愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

愛知県名古屋市の山岳会 千種アルパインクラブ

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2023.05.08

5月3日 沢渡駐車場~上高地~涸沢小屋
5月4日 涸沢小屋~5.6のコル~前穂高~吊尾根~奥穂高~穂高山荘
5月5日 穂高山荘~涸沢~上高地~沢渡駐車場

前穂高北尾根に加藤欣さん、知人2人と行ってきました。
5.6のコルに着いたときには、2人組パーティーとソロの方が5峰を登っていて
次に2人組のパーティー、その後に上手組 欣哉組と続き、3峰の所で追いつき
ましたが前穂高山頂に着いた時には、吊尾根や明神方面に行く先行パーティーが
小さく見えました。
 

2022.06.07

西村です。
時間が経ってしまいましたが、1皮さん、M尾さん、M尾さんの友人と4人で5月の連休に出かけた報告です。
5月3日
7:00扇沢発
8:30黒部平発
15:00雄山直下

雪解けが結構進んでいて、どこがいいか思案していたが、まだまだ雪が残っているだろう立山方面へ。
M尾さんに2日夜に松本駅で拾ってもらい、1皮さんとは3日の朝、扇沢で合流。
M尾さんとはいつ以来だろう、と扇沢までの道中にも久しぶりなので花が咲く。
コロナ感染が落ち着き始めてきていて、緊急事態宣言やマンボウの規制がない連休とあって、扇沢は多くの人出だった。


黒部平駅から早速取り付くが、振り返るとエメラルドグリーンの黒部湖や目に前に伸びる稜線が美しい。
のんびり行くも、幕営予定地を過ぎ雄山直下まで進んだ。
強風を避けるためにブロックを積んだが、結局一晩中テントは叩かれていた。

5月4日
7:00発
7:15雄山頂上
8:00撤収、龍王岳へ
8:30取り付き
10:00龍王頂上
12:30黒部平
14:00扇沢

朝飯後すぐに雄山へ向かう。
歩き出す頃もまだ風は止まず、結構寒い。
早々に下山・撤収し、次の龍王岳へ向かう。
前に1組いたが途中で抜かせていただく。ロープは最初にの1P目で出したがすぐにしまった。テンポよく上に抜けれた。
龍王を終えた頃には風も止んで日差しも強くなり、タンボ平を行くには雪も腐って、歩くのがかなりしんどい。

2泊3日で余裕ある計画だったが、天候にも恵まれて、またM尾食堂の美味しいごはんのおかげでしっかり歩けたのでスムーズに終えることができた。

2021.03.08

メンバー 加藤欣、見並、上手

千畳敷(10:00)-サギダルの頭(11:45)-宝剣岳
(12:40)-乗越浄土(12:55)-千畳敷(13:20)

朝、6時過ぎに駐車場に着いた時には すでに三分の一くらい 
駐車場は埋まっていて、チケット販売(7:40)する頃には、
ほぼいっぱいになっていました。
臨時便(8:00)の次の始発(8:15)に乗ることができ、
バスとロープウェイを乗継ぎ千畳敷へ。
 
準備をしてサギダル尾根を見上げると、三組が登っていた、
各ピッチで渋滞していて、簡単な2ピッチだったが
1時間半以上かかってしまった。

サギダルの頭から宝剣岳、乗越浄土は悪い所もありますが、
鎖がたくさんあり慎重に行けば問題はありません。

天気が良く、遠くの富士山もよく見えました。

2020.04.14

1皮です

「断密」が求められている昨今
① 行き帰りに飲食店やコンビニなどの店舗等には一切立ち寄らない
② 下山後に温泉に入らない
の2点を守って
これまで敗退を繰り返している南岳西尾根に1人で行ってきました
同じ日程で槍方面に入った登山者はゼロで
家を出てから帰るまでの2日間に言葉を交わしたのは
帰路に白出沢出合ですれ違った登山者1人と二言三言だけでした
街にいるより断密できた感じです( ̄。 ̄;)

【11日】新穂高4:20―9:10南岳取り付き(1900m)―11:40最初の岩―16:00南岳小屋
【12日】南岳小屋5:30―8:20大喰岳―10:20槍平―14:30新穂高

【11日】
3月に敗退した時より林道の雪は減っているが
歩いている人が少なく雪も緩んでいるため
ずぼずぼはまって歩きにくい
前回は白出沢出合でもう疲労感があり
滝谷出合から先はトレースがなかったこともあり
西尾根下部の最初の平坦地辺りであきらめたが
今日の方が体は軽い

西尾根の南側斜面は3月と比べると明らかに黒い
槍平小屋まで回り込まず、一番南側から尾根に取り付く
しばらくは壁のような急斜面
何度か雨が降ったのだろう
雪面は前回腰ラッセルだったのが嘘のように固く
アイゼンを効かして登って行く
すぐにふくらはぎが悲鳴を上げ始める
2つのテンバ適地を難なく越えると
右上に三角形の岩場が見えてくる

急な壁に見えるが
段々になっていてホールド、スタンスともに豊富
アルパイングレードⅡ級ぐらい
気温は氷点下8度だが
日差しが暖かい今日のような気象条件だとサクサク越えていける

岩の上からは南沢などが真下に見える

岩場の上は雪稜になった
数日前に20~30センチの積雪があったようで
カチンコチンに凍った斜面や
膝上ラッセル
堅雪の上に5~6センチぐらいの新雪が載った場所など
雪面の状況は目まぐるしく変わり
アイゼンに雪団子が付くところも多く
一歩一歩の足の置き方に非常に気を遣った

2つ目の岩稜は抱きかかえるようにして簡単に越えられる
角度30度ぐらいの鋭くとがったリッジの下りがあり
そこは確保がほしかった

その後は再び太めの安定した雪稜となり稜線まで
ただシャリばてに加えてラッセルも激しくなり
30歩行くと1分休みという亀の歩み
稜線は目の前にあるのになかなか近づかない

やっとのことで南岳小屋のコルに到着した途端
稜線はガスに覆われ強風が吹き始めた
ヘロヘロなので冬期小屋に入ろうかと思ったが
なんと入り口の扉の下部3分の1ほどが堅雪に埋まって凍りづけになっている!
アックスで氷をたたいて掘り出そうとしてみるがだめ
強風の中でテントを張れるような場所はないかと探した結果
小屋の陰にある吹きだまりをスノーソーで掘って
テントを張れるだけの小さな平坦地をつくった
コルに到着してからテントの中に避難するまで1時間半かかった

【12日】
今日は発達した低気圧の接近で午後から雨予報
出発時はまだいい天気で気温はマイナス18度
風はそれほど強くない

小屋から南岳頂上はすぐ
東側(右側)は大きな雪庇があるだろうと予測し
10m以上は内側を歩いて行くが
左手数メートル先に木杭が雪の中から頭だけ出しているのに気づいた
近寄ってみると南岳頂上の標識
いま歩いていた場所は雪庇の上だったようだ
去年の11月に登った時の写真を比べると
雪庇の張り出しの大きさが分かる
今日は視界が良好なのでいいけれど
吹雪などの日の稜線歩きは怖いだろう

去年11月の頂上

中岳を通り過ぎ、大喰岳西尾根を下降
槍ケ岳や山荘付近には人影は見えない
槍平までトレースなしで楽しめた

槍平からは昨日登った南岳西尾根がよく見える
白出沢出合手前から小雪が舞い始め、新穂高は小雨
大雨になる前に下山できて良かった

終わり

2019.04.25

頂上をバックに、穴毛谷を降りていく

1皮です
Gさんの後を追って穴毛谷第4尾根に1人で行ってきました
4ノ沢から尾根に上がりましたが
ブッシュに雪が絡んでハング状になった尾根直下が悪く時間がかかりました

新穂高2:10―4:304ノ沢出合―9:204尾根上(2170m付近)9:40―12:00緑の笠―13:30頂上―19:20新穂高

左俣林道から橋を渡った辺りまでデブリだらけ
デブリの山を次々越えて4ノ沢出合
尾根には5ノ沢から取り付く計画だったが
薄暗い中で3尾根を見ると北側(4ノ沢側)に雪庇が出ており
4尾根にも雪庇があるかもと思い、4ノ沢側から取り付くことに変更
4ノ沢を上がり、右俣と左俣の分岐が近づいてきたら
傾斜の緩そうなルンゼが出てきたのでここを登ることにした

4ノ沢出合

右のルンゼを登った

第一岩稜に日が当たった

最初は緩い雪壁。朝日が当たり始めた第一岩稜がきれいに見える
雪が滑り落ちた後にできたU字溝のような跡をたどっていくが
傾斜がきつくなると雪から氷に変化
つま先で登り続けなければならず、ふくらはぎがつりまくった
ブッシュが出てくると傾斜はさらに急になり
シュルンドとブッシュに絡まったハング雪が行く手を阻んだ
木登りと雪かきに終始。ロープを1ピッチ出した
結局、ルンゼに入って4尾根に上がるまでに4時間ぐらいかかった(汗)
雪はおおむね安定していて
4ノ沢左俣Bルンゼ(第一岩稜の右側)から大きな雪崩が1回出ただけで
他は雪崩の音は聞かなかった

尾根上にはGさんたちの足跡がわずかに残っていた
暑さでばてばて。水をたっぷりふくんだ雪を食べてのどの渇きを癒やした
いくつか岩が出てくるがすべて横の雪壁を通ってすり抜けられる
時間があったら岩を登っても面白そう

日差しに真っ赤に日焼けして頂上。あとは下りばかりと思ったら
抜戸岳方面の稜線は雪が緩く、ずぼずぼはまりまくる
なかなか進まないので、脱水症状とシャリばて気味でへろへろになった
抜戸岩を過ぎてまもなくのコル(6ノ沢乗越)は雪庇がなく
急すぎない、いいスロープから続いていたので、そこから降りることにした
トラバース気味に杓子平まで行き、本谷方面へ大きく迂回
雪は柔らかかったが、雪崩の危険性は感じなかった
暗くなるころに新穂高に着いた

2019.04.23

お疲れ様です。吉川Gです。

友人N君と穴毛谷第四尾根に行きました。

20日
3:00新穂高〜5:30第四尾根取付き〜12:00笠ヶ岳山荘
21日
4:30出発〜4:45笠ヶ岳〜6:30クリヤの頭(ヒロサコ尾根東北支稜下降)〜9:30新穂高

新穂に着いたのが1時頃。少しは寝ないとキツイので1時間ほど仮眠して出発。
空には雲一つ無く、月明りでかなり明るい。
左俣林道に入り、ニューホタカの先のヘアピンカーブを過ぎると雪が出てきた。
去年ほぼ同じ時期に第三尾根に行ったNくんによると、去年はニノ沢の出合辺りまで雪は無かったとの事。去年とはかなり状況が違うようだ。

穴毛谷出合を少し過ぎて、林道から左岸に橋を渡ると、橋のたもと寸前までデブリが到達してきていた。

いくつもあるはずの堰堤は一ノ沢出合上部の一個以外は埋まっており、延々とデブリの上を歩いていけた。

四ノ沢出合に着く頃にはすっかり明るくなってきた。

第四尾根は四ノ沢と五ノ沢の間の尾根だが、取り付く場所が事前に調べてもよくわからなかった。
今回は四ノ沢出合を過ぎて、五ノ沢出合に入る前に適当なルンゼを見つけたので、そこから尾根に上がった。ほぼ末端から第四尾根に乗れた事になる。

↑第四尾根取付き

尾根に上がってからは、ひたすら雪の割れた部分を避けながら標高を上げていく。
日がだんだんと高くなってきて、非常に暑く、それに伴い雪の状態も少しづつ悪くなっていった。

尾根上では何度か岩場が進路を阻むが、岩は登らず雪面を巻いて登った。

久しぶりの山登りなので、とにかく辛い。緑の笠を越えて最後の山荘までの登りをこなすと疲労困憊。
笠ヶ岳山荘に着いたのは12時頃だったが、今日はもうここで止めようという事になった。
槍穂高を眺めながら快晴の中ビールを飲んだ。

翌朝は4:30出発。午後には天気が崩れるような予報だったため、暗いうちから出発した。

昨晩から終始風が強く、稜線上もそれなりに強かったが、風は冷たく無かったので辛くはなかった。

笠ヶ岳から少し南下したところで尾根が二手に分かれるので、雪庇が発達していない場所を選んで左の尾根を下る。視界が悪い場合は見逃しそうだ。

そこからは終始尾根の西側をトラバースする。斜面が急なのでなかなか辛い。さらに雪も緩んで歩きづらい。

クリヤの頭からヒロサコ尾根に降りる。途中一箇所懸垂下降した。
雪割れの箇所が多く、神経を使う。
東北支稜は見逃しやすいかと思っていたが、意外にもわかりやすかった。

一ノ沢出合に着いた頃にはまだ9時。大規模なデブリを横断して、左俣林道にたどり着くと、行き道では暗くて気づかなかった大量のふきのとうが春の訪れを告げていた。

2017.04.27

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1皮です

笠ヶ岳の第三尾根に一人で行ってきました

グサグサ雪にシュルンドだらけでちょっと時期的に遅かったようですが

スリリングで楽しかったです

 

【24日】新穂高10:00~12:30四の沢出合~13:30稜線~14:30テン場

【25日】テン場3:45~6:30稜線~11:30新穂高

今年は残雪が多そうだから

穴毛谷はこの時期になっても雪崩が心配かもと思って足を踏み入れたが

デブリで埋め尽くされ、ガシガシに固まって春山状態

谷の側壁も黒々していて

抜戸南尾根に入った何年か前とあまり変わらない感じ

快晴で大汗をかきながら、四の沢出合に難なく着く

ピナクルが正面に見え、また行ってみたいなあと思わせる景色でんな

アイゼンを付け、出合からすぐの急なルンゼを登る

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上部に雪庇が見え、この暑さで崩壊しないように息を切らせて駆け上がる

もうすぐ稜線というところで、1つ目のシュルンドが出てきた

笹をつかんでハング状を越えるとまたシュルンド

落ちると四の沢出合まで行ってしまうので必死

越えてもすぐ次のシュルンド。こうしていくつも越えていった

途中、あまりに暑すぎるので

シュルンド内にしたたり落ちる雪解け水をプラティパスに受けがぶ飲みした

シュルンドは稜線上に多発しており

この時期に登るには、最初のルンゼから早めに右側の斜面を登った方がいいかも

シュルンドが減ったら、今度はグサグサがひどくなり

すねから膝まで埋まる

40~50度ぐらいの急傾斜だから、あまり気持ちの良いものではない

すると、上部の雪稜が見渡せる所に出た

その直前はリッジ

左側が切れ落ち、右側はかなり深くえぐれていそうなシュルンド

このグサグサ雪で行くのは危険性が高いので

翌朝の冷え込みを期待して、ちょっと時間は早いが手前のプラトーでテントを張った

 

 

翌日は2時半起き

雪は程良く硬くなっている

昨日やばそうに見えたリッジを難なく越え

日が出る前にと急斜面を駆け上がる

すると突然、目の前にまん丸い大穴が、、、

誰かが掘った雪洞かと思って右からよけて行くと

すぐ上にもまた大穴

直径4~5mはありそうで、まるでクレーターのよう

これが5つほどあった

もしかしたら、いま踏んでいる雪の下は

雪が溶けて大きな空洞が広がっているのかもと思えてきて

アックスを持つ手に自然に力が入った

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急斜面を越すと、緩い雪稜となり、稜線が見えた

巨大な雪庇が第一岩稜の付け根から二尾根まで続いている

三尾根付近はロール状に垂れ落ちていて登れないので

雪庇の下の急斜面を左にトラバース

雪庇が小さいところを越そうとしたが、アックスが雪庇の上にしっかり刺さらず断念

さらに左に行き、岩が出ているところの雪庇との隙間から行けないか探るが無理そう

結局、二尾根までトラバースして稜線に上がった

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頂上は何度も行っているのでパス

広サコ尾根から東北支稜に下りる予定だったが

降り口と思われるところが雪庇になっていて断念

錫杖を見ながらクリヤ谷を下りた

2017.04.01

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1皮です

 

西村さんと錫杖岳の北沢大滝~直上ルンゼに行ってきました

 

槍見3:15~6:20北沢大滝取り付き~9:10直上ルンゼ取り付き~11:40頂上12:10~14:10槍見

 

北沢大滝はノーロープでサクサクと通過

 

上部まで来るとふくらはぎがパンパンです

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中央稜に上がり、東尾根とぶつかったところからトラバース開始

 

烏帽子岩が目の前に見えます

 

中央稜上部の気持ちの良い場所

中央稜上部の気持ちの良い場所

右に直上ルンゼ、左に正面ルンゼ取り付きが見える

右に直上ルンゼ、左に正面ルンゼ取り付きが見える

 

 

30~40mほど行くと、グラスリンネと思われる右上ルンゼの下に着いた

 

ちょうど上下に数本の木が生えていて、セルフを取るのにうってつけ

 

そのすぐ左に、急なルンゼがあり、「これが直上ルンゼかも」と思った

 

でも急傾斜で、氷も心細いので、偵察を兼ねさらに左へ岩すそをトラバース

 

グラスリンネ(と思われるルンゼ)の下から70m程度で

 

少し幅広のルンゼがあった

 

以前登ったことのある正面ルンゼの手前20mぐらいの所だろう

 

たぶんこれが直上ルンゼだろうと話し合い、登り出す

 

直上ルンゼ1P目

直上ルンゼ1P目

直上ルンゼ2P目

直上ルンゼ2P目

頂上直下に出たら、東尾根方面からトレースが続いていた

頂上直下に出たら、東尾根方面からトレースが続いていた

 

 

1Pは緩い傾斜の雪壁

 

50m弱で、右手の薄い氷に短めのスクリュー2本をねじ込みビレー点を構築

 

日が当たっていてゆるゆるだがしょうがない

 

これでセカンドを向かい入れた

 

この頃になると、時々ドーンと雪崩る音が谷間に響き始めた

 

 

 

ルンゼはここから急傾斜に

 

2Pは、3mぐらいの垂直ベルグラに、3mぐらいの垂直グサグサ雪壁があるが

 

支点は柔らかい氷に突っ込んだ短いスクリュー1本だけ

 

50mいっぱいで、上部の灌木帯へ

 

しびれるピッチでした

 

 

 

3Pは快晴で緩んだ雪壁をだましだまし稜線まで25m

 

巨大なマトリョーシカが2体並んだような頂上のすぐ下についた

 

槍穂の風景をゆっくり楽しみ、北尾根へ

 

コルからの下りは、雪崩の跡があちこちに

 

どのデブリもフカフカで、雪崩ほやほやですわ

 

慎重に、素早く通過した

 

 

2015.05.21

ミヤザキです。

今年は雪解けが例年より1ヶ月くらい早いということで、そろそろ錫杖も登れるだろう…と、イボGと二人で「注文の多い料理店」に行ってきました。

果たして注文は多かったのか、少なかったのか。

2015-05-17 22.49.21

槍見駐車場6:30-9:00北沢取り付き9:30-14:00登攀終了-14:30取り付き15:00-16:30槍見駐車場

 

【注文1】5番のカム

二人ともカムは4番までしか持っていない。

なんとかなるだろうと思っていたが、技術担当から「5番が必要。オレも持ってないけど、6番でも代用できるし、貸すよ」との申し出が。

6番?デカいし、じゃまだなぁと思いつつ せっかくなのでありがたく借りていくことに。

 

【注文2】徒渉

敗退するとしたらここだろう、と思っていたポイントが、クリヤ谷の徒渉。

夏以降なら濡れずに渡れるが、雪解け期の水量はやはり足の踏み場をなくしていた。

徒渉ポイントを探すふりをして、さりげなくイボGに先頭を譲る。

結局いつものところから渡ることになるが、案の定、足を置いた倒木が大きく動いて、激流に転倒するイボG。

早くも濡れてしまったが、「滑って転ぶより、ゆっくりと転ぶほうが安全だよね」とポジティブシンキングを促す。

ミヤザキは片足だけ水流に突っ込んで、転ばずに渡った。

2015-05-17 16.02.12(写真は下山時)

 

【注文3】雪渓

雪渓があることは予想していたが、どれほどあるかはわからない。

錫杖沢出合に着くと、そこから北沢大滝まで長~い雪渓が繋がっていた。

いつもの林の中のコースは荒れてそうなので、雪渓を登ることにする。

しかし、ここで二人の明暗が分かれた。

その原因である雪山装備を比較してみる。

イボG:(熊本の)厳冬期にも対応するハンワグのブーツ、グリベル12本爪アイゼン、ペツルのサミテック

ミヤザキ:夏用のアディダスのトレッキングシューズ、マウンテンダックスの6本爪アイゼン、ミゾーのチコハンマー

2015-05-17 08.08.51

完璧な装備で、上部の急傾斜帯も、前爪を使ってサクサクと安全に登っていくイボG。

一方で、フラットフッティングを駆使し、ときにはステップを作りながら、6本爪軽アイゼンの限界に挑戦することになったミヤザキ。

「ピッケルだけでも交換しましょうか?」というイボGの申し出に「自分の持ってきた装備でなんとかしてこそ登山」と強がってみたものの、結局20分近くイボGを待たせてしまうことになった。

軽量化よりも安全性を重視することで結局は行動時間の短縮になるということが、よーくわかりました。

2015-05-17 08.43.28(取り付きで待ちくたびれるイボG)

 

【注文4】ANP(オール・ナチュラル・プロテクション)

ようやく登攀開始。ここで決めなくてはならないのが、核心の3ピッチ目をどちらがやるか。

最近は一宮の魚なんとかというジムに夫婦で通い詰め、ゴールデンウィークに小川山でもクラックを登ってきているイボG。

一方、クラックどころか外岩どころかジムにもほとんど行けていないミヤザキ。

本チャンで5.9のハング超えのクラックは怖いし 残念だが今回は、やる気満々のイボGにリードを任せよう。

てことで

1ピッチ目、Ⅳ級フェース:イボG

階段状のフェースを見上げ、「これ、Ⅳ級ありますかねー」などと余裕の表情でテイクオフ。

が、岩が外傾していてガバがなく、ちょいちょい濡れているところもあって意外と苦戦。

「あ、残置があった」と躊躇なく残置ハーケンにヌンチャクをかけるイボGに「え?オールナチュプロで行かんの??」とミヤザキ。

「あ、そうですね」とあわててヌンチャクを外すイボG。後に「ナチュプロのナの字は一瞬頭をよぎったんですよ」と言い訳を聞くことに。ほんまか??

 

【注文5】枯れ木テラス

2ピッチ目、5.8:ミヤザキ

大テラスから左に少し下がり、大フレークからワイドクラック。簡単そうだが、せっかく持ってきたので6番のカムをきめておく。

ワイドから体を出すところで露出間もあって思い切りがいるが、技術的には楽勝。

そのまま左上して行くと枯れ木テラスがあるのだが、3ピッチ目の核心クラックは明らかに真上。

どうするかしばし迷った結果、枯れ木テラスまで登ってピッチを切る。

でもこの判断は間違い。枯れ木テラスからでは、クライムダウンとトラバースから3ピッチ目が始まることになり、核心ピッチなのにロープの流れが悪くなってしまいかねない。

てことで、フォローのイボGには枯れ木テラスまで登ってこずに、ワイドが終わったら直上してもらう。するとすぐ上に自然な終了点が。お地蔵テラス?

しかし枯れ木テラスってなんなんだ。紛らわしいもの作らないでほしい。と文句を言う二人。

 

3ピッチ目、5.9:イボG

太陽を浴びて、力強くテイクオフ。多めにカムを決めつつ、天井フィストからスタンスをうまく拾って登っていく。

5番のカムがあれば、ここは使いどころだったと思うが、6番では入らない。

最後はレイバックで狭いテラスに上がると、「いやー、ここはいいピッチでしたねー」とイボGはニヤリ。

フォローで登っても楽しいので、リードならなおさらだろう。(だが、譲ったことに後悔はない)

2015-05-17 11.28.20

 

4ピッチ目、5.8:ミヤザキ

出だしからワイドクラックに入るまでがちょっと悪い。しかも、ここに来て初めてクラックの中が濡れている。

ここも5番のカムが欲しいところだが、6番でもたしかにきまる。

高度感があって、絵になるピッチ。ハングに当たったところでちょっと怖いトラバースがあり、終始気の抜けない内容だった。

2015-05-17 12.49.20

5ピッチ目:5.7?:イボG

フィストとフィンガーのダブルクラックからフェース、草付き、スラブと快適に登って、ほぼ50mいっぱいで左方カンテとの合流点へ。

2015-05-17 13.13.46

 

左方カンテの最終ピッチを登るかどうか話し合ったが、イボGは左方カンテを登ったことのないので残しておくことになった。

クリフバーを食べながら、「これは実は自転車用の行動食として開発されたんですよ」とドヤ顔でうんちくを語るイボG。ほんまか??

そこから懸垂下降3ピッチで、取り付きへ。

雪渓は午後になって雪が緩んだため、わりと良い状態に。

とはいえ「自分の装備でなんちゃら~」という数時間前の台詞は忘れて、プライドなくピッケルとチコハンマーを交換してもらった。

ズリズリ滑ったり、かかとを蹴り込んだりしながら30分で錫杖沢出合まで。

帰りの徒渉はなんなくこなし、趣向を変えて栃尾温泉の露天風呂・荒神の湯(ぬるい)に浸かってまっすぐ帰宅した。

2015.05.18

随分遅くなりましたが、GWにしょうこ姉さんと奥穂南稜に行ってきましたので、報告します。

 

5/2 岳沢まで。

1日目は岳沢までなので、出発も遅かったけど、あかんだな駐車場での準備ものんびり。

駐車場を8:50のバスに乗り、上高地から明日行くトリコニーを眺め、モチベーションを上げていく。

岳沢についてテントを張った後、取り付きの偵察。

偵察中にふと振り返ると、ものすごい人!

まさか明日これだけ、いやこれ以上の人たちが奥穂南陵を登るのかと思うと、ぞっとする。

DSCN0009-1 あんまり印象的だったので、記録しておきました

人気ルートとは聞いていたが、ここまでだとは。

なんとなく面白くなくなってしまい、二人ともちょっとテンション下がり気味。

翌日は3:30に出発することにし、早くに就寝。

 

 

5/3 奥穂南陵~奥明神沢~岳沢

2:30起床3:30出発の予定だったが、3:45になってしまう。

周りもかなり騒がしく、急いで出発。

先行パーティーが1組いるようで、前日に確認した同じラインどりでヘッデンを付けて登っているのが見える。

どうやら私たちは2番手だったよう。

でも、かなり早いペースで登っているようで、2番手ながらルーファイ楽しみながら登っていくことができた。

DSCN0015 すでに後続がわんさか。

 

が、中間部のハイマツ帯で突破口を探しているうちに後続に追いつかれてしまった。

下山後に去年登った友人に聞いたら、去年はハイマツ帯の上にこんもり雪が乗っていたそうだが、今年は全く雪がなかった。

その先の岩稜帯で先行PTが詰まってしまい、そこからは後続がどんどん詰まってきて、もう団子状態。

先行PTの様子を見て、アイゼンでの岩登りに慣れていない私は、ここでロープを要求(>_<)

登ってしまえば、ロープなんてなくてもいいかなーなんて思えるけど、やっぱり初日の1本目は緊張する。

 

ちょびっと雪壁。

DSCN0020

トリコニー1個目は右から。

雪は全くなく、ダブルアックスもアイゼンまでも邪魔になってくる。ロープも要らなかった…。

DSCN0023 私のノミックが泣いている~、というしょうこ姉さん。これは夏の写真ですか??

 

トリコニー2個目基部に着いたのは8時前ぐらい。

先は岩のリッジのトラバースらしく、上部が狭い場所でロープを出しているということで、下で待っていてほしいという先行パーティ。

ようやく3人ぐらいがいられる場所で相当待たされ、もちろん後続も微妙な場所で待っていただきながら、のんびり朝ごはん。

いつもならそろそろ仕事してるね~、なんて、ときおり下界のことを思い出すのも、山にいる気分を盛り上げる。

やっとのことで上が空いたので登ってみると、待たされていたところよりも相当広かった…。

ロープを出している時間がもったいないので、ここはちょびっと頑張りました。ガバでした。

あとは岩峰沿いに雪の斜面あがったが、雪解けが相当進んでいて、岩のそばは穴だらけのグサグサ雪。

DSCN0030

やっぱりダブルアックスなんていらない!

 

さて、あとは雪稜。

ここで、ようやく先行パーティーを追い抜き、再び2番手に。朝1番のパーティーはもう吊尾根にいるようでした。

DSCN0031 こんな感じ。

IMG_4071 なんと酒井さんが私たちを撮ってくれていました!

 

そして、南陵の頭に到着。

今年は雪解けが早いせいで、残雪というよりは、岩のピッチ、雪のピッチがしっかりと分かれていて、なんとなく腑に落ちないモヤモヤ感が漂ってはいましたが、とりあえずは登攀終了。

荷物をデポして奥穂ピストン。

ここは東京かはたまた観光地か!というぐらい、人で溢れていて、山の気分が吹っ飛んでしまい、なんだか疲れてしまった。

 

さてさて、帰り道。

計画書では奥明神沢でしたが、あわよくば前穂高沢を下りられないかと思っていたのだけれど。

下降時に間違えやすいという前穂高沢の同定はできたけど、まだまだ雪に不慣れな私はどうにも安全に素早く下りる自信がなく、奥明神沢まで行くことに。

途中でなんとかトラバースができるんじゃないか、とか夏道の重太郎新道が通れるのじゃないか、とか色々寄り道をしたが、結局は紀美子平から前穂高岳にあがっていき、奥明神沢に合流。

ここまできたらもうついでに前穂高岳のピークを踏んで(徒歩2分ぐらい?)、奥明神沢で下山。

なんて、あっさりしているようですが、この奥穂から奥明神沢までの私はもう最悪で、悪態はつくわ、雪を食べるわ、非常食に手を付けるわで、ちょっと反省。

しょうこ姉さん、ゴメンね(:_;)

奥穂南陵は登るより下降が肝だ、ということがよくわかりました。

 

森さん・酒井さんパーティーや別の山岳会の友人とも合流し、森さんの仕込んできた料理とお二人が担いできたお酒のおもてなしを受け、久々の山飲み。

まだまだ下界のみの回数には及びませんね…。

 

5/4

あとは上高地まで下りるだけ。

上高地に着く頃には雨。

 

私は去年のGWに奥明神沢に行こうと計画していたのに、天候のせいで岳沢宴会だけだったので、今年はしっかりと去年の分も登ることができ、残雪期(?)アルパインもでき、満足のいくGWでした。

もっと上手に時間を使って、素早く行動することも可能なのだろうけど、まずはこうやって余裕を持った中で、しっかりと色々学んでいきたいです。

 

 

 

 

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