鵜飼です。 東海山岳会の友人、岩狭さんとヨセミテはエル・キャピタン、The Noseを登ってきました。
ルート内容のみならず入国からまるっと行きたいと思います。非常に長くなるかと思います。
4月27日~28日
羽田発の深夜便でサンフランシスコへ。現地27日の夕方に到着。
イミグレを通過し、荷物を受け取り、空港内の無料モノレールにのってレンタカー屋へ
事前にHISでコンパクトカーを予約していて、予約票を見せるも
「そんな荷物載るわけが無いでしょ」って鼻で笑われて
カーナビが要るだの要らんだのヨセミテ行くなら4駆じゃないとだめでしょ?とか
モリモリに盛られて1000ドルとか見積もり出される、、
カーナビも要らん!4駆も要らん!と言い張ってなんとか750ドルまで下げる。当初のおよそ倍である。
結局借りた車はJeepのCompass。確かに荷物はこれでギリギリ感があったのでまぁいいか、、、
ヨセミテへは朝着いてキャンプ4に並べば十分なので
サンフランシスコ市内の「REI」というアウトドアショップに行き、ガスやら行動食やらを仕入れる。駐車場はあるので安心だ
更に適当なマーケットへ行って、水とドライブのお供を買う。 どうでもいいけどクリフバーはどこにでも売っている
正直これらはビレッジ内で買っても大差無い金額だったと思われる。
意外と普通サイズのマックで腹ごしらえをしてマーセド経由でバレーへ向かう。
アメリカのガソリンスタンドは基本先払い、クレジットカードを入れてみるも、日本のカードなせいか給油出来ない
キャッシュを20ドル入れて給油したら、お釣りもレシートも出てこない。すごいテンパるが渋々、店員に言ったら普通にお釣りくれた。
要するに有人のスタンドでしか入れれない、先に入れたい分の金額を店員に直接カードかキャッシュで払って、余ったらお釣りをもらうという感じらしい。
マーセドから140号をひた走り、マリポーサの街に深夜到着、レストエリアがあったので仮眠することに。
途中、給油したスタンドには踊り狂ってるババアとか居たし、ココにもヤンキーみたいのがいるもんで、どうにも落ち着かない。
4時過ぎくらいに目覚め、バレーへ向かう。流石にゲートにレンジャーは居ないので素通り。
6時半にキャンプ4の受付に並ぶ。5,6人既に並んで居たけど、平日ということもあってキャンプは空いてそう
我々のすぐ後ろに並んだ人が日本人で、福島から来たというKさん、ヨセミテ3回目だそうで色々教えてもらう。
電車とバスでヨセミテまで来たらしい、凄い。
レンジャーが来た8時過ぎには20人くらいの列になっていた。
キャンプで一気に取れるパーミッションは7泊8日分までで、6日まで滞在したいんだけど?と聞いたら
5日にもう一度支払いに来たらOKとのこと、結局は5日ではなく3日後くらいに1日増やしてくれっと言って支払った。
サイト3を割り当てられ、Kさんも合わせて同じサイトにしてくれた。後にMさんらも来て3,4あたりは日本人街になった。
キャンプ場ルールは、10時以降大人しくしろ、焚き火はPM5時~10時、薪はビレッジで買え、その辺のもの燃やすな。食料とか匂いのするもんは全部ベアコンテナに入れろといった感じ
ささっとテントを設営し、荷物をとりあえず片っ端からベアコンテナに叩きこみ
朝飯、下見、買い出しに行く。
カリービレッジ改め、ハーフドームビレッジで朝食。高い。
マウンテンショップでカムフックとか買う。なんとなくペッカーも買った。
そしてEl capitan下見。取り付きは全く迷わない。目の前のパーキングに停めて徒歩10分も無い快適アプローチ
下から見上げた感想は「デカイ、デカイけどやれるわこいつー」が共通感想であった。
4p目にあたるシックルレッジからのラッペル位置も確認し、問題の下降路の下見。
結果よくわからない、El capitanピクニックエリアに降りてくるはずだけど、踏み跡が多すぎてわけが分からい。
下から見上げても木が多くて見えない、雨がぱらついて来たので引き上げる。
どうせ下から下降路を見ても分からないだろうってことでまぁいいや。
ビジターセンターで天気を確認する。
キャンプ4の受付に張り出してある天気予報、ネットで調べる天気予報、ビジターセンターの天気予報。
全部違う、さっぱりアテにならない、、、とりあえず明日は天気良さそう、明後日は曖昧 くらいのもので、、
とりあえず、明日はシックルレッジまでフィックスを張ることは出来そうだ。それに決定。
キャンプに戻って登攀の準備をすることに、
これ見よがしにテーブルにギアを並べると隣の陽気な外人に絡まれて乾杯する。
登攀具としては
TCUカムを含むカム #3までを3セット、#4を2、#5を1。 ナッツ オフセットナッツを含めて3セット
クイックドローx8、アルパインヌンチャクx6? 、空きのビナ10枚くらい 、環付きビナ12枚?
あとはアッセンダー等の個人装備。
ロープは60mシングル2本(1本予備)、荷揚げスタティックロープ60m1本、フィックス用のシングル50m1本
水は1人1日3リットルx4日分 水4ガロンとゲータレード6本ほど 水分だけで大体24kg
75㍑のホールバッグは到底入りきらないのではみ出た分はサブザックに入れる。
ギア類はまとめて車の中へ叩き込み
ピザを食べにハーフドームビレッジへ 美味い!
29日
ゆっくり目覚める。4pシックルレッジまでの荷揚げとフィックス張りなのでマッタリとスタート
フリーフードを貰ったというKさんに朝飯を貰い喰い。
8時頃に取り付きへ、既に2,3パーティ登っているようである、、
アプローチは4級。空身なら余裕で登り降りできるものの、流石にホールバッグ背負って登るのは無理ってことで
0p目が生まれてしまった。
1p目のビレイステーションは先行PTが使っていたので脇のクラックで適当に作る。
登りは兎も角、荷揚げが死ぬほどしんどい。押してくれないと無理。
先行PTが行くのを結構、待つ
(以降 緑文字は岩狭さんのメモ)
改めて1p 鵜飼
テンション上がりすぎてとりあえずバックロープを忘れる
出だしからフリーで頑張ろうとするもツルツルとした岩質に恐れをなし早々にエイドに切り替える
ピトンスカーがどんなものかよく分かってなかったが、4枚刃のカムがイマイチ入らず
3枚刃である、TCUカムがいい感じに入ってくれる。オフセットカムも有効だろう。
そしてピトンスカーくらいしか主だったホールドがないので、傾斜緩いのに中々フリーはしんどそうであった。
2p 岩狭
細めのピトンスカーが連続。マスター#00~#3(キャメ#0.5)くらい。ハンガーボルトから3mほどのテンショントラバース。トラバース後もマスター#1~#3サイズ。最後はスラブを2mフリー。
練習で登ってるとかいう先行PTが遅すぎて1時間以上待たされる。
風が強くて陽向でも寒い。次で抜いてくれって言われた。当然である、、
テンショントラバース1回
3p 鵜飼
相変わらずピトンスカーしかない、
上部はボルトラダーだけど、抜けが急にフリームーブになる。2手くらいだけどあぶみを外す手間があって悪い。アプローチシューズだったので尚更悪い。
外人はあぶみを残置して抜けてきやがった、目からウロコ
4p 岩狭
出だしのフリーがちょっと悪い。5mほど登ってと残置カム、スリング、ボルトでエイド。
最上部のボルトから3mほどテンショントラバース。小さいスタンスに立ってボルトから伸びるスリングに手を伸ばす。
ピトンスカーもあるがカムはどれもしっかり決まらない。ボルトからもう一度テンショントラバースするかアブミを掛けて直接フレークに。
シックルレッジまでは斜めのレッジをフリー。ロープがフレークに食われないようにさばかないと流れなくなる。
シックルレッジには既に1つホールバッグがある。下へのフィックスも1つ
(後に分かるが、このもう1つのフィックスは日本人PTのものだった)
1段下に置いていくことに、ビニール袋忘れたのでツェルトかぶせておく。
待ち時間が長すぎてなんやかんやで5時を回ってしまった一日仕事だ、、、
風が強くてくたびれた。
シックルレッジから全てのロープを使ってフィックスしながら4回懸垂で取り付きへ。
晩飯のピザには間に合った。
Wi-fiで天気を確認するが、どうもよろしくない
明日良いがは、明後日はどうも軽く振りそうである、それ以降の天気も曖昧である、、、悩む
そもそも昨日も今日も降る予報はあったが全く降らなかったので、なにも信用できない
夏用のしょぼいカッパしか持ってなかったのでマウンテンショップでパタゴニアのシェルを買った
30日
4時起床、雨は降っていない。
昨夜はゴーアップの決断が結局出来なかった。
結局コイントスで決める。 結果、今日のゴーアップは中止
しかし30分ほどモヤモヤして居てもたってもいられなくなり、結局出撃することに
明日は降るだろうが、1日凌げばなんとかなる。遅れればどんどん成功率が下がる という判断で?
くそまずい日清の袋麺を食べる。ビーフ味ってなんだよ、、
5時半過ぎ、フィックスを登り始める。
一番下の50mロープは落として放置
5p 鵜飼
4級、適当な所でカムでビレイを取る
6p 岩狭
シックルレッジの先っぽまで
5~6p シックルレッジからⅣ級のフリー。傾斜が立ってきて5.8くらいのフリー。ハング下でカンテを右にフリーで越える。カンテからはキャメ#0.75~#1サイズのクラック。5.9らしいが見た目より悪い。
エイドで越える。5mほどでビレイ点
7p 鵜飼
少し登ればハンガーと残地もあったが、ビレイ点から振り子を試みることに
助走が付けれないので苦労する、そしてスリップして吹っ飛ぶ。頭からドーンといくけど打撲だけで済んだ。爆笑してしまった
振り子の後はイージー。 トポ通りにドルトホール脇のビレイ点を探すが
ハンガー1つと残置のリンクカムしかない、ちょっとおっかないけどこれで切る。
8p 岩狭
ドルトホール。チムニー登りで越える。穴の終わりでエイドに切り替えキャメ#0.75と#3サイズのダブルクラックどちらでも好きなほうを。#0.75は途中でなくなる#3は徐々に広がって#5サイズまで。最後はボルトラダー。ボルト間隔は遠い。ワイヤーが半分切れたナッツの残置があるが使わないと届かない。
ドルトホールの終わりあたりまで下りてテンショントラバース。振り子中にカンテを越える必要がある。失敗したら激突。トラバース先はストーブレッグクラック。ハンドサイズのクラック5.8だが、落ちられないのでキャメ#2二つをインクノットで固定してカムユマール。ビレイヤーの真横くらいにビレイ点あり。
ドルトホールを抜けボルトラダー、そこから更に振り子でストーブレッグクラックに移るが振り子の支点で1度切ってしまう
一旦クリーニングして再出発、ストーブレッグに移る。トポ上にはビレイ点があるはずの所に見当たらない
結局、9p目にあたるのビレイ点にたどり着く。
9p 鵜飼
トポにはフィストと書いてあるが外人はボクシンググローブでもしてんのかな
ひたすら3番サイズが続くカムユマールで精神がすり減る
プレートあぶみがクラックに入り込んでマジでうざい
途中で切るのを見ていなかったので、ドルトタワーのすぐ下のボルトで切る
10p 岩狭
#3,4,5でドドント登って ドルトタワー
ここまでで18時、日没は20時くらいなので、エルキャプタワーまではまぁなんとか行けるが
今日も今日とて、風が強い。ロープを放ると真横に飛ばされるレベルで
こんな風に雨が来たらたまったもんじゃない、、懸垂の都合で撤退するならここが潮時
時間も差し迫るが、悩みに悩んで、水を4ガロンここにデポしてリトライすることに
タワーには結構デポらしき水が一杯あったのでそれに習うことに
懸垂し始めると風はピタリと収まった。腹が立つ。
落とした50mロープは綺麗に束ねて木にぶら下げてあった。ありがたい。
ピザには間に合わなかったのでパンか何か食べて寝た。