愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

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2014.09.04

岩佐です。

 

今年の夏は毎週末のように雨に降られ山に殆ど行けなかったため、平日に休みを取って錫杖の注文の多い料理店から烏帽子岩東肩ルートへの継続登攀を計画しました。しかし、注文の登攀に予定以上の時間がかかったことや当日のコンディションから、東肩ルートは断念。結局1本しか登れませんでしたが、久しぶりに山に行くことができて満足です。

 

日程:2014年9月3日

メンバー: 上手、岩佐

行動記録: 槍見P 02:10 ~ 04:40 注文取り付き 06:00 ~ 11:20 登攀終了 ~ 11:30 懸垂下降開始 ~ 12:20 注文取り付き 12:45 ~ 14:45 槍見P

 

報 告:

天気が良さそうな3日に休みを取ったものの、天気予報は二転三転。どうなることかとハラハラしたが、取り敢えず2日早朝に雨は止み、その後何とか3日まではお天気は持ちそう。1日で岩は乾くだろうかと若干の不安を抱えながらも、現地に向かった。

 

予定よりも早く取り付きに着いたが、当然まだ真っ暗。テーピングテープを巻いたりしながら明るくなるのを待つ。太陽が昇り、ルートを見てみると所々濡れており、1P目下部はベタベタ。でも2P目はそうでもなさそう。3P目から上は若干濡れている部分があるようだが、下からでは良くわからないので、取り敢えず登ってみることにする。リードは全て岩佐。

 

1P: ネットで調べると少し凹角気味の草付きを登っている記録が多かったが、べったりと濡れていてとても登れそうにないので、左側からテラス目指して右上する。支点には小さめのナッツが大活躍。

 

2P: テラス左側から斜めのクラックを登る。クラック出だしは背負っているザックが邪魔で登りにくい。仕方ないのでA0で体を上げる。あとは右足を突っ込んで左足でスタンスを拾いながら登るが、岩が湿っているので足が滑りやすい。ヒヤヒヤしながらクラックを抜けてランペを越え、テラス下の小ハング下を右に回り込んでテラスに上がった。

 

3P: テラスについて核心部分のハングを見ると、しっかり濡れている。困ったなぁと思ったが、ここで敗退も嫌なので登ってみることにする。元々スラブは苦手なので濡れたスラブは恐ろしい。左の細いクラックにナッツをきめて、ハング下にまず4番をきめる。ハング右に出ようとあれこれ試してみるが、どこもかしこもベタベタで手も足もきまらない。ザックも重いのでフリーで抜けることはアッサリ諦め、ハング上まではA0で抜けた。

 

ここから上は、ヒロケン本で豪快にレイバックしながら登っている写真が載っている部分だが、レイバックなんて恐ろしくてできません。濡れたクラックに手足を突っ込んでクラック登り。2箇所ほどカムにフィーフィーをかけて休憩し、途中で5番を上に移動させたりしながら突破。セカンドの上手さんは、「これはザック背負って登るルートじゃないっすよおぉぉぉ~」と言いながら登ってくる。「そうなんですが、烏帽子岩まで行かないといけないので、仕方ないのですよ。ごめんなさい。」と心の中で呟きながら、「ガンバー」と発破をかける。途中でレイバックしているポーズを取ってもらいカメラに収めるが、後でカメラの紐が切れて下に落ちてしまった。(泣) 「登っている時にカムを落とすよりマシ」と自分を慰め、落としてしまったものは仕方ないと諦める。

 

4P: 3P目より易しいと期待していたのに、相変わらず厳しいピッチ。右のテラスにトラバースする所も岩が濡れていて悪い。右側に渡る前にカム1番をきめて、そーっと体重を右足に移す。あー、怖かった。

 

5P: ここは右側の太いクラックに片足を突っ込んで、もう一方の足でスタンスを拾いながら登るつもりだったが、湿った壁で足が滑る。途中で足がクラックに挟まって取れなくなるわ、最後のフェースもまたまた濡れているわで、もういい加減にしてほしいと思ったところで終了点を発見。取り敢えず注文は登攀終了。上手さんも登ってきて、上手さんのカメラで記念撮影。

錫杖

ここからは正面のフェースを登って尾根伝いに烏帽子岩に行く予定だったが、ガスが出てきて予報よりも早くお天気が崩れそう。フェースも濡れていてザック背負っては登りたくないので、上手さんと相談したところ、もうお腹一杯とのこと。時計を見ると既に11時を回っており、好天ならばともかくも、途中で降られたうえに下山が遅くなるのも嫌なので、ここで終了として3ピッチの懸垂で取り付きに下りた。

 

ガチャ分けした後で暫く落としたカメラを探すが、残念ながら見つからず諦める。錫杖沢出合で顔を洗ったりしてのんびり休憩し、槍見まで下った。

 

下山直後は「もう注文いいわ」と思いましたが、もしまた機会があれば、もっとコンディションが良い時に荷物無しで再挑戦してみたいと思います。

2014.09.04

ミヤザキです。
異常気象に翻弄されたこの夏の顛末です。

 

 

気合いは十分入っていた。
妻子を帰省させ、仕事の調整もつけてようやく確保した8月26~29日の夏の4連休。
平日なのでパートナーは見つからないが、だったら以前から温めていた槍穂稜線全踏破をやろうと思った。

22日
最初の計画書【上高地→北鎌尾根→槍ヶ岳→北穂→涸沢→前穂北尾根→奥穂→西穂→焼岳→中ノ湯】を提出。
基本コンセプトに、前穂北尾根のソロ登攀も加えたお腹いっぱいの計画。
西村代表には無理せず状況を見ながらということで認めてもらったが、北尾根ソロのリスクはやはり悩みどころ。

23日
注意深く天気をチェックしていると、どうも4日間雨が降らないということはありえない状況になってきた。
欲張らずに基本コンセプトだけに変更し、2度目の計画書【上高地→北鎌尾根→槍ヶ岳→北穂→奥穂→西穂→焼岳→中ノ湯】を提出。

25日
翌26日の雨が確実に。初日ビバーク予定地の北鎌沢出合は天上沢沿いということで、雨中は危険。
さらに27日も荒れる可能性があり、北鎌尾根も危うい。ということで山行中止を決定。

26日
28、29日は天候の回復が見込めるため、必死にパートナーを探したところ、瀧根さんが引き受けてくれた。
3度目の計画書【徳沢→前穂東壁(北壁~Aフェース)→徳沢→横尾本谷右俣→南岳→上高地】を提出。
瀧根さんは28日の前穂だけで、自分は29日にソロで横尾本谷に入る。

27日
出発準備が終わるころ、瀧根さんから電話が。
「明日の天気も良くなさそうだから、前穂はやめよう」
たしかに、ただでさえ落石多発地帯の前穂。雨が降ればより危険は高まる。
ただ、予想天気は曇り。「上高地に向かっているなら高山で飲もう」というお誘いもあり、28日に晴れたら錫杖岳に行くということにして、瀧根さんに計画書の変更をお願いして高山に向かう。
4度目の計画書【錫杖岳・見張り塔からずっと】を瀧根さんが提出。

28日
前夜は居酒屋「樹」でしっかり飲みつつ、瀧根家にお邪魔。5時起床のつもりが3時に目覚めたので、瀧根さんが参加したK2やローツェの記録を読む。
5時に1階に降りると、天気予報を見ながら瀧根さんが渋い顔。空は曇り。
とりあえず行くだけ行きましょうと出発。取り付きに着くころには乾いているだろう。
しかし、平湯のバスターミナルでトイレから出てくると、瀧根さんがきっぱり。

「今日はやめようか」

その瞬間、 ( ゚д゚)  って顔になったけど、翌日から大事なガイドを控えている瀧根さんにとっては重要な休養日。無理強いはできない。
瀧根家に戻り、モンブランやマッターホルンの映像を見せてもらい居間に寝転がってウトウト。
11時過ぎ、朝のワイドショーの明るい声がむなしく響くなか、「ああ、このままオレの4連休は山に入らないまま終わるのか…」とあきらめかけたところで、なぜだかやる気が再点火した。
「そんな馬鹿な。一人でもやれることやったれ」

時間は1日半しかないが、とりあえず奥穂~西穂間の歩きなら、それなりに充実するだろう。
錫杖のつもりだったためテント泊装備一式は家においてきてしまったが、この際山小屋泊もしかたない。
そこから瀧根さんに5度目の計画書【新穂高温泉~白出沢~穂高岳山荘~ジャンダルム~西穂山荘~新穂高温泉】の提出をお願いし、急いで新穂高温泉へ。

午後からの出発という山ヤ的には非常識な行動だが、もうヤケクソだ。
山荘スタッフに怒られない時間に着く、ということで18時着を目標タイムに設定し、最低限の荷物で出発。

IMG_6175

ガスに追われるようにして登ってきた白出沢

 

新穂高温泉12:45-白出沢出合13:45-荷継小屋跡15:00-穂高岳山荘16:35

溜まった何かをぶつけつつ脇目も振らず登ったら、コースタイム8時間の半分切った。
山荘の夕食は高いくせに微妙。同室のおっさんたちのいびきの大合唱でほとんど眠れなかった。
まあいいや。すべてのネガティブなものを推進力に変えてやる。それがヤケクソ山行だ。

 

29日

日の出とともに出発。ジャンダルムの頭は直登。天狗の頭も鎖使わず直登。ともにⅢ級くらい。5時間切りたかったので、西穂独標からは走って降りた。トレランなかなか楽しいな。

ヤケクソ山行だけにヤケ岳まで行って中尾に下るコースも考えたが、水も行動食もなくなり、気持ち的にもある程度満たされたのでこれで打ち切り。
山ガールがテント張ってるのながめながらソフトクリーム食べた。

穂高岳山荘5:10-ジャンダルム6:15-天狗岳7:30-西穂高岳9:00-10:00西穂山荘10:20-11:00ロープウェー駅

IMG_6205ジャンダルムの頭の直登ライン。

IMG_6219

天狗岳山頂に残置してあった謎のリュック。持ち主はどこへ…??

IMG_6224

間天のコルあたりから見えた100m級の巨大スラブ。傾斜がもっとあれば登攀対象になりそう

 

 

今回、二転三転四転して5度も計画書を提出するという事態になりましたが、そのたびに緊急連絡先を引き受けてくれた矢野さん、確認していただいた西村代表、そしてドタバタ劇に巻き込んでしまった瀧根さんには深く感謝いたします。

余談ですが、山荘での夕食時に義足の女性登山者と話す機会がありました。
ガンで左膝から下を切断してから4年後に登山を再開。コースタイムの3倍以上の時間をかけて各山小屋に泊まりながら、この3000mまで一歩一歩登ってきたそうです。
彼女の充実した表情は、天気で計画が思い通りにいかないことなど些細なことだな、山は競うものではなく人それぞれ自分の目標があればいいんだな、という当たり前のことを教えてくれました。

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