位田です。
いつもならフリークライミングに行っているであろうこの微妙な季節ですが、貴重な土日の連休を近場フリーに充てるのはどうしても勿体ないと思ってしまい、今後の夏山シーズンに向けての体力づくりと称して北穂高沢へ行ってきました。
3年前に一度行ったことはあるものの、今回は単独だったので、不安と緊張の2日間でしたが、幸い天候には恵まれて、無事に山行を終えることができました。
1日目
上高地7:00→涸沢14:00
梅雨の合間でもあり、6月という微妙な時期でもあり、上高地はガラガラでした。
天気は思っていたほどよくはなく、晴れ~曇り、風が思いのほか強かったのですが、天気図では翌日はもう少し風がましになるはずだと思い、まずは涸沢までは行ってみよう、と歩き始めました。
本谷橋を過ぎてもところどころ雪が残っていたものの、しっかり夏道がでており、ようやく2000m付近で涸沢まで続く残雪の道になりました。
涸沢といえば、ひしめき合うテントの光景しか見たことがなかったのですが、この日は11張しかなく、とても空いていました。
夜には風も止み、翌日の好天を期待しながら眠りにつきました。
2日目
涸沢6:00→北穂高岳9:00→涸沢12:30→上高地16:30
0時を過ぎたころ、体を押さえつける何かに気づいて目を覚ますと、強風で体にテントが押し付けられていたようです。
そこからは風の音が気になって、うつらうつらしかできず、日の出を迎えました。
モルゲンロートに染まる涸沢はとても綺麗でしたが、この時間になっても風は弱まらず、下山しようと諦めながら荷物をまとめていましたが、5:30頃になって、ずいぶんと風が弱まってきました。
「この天気で登れないようならこれから先きっと私はどこも登れないだろう」、と弱気な自分を奮い立たせ、本来は4:00出発の予定を2時間繰り下げ、6:00に北穂高沢へ向かうことにしました。
初めのうちは、まだ雪が締まっており、アイゼンもよく効いていたのですが、日当たりがよいせいか、8:00を過ぎるぐらいからどんどんグサグサになってきて、登るのが辛かったです。
無事に北穂高岳北峰に到着、頂上はもう雪が残っていませんでした。
しばし休憩したあと、涸沢までの下山を開始しました。
雪の状態はグサグサだったので滑ってもすぐに止まるのですが、登りの時に滑落する人を目撃してしまったせいで、怖々でしたが、「チキッたらあかん!」と数回叫び、またまた自分を奮い立たせました。
初めのうちは歩行訓練だ!と思いながら歩いていましたが、最後には時間に追われてしまい、結局シリセードも交えながら涸沢まで下りてきてしまいました。
下山の途中大きく右に曲がって涸沢が見えるあたりで、一瞬ガレ場を通過した時に方向を間違ってしまい、気づくと大滝が右前方に見えてきたため、登り返してゴルジュに戻る、というアクシデントはありましたが、なんとか涸沢に下りてこられました。
ここでアイゼンを外し、急いでテントを撤収し、上高地までの下山開始です。
本谷橋でのんびり休憩していたときに時間を勘違いしていたことに気が付き、そこからは帰りの終バスに間に合わせるために必死でした。
無事に終バスにも間に合い、山行終了となりました。
夏山に向けての体力づくりとは言ったものの、目一杯時間を使ってしまいました。
入会して初の山行が、残雪期の単独でご心配をおかけしました。
体力も技術も知識もまだまだ全然ですが、晴れ力だけは持っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
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