5mにわたって並んでいる。ここがA1だが結局、ハーケンの効きを確かめながらA0で抜けた。現代のクライミングシューズでならA0で問題ないだろう。強い人はフリーで抜けられるだろうが、僕には荷物が重くてさすがにキツイ。リッジを回り込むとあとは弱点を突きながらフェースを登る。踏み跡に出たところでビレイ。
そこからは少し歩き。そして今回のメインの「門」だ。またもやガスが出てきて不要な雰囲気が出てきている。
「門」 リード宮﨑
門2P目
凹角に向かってバンドを歩き、途中のクラックにそって登る。クラックの序盤は傾斜が強いこと以外は問題ないが、簡単な左へのトラバースをこなした後の傾斜が少し緩くなったクラックは岩がもろくなり悪い。落ちそうな浮石もある。
リッジに出たところで終了。次のピッチは簡単なもろいルンゼだが、一応ロープを出して約50mを吉川リードで登った。このピッチでいわゆる「門」をくぐる。
稜線に出たところでガチャ類やロープを仕舞い、靴を登山靴に履き替え、残りはすべて歩いた。微妙な個所もあるにはあったが、すべて登山靴のままフリーで抜けることが出来る。稜線の下部に比べると岩も少しはしっかりしているのでちょっとは安心して登れる。1個所だけ、ザックを背負っているとつらいⅢ級程度のチムニーがあったが、短かったのでザックを下ろして登って、トップが手でザックを受け取って引き上げた。
剣尾根ナイフリッジ
途中にこんな場所もある

剣尾根の頭はどこだか分らなかったが、無事長次郎のコルに到着。ここでまた千種のパーティとすれ違う。今回は計ったようによく人に会う山行である。コルに荷物をデポして空荷で劔岳頂上を往復した。頂上でお互いの健闘を称えた。
0821劔頂上
長次郎谷の下降はやはりかなりガレガレでめんどくさいが、池ノ谷ガリーに比べるとまあマシだろう。でもガレ場の通過はもういいよ。この日は前夜の靴の補強がうまくいったようで、最後まで追加の補強をすることなくもってくれた。

二日ぶりに真砂沢ロッジに着くと合宿メンバーに加え、瀧根さんもいらっしゃった。もうヘトヘトだ・・・
瀧根さん曰く、青年部のTさんが僕の靴をかなり心配していらっしゃったとのことだった。確かに今回は運よく切り抜けることが出来たが、毎回うまくいくとは限らない。やはり靴が壊れれば行動は断念した方が良いだろう。今回はあまり良い判断ではなかったかもしれない。
実は山の中で僕の登山靴のソールがはがれたのは、これで3回目だ。限界の状態で山に履いて行っているのも問題かもしれないが、よく起こる現象だともいえるので、今後も気をつけたい。

以上です。剣尾根は良いルートですが、アプローチが大変でした。もしもまた登ることがあったなら、今度は絶対馬場島からのアプローチにするでしょう。もう池ノ谷ガリーは降りたくない・・・

2015.09.28

酒井です。

剱岳チンネ左稜線へうかぴーとペアで行ってきました。
 
 
扇沢から7時発のトロリーバスに乗って黒部ダムへ。
そこからしばらくは参加全員の6人で真砂を目指して歩きましたが、私とうかぴーは熊の岩ビバークの予定だったため、途中から2人で先行することに。

真砂沢ロッジまでの一般道も基本的に歩きにくい区間が多く到着は14時。しばらく休憩してから熊の岩までの所要時間が3時間弱で、この日は17時30分までみっちり歩きました。

熊の岩のテントは5張りほど。雲海に浮かぶ針ノ木岳がとても美しく見えていました。

FB_IMG_1443010446748[1] 
 
二日目は4時に起床。朝食を済ませツェルトをたたみ、ビバーク装備をまとめてデポ。明るくなった5時すぎに熊の岩を出発です。
取り付きへはガレガレを登って降って到着したのは7時。ちょうど先行PTが1P目をやっているところで、抜けていったあたりでこちらも準備完了。チンネ左稜線のスタートです。
 
 
1P Ⅲ級 リード:うかぴー
ウォーミングアップ。

2P Ⅳ級 リード:酒井
プロテクションを取れるポイントが少なくびびりながら登る。

3P Ⅲ級 リード:うかぴー
50mでぎりぎり。

4P Ⅲ級+ リード:酒井

5P Ⅰ級 リード:うかぴー
歩き。

6P Ⅱ級 リード:酒井
先行PTは普通に歩いていったようだが、途中から高度感もありそうだったので、確保してもらって登った。

7P Ⅲ級 リード:うかぴー
6P目から連続するフェース。少し岩が脆く感じる。うかぴーはあっという間に登っていく。

8P Ⅳ級 リード:酒井
9P目が気になって全然覚えてない。

9P Ⅴ級 リード:うかぴー
核心ピッチ。断トツで立っていてホールドも全体的に小さくなる。存在感も高度感も抜群。
ハングはやはり難しく、フォローだったので力任せに登ったが、リードで同じ登り方はできないと思う。まだまだ登る力が足りない。

10P~
高度感あるリッジを行く。伸ばせるところまで伸ばして切る感じで余韻を楽しんでいるうちに終了。

1443061672089[1]

FB_IMG_1443011112246[1]

1443061691891[1] 
 
核心ピッチだけが抜けて難しく感じた。
ちなみに核心で先行PTも詰まっていたのでのんびりと景色を眺めていると、八ツ峰に宮崎さんと吉川さんを発見。

IMG_20150920_120830[1]
 
チンネの登攀を終えたところで一時合流。しばらくの歓談の後、2人は剣尾根へ向かって行きました。

私の日程の都合で二日目に登攀をやらなければいけなかったので、付き合ってくれたうかぴーに感謝です。
初めての剱岳でしたがルートも幾つか知ることができ、是非また登りにきたいですね!

2015.09.26

鵜飼です。
合宿4日目、登攀としては最終日。名物ルートをまったり行こう、ということで八ツ峰へ

5:00真砂 ~ 9:00取り付き ~ 12:00登攀終了 ~ 15:00真砂

 

4日目ともなるといい加減しんどい、他の4人が見えなくなったらテントに帰ろうなどとボヤキながらのんびりと行く。

長次郎谷の雪渓が切れる喉でアイゼンを外し、そこからは右側を取り付きまでアイゼン無し。

なんやかんやで熊の岩と同じ高さまで来て取り付き、3パーティ程先行が居るけど問題なし

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1p(鵜飼)

出だし、目の前にあった逆さL字のクラックが妙に悪かったけど後は全部ガバ

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2p(森)

ハイマツの上へ抜ける。

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3p(鵜飼)

出だしのカチカチからのスメア足上げが怖かった。あとはガバ

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4p(森)

リッジが怖い

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5p(鵜飼)

ガバ

 

八ツ峰の頭まで抜けようかとも思ったけど、意外と12時。

頭まで行っていると日暮れになりそうだし、右俣のガレ場をまた通るのは嫌なので

5,6のコルへ下降。しかしこの下りも怖かった。

 

下りの喉の所で、沢に突き刺さる謎の柄を見つけ、

これはもしや!バイル!と思い引っこ抜くとポール。

3つ折れのBD製ポールを手に入れた。

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2015.09.25

合宿2日目。

早戸、森で平蔵谷からアプローチし、南壁A2稜へ向かいました。

 

森さん、僕の調べが足りなかったばかりに全然違う壁を登らせてしまってすいませんでした。

間違ってたことに気付いたのは下山してから。そのせいでここを南壁だと思い3日目に登ることになった代表と宮崎さん。どうもさっせん。

 

割と踏み跡なんかもしっかりしていて他にも間違えてここを登るパーティがチョコチョコいるようです。

赤線が今回登ったと思われるライン。多少ズレもあるかもしれませんが大体こんな感じだと思います。

全然違いますね。。笑

A1とも取付から大きく違います。

剱岳

残置は1ピッチにひとつあればいいほう。って感じでロープ出したり出さなかったりで5ピッチくらい登りました。

僕的にはそこそこ楽しかったので良しとしたいと思います。笑

IMGP4579

頂上はすごくいい天気でした。

 

補足情報として、

アプローチで使った平蔵谷雪渓はアイゼンなしで登りました。下りはあった方が楽。

シュルンドも通行を妨げるものはなし。

下山路で使った長次郎谷も同様。コルからかなり雪渓が後退しておりガレ場の下りが長かったです。(右・左ともに)

この時期の雪渓は状態がかなり悪いと踏んでいましたが意外にも、といった印象でした。

 

森さん、お疲れ様でした。

【行動記録】

真砂沢5:30~南壁(ではない)取付10:00~山頂14:00~長次郎左俣~熊の岩16:00~真砂沢18:00

2015.09.24

1皮です

 

報告遅れてすみませんm(_ _)m

岩佐さんと北穂ドーム西壁に日帰りで行く計画でしたが

新穂高の無料駐車場は午前1時半に到着した段階ですでに満杯で駐められず

歩行時間が余計にかかると敗退の危険性が高まると判断

錫杖でまったりクライミングに変更しました

藪こぎあり、偵察ありのアルパインチックなルートで楽しかったです

 

槍見4~中央稜~烏帽子岩~17槍見

 

【中央稜P2右岩壁左ルート】

8月からの雨続きで、チムニーやクラックは所々濡れていた

でも3~4級程度なのでまったり

2・5ピッチでロープを解き藪こぎ

P2頂上からコルへクライムダウンし

P1を左から巻く

足下が切れている1ポイントがビミョー

ルンゼを登ると、笹の草付きに出るが滑りやすく、セカンドにロープ下ろす

P1からは気持ちの良い草原の道を烏帽子岩西肩までトラバース

西肩にザックをデポし、ガチャのみ持って烏帽子岩の下を東肩までトラバース

明瞭な踏み跡があり簡単

 

中央稜1ピッチ目。青空がまぶしい

中央稜1ピッチ目。青空がまぶしい

湿ったチムニー

湿ったチムニー

中央稜上部をトラバースし、烏帽子岩に向かう

中央稜上部をトラバースし、烏帽子岩に向かう

烏帽子岩の基部を、西から東へトラバース

烏帽子岩の基部を、西から東へトラバース

 

【烏帽子岩】

東肩ルート取り付きにいたカエル。

東肩ルート取り付きにいたカエル。

 

東肩からロープが屈曲するため

4Pに分けて細切れクライミング

2Pの出だしと4Pのチョックストーン越えが5級ぐらいあるかも

烏帽子岩頂上は意外にも広くテントも張れそうだが

真ん中にブッシュで隠れた深い溝がある

落ちんようにせんと(-_-;)

錫杖の頂上は指呼の間

中央稜のP2付近で三本槍方面の沢を下っていたパーティー(牧南沢とルート間違え?)が見えたが

頂上に到着したようで、歓声を上げているのが聞こえた

いいお天気で、まったり、まったり

下りは南壁方面に懸垂2P

西肩から少し頂上方面に登って

踏み跡に沿って北東壁方面にルンゼを下る

ブッシュがお肌に悪いっす

クリヤ谷の岩小屋まで1時間

暗くなる前に車に戻りました

 

烏帽子岩のとんがった頂に向かう

烏帽子岩のとんがった頂に向かう

東肩ルート2ピッチ目。

東肩ルート2ピッチ目。

槍穂連峰を背景に烏帽子岩の頂上へ

槍穂連峰を背景に烏帽子岩の頂上へ

2015.09.24

森です。夏合宿3日目、9/21は源次郎尾根に行ってきました。

6:00真砂沢~10:15源次郎第Ⅰ峰~10:45第Ⅱ峰~12:20劔岳山頂~左俣~熊ノ岩~長次郎谷~16:20真砂沢

明るくなると同時に出発。アイゼンは付けずに源次郎尾根の取り付きまで雪渓を歩く。

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尾根登りは急だけど、木乗り越えて上がったり、残置スリングに乗って岩を乗り越えたりと、冒険っぽくて楽しい♪

先行パーティがロープを使って岩を上がっている。人数が多そうなのでしばらく待つ。うかPは「7級くらいだよ。」と言ってたけど、結構怖かった(^-^;「昨日登ったところの方がもっと難しい所だったよ。」と言われて、そうだったかなあ??と。

しばらくすると尾根に出て眺めが良くなった。源次郎尾根1峰平蔵谷上部フェースが見える。ダイレクトルートに取り付いている人がよく見えた。源次郎尾根を1時間程登った所だが、左の方向に踏み跡があり、1峰上部岩壁の方に行けるようだ。その下部にある中央ルンゼはそこからは見る事ができなかった。

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・・・・長い。。((+_+))そこから1峰まで長かった(*_*)

1峰から一旦下り、2峰へ。岩を登りながら上がって行く感じが楽しい♪

2峰からの懸垂下降で先行パーティが下りるのをのんびり30分程待った。天気が良くて気持ちがいい(^^♪八ツ峰や本峰がよく見えた。

早戸さんは岩の上で、すぴ~と寝息を立てて昼寝している。先行パーティの人数を見ながらうかPは早めの行動。懸垂ポイントに行くとすでに下降の準備をしてくれていた。

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早戸さんが5月に来た時は、ロープ1本、25mで降りれたような気がすると言っていた。1本で一段上のところまでは降りられて、そこからも歩いて降りられそうだったが、50mで一気にコルまで降りた。

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そこから浮石の多い道を歩きながら頂上へ。結構長くて大変だったが、みんなで登って来られて充実感があった。うかPが入れてくれたあったかい紅茶が美味しかった。

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下りは左俣から。前日も左俣から下り、早戸さんからガレ場歩きの特訓を受けた。あのガレ場を今日も下るのかと思うと、げんなりした(-_-;)

曽我さんに後ろに付いてもらい、「もっとこっちの方がいいよ。」など言われながら、左の岩壁沿いにゆっくり下りて行く。どうも悪い方、悪い方へ行ってしまう((+_+))

雪渓に出てアイゼンを付け、熊ノ岩まで一気に雪渓を下る。熊ノ岩から長次郎谷の雪渓へ移り、さっきより緩くなった傾斜の雪渓をゆっくり歩く。長次郎谷の雪渓は、熊ノ岩からしばらく下ったところで雪渓が切れており、そこから岩場をアイゼンで少し歩かなければならなかった。疲れてアイゼンのまま不慣れな岩場を歩くのは、私一人が遅かった。再度、雪渓に出ると少しほっとした。早戸さんは早々とアイゼンを外し、グリセードで下りて行く。うかPと早戸さんは早くて、あっという間に見えなくなってしまった。私は疲れていて、早く歩けなかった。曽我さんが後ろに付いてくれて、ゆっくり歩いた。

前日にせっかく教わったガレ場歩きも思うように出来ず、落ち込んでいて無言で歩いた。3日目で、連日行動時間が長く、疲れで吐き気もしてきた。ずっと無言で歩いていると「長いねえ~。」曽我さんがぽつりと言った。それから少し話しながら下った。

長次郎谷の雪渓の出合いに、見慣れたヒゲの人が立っていた。「曽我さ~ん!曽我さんによく似た人だな~と思って見てたんだわ。」「わしも滝根さんによく似た人だな~と思って見とった。」と。滝根さんがお客さんと一緒に剱来ていた。滝根さんも真砂沢に泊まるとの事で、一緒に真砂沢まで話ながら歩いた。私はすっかり元気になった(^^)

私たちがいない間に、日本山岳会東海支部の高橋さんが差し入れに梅酒を置いて行ってくださっていた。この日、真砂沢のお酒は売り切れてしまい、美味しい梅酒を頂けて嬉しかったです。ありがとうございました。滝根さんもビールやワイン、おつまみなど差し入れしてくださり、お客さんと一緒だったけれど私たちの宴会にも顔を出しくだり、楽しい時間を過ごせました。19時半頃、代表の西村さんも到着。一緒にお酒を飲み、楽しい宴会になりました。ガッツリ山に入った合宿で、西村代表、曽我さん、滝根さんと一緒に過ごす時間があった事が、とても貴重な、いい時間でした。

2015.09.17

お疲れ様です。吉川です。

書きためシリーズ第二弾です。お騒がせしてすみません。

8/9(日)に妻と沢登りに行きました。去年も行った鈴鹿の渋川です。
短いながらも、スパイスの効いた沢ですね。

9:30愛郷の森→?時 橋→13:00愛郷の森

この日、愛郷の森は貸し切りらしく、管理棟で「車は最も奥に停めて欲しい」と言われた。指定された場所は、沢まで0分で誰も来なさそうな広場だったのでむしろ好都合だった。

入渓してしばらくは単調な河原歩きと堰堤を巻くことの繰り返しだが、沢が大きく曲がったところで、3mの滝が現れる。前回は滝身の右を登ったが、悪かった記憶があったので今回は左岸のクラックから。

次の2段8mはなかなか迫力がある。ロープを出し、去年と同じく滝身の左側を登る。釜が深いのでプレッシャーは少ない。

sibutaki2段8m

4m斜瀑?も去年と同じく右側のボルダーから突破。

いくつか滝を越えるとあっという間に核心の3m滝(他の記録では「左岸ハング」呼ばれている)に到着。去年まであったはずの左岸の残置スリングが無い(ボルトの頭だけ残っている)。とりあえずそこから登ってみるが、とてもムリ。滝の直登も試したが、水流強すぎ。メガネが吹っ飛ばされそうだ。コンタクト作っとけばよかった~。結局は左岸のさらに右の壁を一段登ってそこから左に落口までトラバースした。

この3m滝を抜けたところで、10人程のパーティに出会った。ガイドらしき方がハンガーボルトで支点を作ってロープで確保しながらメンバーをウォータースライダーの要領で降ろしている。これがキャニオニングかー、初めて見た。

渋川には沢ではあまり見ないような新しいハンガーボルトがたくさん打ってあるなあと去年から不思議に思っていたのだが、なるほどこれは登攀用ではなく、キャニオニング用だったのか。

そのあと、ちょっとした滝を登ったりちょっとしたゴルジュを泳げば、終了点の橋に到着。下山は林道で一瞬だった。

愛郷の森で、名物?のジェラートを食べて帰宅。

 

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