岩佐です。
冬山トレーニングで鹿島槍ヶ岳に行きましたが、22日夜の地震のため敗退しました。
メンバー: 鵜飼、斉藤、位田、上手、岩佐
22日:大谷原4:55 ~ 5:55 西俣出合 ~ 8:45高千穂平 ~ 13:20 冷池山荘上(2440m地点)幕営△
23日:△6:10 ~ 10:20 大谷原
22日の午前1時に土岐インター駐車場に集合し、上手号に乗り込み出発。夜中に出発するとどうしてもテンションが下がり気味になるが、今回は5人という大人数なので気持ちも明るい。大谷原の駐車場で準備をして、いつものようにヘッデンを点けて真っ暗な中を歩き始める。
暫く林道を歩くと雪が出てきた。この時期に北アルプスに来たことがないため、雪の量が平年並みなのかどうかは不明。西俣出合の積雪は15㎝~20㎝ほどか。ここから高千穂平までの登りは結構な急登と覚悟していたが、つづら折れの夏道を歩くので思っていたよりも楽だ。高度を上げるに従い雪も増えてきたが、西村さんパーティーのトレースもあって歩きやすい。
ほぼ夏のコースタイムで高千穂平に到着すると、大学生パーティーのテントが3張あった。ここから眺める鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳は素晴らしい。
名前は爺でも、とってもかっこいい!
もっと尖っているのかと思っていた、双耳峰の鹿島槍。
休憩後、本日の目的地冷池山荘を目指す。今回は雪山経験があまりないメンバーもいるため、高千穂平から先の痩せ尾根や、稜線までの最後のトラバースのことを少し心配していたが、問題なく通過。山荘まで雪は膝下くらいであったが、先行パーティーのトレースのお蔭で思っていたよりも早い時間に冷池山荘に到着することができた。
このまま空身で南峰まで登ってしまうという選択もあったが、メンバーの体調も考え無理をせず本日の行動終了。早速テンバを探す。稜線上で風が強いこともあり、風を避けられる山荘の傍にテントを張るつもりで整地を始めたが、上まで様子を見に行ってくれた鵜飼さんから、鹿島槍、爺、剱の展望が楽しめる素晴らしい場所があると言われてそこに移動することに。着いてみたら、吹きさらしの場所ではあるが、確かに眺めが素晴らしい! こんな景色を見ながら持ってきたウイスキーを飲んだら、最高に美味しいだろう!ということで、ここをテンバとする。
剱まで見渡せる最高のロケーションのテン場。
テントを設営していると、山頂を踏んだ大学生パーティー、その後しばらくして西村さんと1皮さんが下山してきた。話を聞くと高千穂平までは大学生パーティーのトレースがあったが、その後は二人で山頂までずっとラッセルだったとのこと。お疲れ様でした。お陰で明日は楽に頂に行けそうだ。
西村・1皮両氏を見送ると、風よけのためにみんなでせっせとテントの横に雪の塀を作り、快適なテンバが完成した。日没直前には、お酒を持ってテントの外に出て撮影会。赤く染まった空と山々が美しい。
ふと気づいた時には、夕日は稜線の向こう側でしたが、なんとか間に合いました。
おいしい夕食を頂いたら就寝タイム。お酒も手伝って気持ちよく眠りにつくと、10時頃大きな揺れで起こされた。地震だ。ただ、テントを張った場所は雪崩や落石が起きるような場所ではないため、ひとまず安心。(しかしこの時、代表に一旦連絡を入れるべきでした。申し訳ありません。)
23日は、元々山頂に向けて5時半に出発する予定であったために3時半起床。念のため携帯の電源を入れると、西村さんからのメールが入っていた。状況次第ではそのまま気を付けて下山して下さいとのこと。昨晩、地震の後に雪崩の音などは聞こえなかったが、雪面に亀裂が入っていたり雪が不安定になっている可能性が高い。ただ真っ暗なので状況が全く分からない。鹿島槍山頂までは行けるかもしれないが、下山時稜線から赤岩尾根に乗るまでの斜面のコンディションが心配だ。気温が上がる前の雪が締まっているうちに安全なところまで降りたほうが良いと考え、登頂は断念しそのまま下山することにした。
状況が確認できるように少し明るくなり始めた6時過ぎに下山を開始。尾根に乗る雪面に亀裂は確認できず、周囲で雪崩が発生した所もないため、慌てず、しかし急いで通過した。
稜線から赤岩尾根へのトラバース。
所々こんな亀裂が…。
我々以外に、前日爺ヶ岳南尾根から登ってきて冷池山荘で幕営していたパーティーも、やはり鹿島槍登頂を諦めて我々の後から下ってきている。痩せ尾根に乗ると雪面にはいくつか亀裂が入っていたが、通過するのに問題はなく、高千穂平に到着した時にはほっとした。
西俣出合から大谷原駐車場までの林道には落石が多くあり、中にはテレビ台のものもあって昨晩の地震の規模が想像できた。こんな中を単独の登山者が2名登って行ったのには呆れた。何事もなければ良いが。
帰途、車中のテレビで今回の地震の被害の大きさを知り驚きました。代表をはじめ、緊急連絡先の欣哉さんや会の皆さんが心配されるのも当然だと、連絡を取るのが遅れてしまったことについて猛省した次第です。皆様、ご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。