早戸です。
漸く明神から脱出し、有明山へ行ってきました。
当初は深沢右又正面壁を登る予定でしたがゲート前の雪の少なさ、水量の多さからアプローチが予想より大変だろうということで黒川沢から入り白河沢を登ったあと、有明山南岳山頂から深沢右又へ落ちている急峻なルンゼを下ってみるという計画に変更しました。
4時にゲートを出発。雪は少ない。(写真は前日のもの)
黒川沢の表参道をしばらく歩く。雪も少なく古いトレースもあり快調。
しばらくすると左手に妙見滝が見えた。多少薄いようだが登れそうなほど氷結していた。
そこからさらに沢沿いを歩くとすぐに白河沢F1が見えた。地図表記の白河滝だ。氷結も良さそう。
準備をし、クライミングを始める。
今シーズン初アイスで非常に緊張したがジャンケンで勝ってしまったので私がリードで。
左の弱点から登ろうとする私にパートナーから突っ込みが入り、渋々正面のバーチカル部分に取りつく。
バーチカルと言ってもたかだか5メートルくらいのモノだが如何せんアイスクライミングが大の苦手である私はスクリュー打ちまくりパンプしまくりでバーチカル部分をなんとかテンション掛けずに抜けた。
そこから多少傾斜が緩くなり30メートルほどロープを伸ばしブッシュでビレイ。
一旦ロープをしまい少し歩くと直ぐにF2が現れた。
パートナーがリードで40メートルほど。パートナーもアイスクライミングが苦手らしいが私よりは大分マシだ。短いバーチカル部分もササッと抜けていった。
またロープを片付けしばらく沢を詰めるが予報に反して天気が悪い。普通に降雪があり視界も悪いのであまり沢中を歩いていて気分がいいものではないがもう少し様子を見ながら進むことに。
続いてF3は登山大系で200メートルの滑滝となっている場所だか傾斜も緩いのでロープレスで上がる。
続くF4,5もほぼ雪壁のためロープレス。
F6,7はもう完全に埋まっており、このあたりから左の尾根に上がる。
このあたりから急に積雪量が増えたのでワカンに履き替えるが堪えるぐずついた雪質のラッセル。
もう少しで山頂かと思っているあたりで大量の雪がのし掛かった樹木が倒れかかり行く手を阻むようになった。部分的にキノコ登攀のような形になり奮闘的。
左からくる支尾根に合流し、その後なんとか中岳と南岳の間に抜けた。この時点で時間もかなり押していたので予定のルンゼ下降は取り止め、黒川沢の登山道に降りることにする。
この頃になると天気も回復し最高の景色のなか中岳、北岳と縦走。西には蝶ヶ岳、常念岳、燕岳などの稜線がハッキリと見え、東側は安曇野の街が近い。
北岳頂上の鳥居はかなりの部分が埋まっており、積雪の多さをうかがい知ることができる。
さて、下山路はと。看板に従い下山開始。しばらく下ったところでどうも地形がおかしい。看板を良く見ると中房とある。これはいかん、と北岳山頂まで登り返す。危ない危ない。
山頂に戻り正しい登山道を探すが夥しい積雪のせいか全く見つからない。方角をある程度見定め、少し強引に下降する。しばらく下ったところで赤布を発見したのでホッと一息。そのまま尾根を下ってみるが急峻過ぎる。改めてGPSで現在地を確認すると正しい尾根ではない。そこから正しい尾根に乗るためトラバースするが細かい沢や尾根が多く中々登山道のある尾根に乗れない。仕方なく支尾根を登り返すとなんとか登山道のある尾根に乗ることができた。赤布も発見。
これで一安心かと思いきや、この登山道は急峻な尾根に結構無理矢理作ったもので梯子や鎖が多くその殆どが雪に埋もれているため、ルートファインディングの必要があり下るのが困難。
しばらく下るも黒川沢のコルの場所が判然とせず再度現在地を確認、このまま下れば白河滝脇のルンゼに出られると踏み、アイゼンに履き替え念のためハーネスも装着して沢筋を下る。
目論見通り白河滝F1の脇まで歩いて下ることが出来て自分たちのトレースに合流でき一安心。
久々の長時間行動で私完全にバテましてフラフラと登山口まで歩きました。20時30分行動終了。
帰りの高速もフラフラ、仮眠を取りながら帰ったら1時を回っておりました。