ミヤザキです。
12月9日、シーズン初アイスをやりに、ケンジさんとサンサホウ?サンジャホウ?…とにかく三叉峰ルンゼに行ってきました。
美濃戸7:20-8:40赤岳鉱泉9:00-F1取り付き10:00-15:00石尊稜上部-16:30石尊稜取り付き-赤岳鉱泉17:00-18:30美濃戸
アプローチは北沢から。暖冬の今年は全然雪がなく、アイスキャンディーもご覧の通り。山も黒々。
それでも赤岳鉱泉から上は雪道になり、石尊稜に入る分かれ道もピンクテープがあってわかりやすい。
北沢を詰めて右岸から合流する2本目の沢を入る…と間違えるという事前情報から支沢に入らず、石尊稜下部岩壁に向かって登ってから木が密集したところを過ぎてもろい岩場をトラバース&クライムダウン。
結局普通に2本目の沢を詰めてきたであろうトレースと合流した。
で、すぐにF1。低いのでフリーで。
で、すぐに核心のF2が見えた。
トポでは12mとなっているが、下部のバーチカルなところは7、8mくらい。
シーズン初アイスの最初のリードのピッチとしては、けっこう辛いなーと思いながら、ピックを新品に交換したクオークの感触を確かめる。
なんとかアックステンション休憩1回で落ちずに抜ける。
しかし、アイス3回目のケンジさんは大苦戦。なかなか上がってこない。
終始テンションかかりながら1時間くらいかけて上がってきたところで、名言が出た。
「ワタシ、山を始めて初めて『無理かも』と思いました」
たしかに、初アルパインの御在所前尾根のF2ダルマ(通称)もそうだったし、中尾根も左方カンテもチンネ左稜線も、涼しい顔して登っていたというケンジさん。
初めてのしんどい楽しい思いを味わってもらえて、誘った甲斐がありました。
しかし核心F2はまだ終わらなかった。
カラビナとスリングの回収に失敗して落としてしまったという。
「ワタシが行きます」と、ケンジさんがザックを置いて空身でロワーダウン。無事回収し、今度は滝の右岸の岩壁からトラバースして滝の中間に取り付くという。
しかしこれもうまくいかなかったようで(ビレイ点からは見えない)、テンションがかかる。
だったら滝の落ち口にランナーを一本残しておくべきだった。大事には至らなかったけど、これはアドバイスできなかったこちらのミス。
「氷を登りマース」という声が下から聞こえ、ほとんど引っ張り上げるような感じでようやく戻ってきた。
ここで2時間半近く費やしてしまったが、ケンジさんには良い練習になったようだ。その後はコツをつかんだのかサクサク登っていた。
F2から上は、凍ったナメの回廊から3~5mくらいの小滝の連続で、つるべで登ったのでケンジさんにもリードをしてもらう。
二俣を右に入って滝を一つ越え、さらにミックスクライミングでかぶったチョックストーンの脇を抜けたところで、横岳の稜線が見えるポイントに出た。
右には石尊稜へと上がるトレースがついているので、ここで三叉峰ルンゼのアイスは終了だろう。
石尊稜へと上がると、上部岩壁まであと100mといったところ。時間は15時くらい。上部岩壁抜ける時間はないなーと、計画変更して石尊稜を下ることに。
草付き雪壁のクライムダウンはなかなか難しかったが、木もたくさん生えているのでつかまりながら降りる。
下部岩壁を見下ろせる地点から懸垂下降25m×4回で石尊稜取り付きに。木が多くて結び目が引っかかりそうだったので、ロープ1本できざんだ。
赤岳鉱泉から先はヘッデン下山になったが、ヘッデンを忘れたケンジさんはスマホのライトで下山。かなり明るかった。
さらにミヤザキは持病の左膝痛が再発してしまい、美濃戸までの道のりがはてしなく長かった。翌日には人生で初めてMRIを撮った。
ともあれ、直後に暖気が入って裏同心ルンゼもかなり溶けたというから、三叉峰ルンゼを快適に登れるタイミングとしてはベストだったようだ。
時期は限られるが、かなり楽しいルートなのは間違いない。激オススメ。