愛知県名古屋市の山岳会・千種アルパインクラブではアルパインクライミングを中心とした様々な山岳活動を行っています

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2018.08.31

吉川Kです。
お盆は剱に定着しました。

人生初の剱、人生初の5泊で、山行前からワクワクする気持ちと同時にいろいろ不安も抱えながらの出発となりました。

10日(1日目)
前夜、友人のO氏と立山駅へ。この日に宿泊の研修を終えた私は、相棒に運転を任せ、助手席で休ませてもらう。
7:00ごろに立山駅を発ち室堂へ。剱マスターのO氏が、ケーブルカーの中で、小窓、三の窓の雪渓が氷河認定された経緯や、立山界隈の砂防工事の話、地理的な話などをしてくれた。今回の初剱は毎年剱を攀じている彼と同じということでかなり心強いものがあった。

高度順化がてら室堂で旧会員のS井さんを待ち、8:40ごろ合流し、歩き出す。
室堂は、GWの時期に観光で雪の大谷をみに来たくらいだったので、ほぼ初めて。雷鳥沢キャンプ場まで歩いたところですでに、慣れない重荷が負担となってきて先が思いやられた。
O氏は大量のアルコールとカセットコンロというグッズの入った僕の1.5倍くらいの重さのありそうなザックを背負いながらもほぼ変わらないペースでついてくる。さすが元山岳部は馬力が違う、、、。
剱御前小屋手前で話し合い、今後の日程を鑑みると、前半のベースは熊の岩ではなく剱沢の法が合理的ではないだろうかということになり、この日は剱沢までとした。
入山を祝し、S井さんが用意してくれた肉を囲み乾杯。憧れだった剱岳を前に酒が進んだ。夜は雨で時折テントを強くたたいた。

11日(2日目)
朝からすっきりしない天気だったが、予定通り、八ッ峰上半を目指し、剱沢を下降。
長次郎谷へ取りついたところで雨脚が強くなりレインを着る。熊の岩でも回復傾向がみられなかったので、八ッ峰をあきらめ、そのまま長次郎谷右俣をつめ、稜線へ抜けることに。
(記録に残る上での)初登ルートで自分も初めての剱の山頂に立てるのなら感慨深く、八ッ峰に行けなくてもいいかと思っていたが、あとから調べ、さらに「剱岳点の記」をみたら、どうやら陸軍測量部とともに登った宇治長次郎らは右俣ではなく、左俣だったようだ。
なお、今年の左俣は状態が悪く、通行は困難とのこと。

右俣も雪渓が途切れた個所はあるものの、シュルンドの中を抜けていけば問題はなかった。
シュルンドの中は冒険感があった。
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稜線へ抜けると予報通り雨が上がり、眼下に雲海が広がった。
ここでS井さんお得意のドローン登場!!なんとまた新しいマシーンを購入したとのことで今回も迫力満点の動画を撮ってくれた。
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晴れた稜線を歩き、初剱登頂!!別山尾根経由で剱沢へ向かい、ビールで燃料チャージ。

12日(3日目)
この日は午後から荒れるとの予報だったので大盛況の剱沢は2時頃からにぎわっており、2時半ころテントを出るとすでに別山尾根には無数のヘッデンの明かりが揺れていた。

我々も別山尾根の行列に交じり、平蔵のコルまでせっせと歩く。おそらくそこまでに70人くらい抜かした。
この日は本峰南壁A2稜登攀。
別山尾根からまるみえのルートなのでクライミングをしていればそこまでに抜かしてきた70人余の皆さんの注目の的のはずだったが、あいにくガスっており、高度感もなかった。

3ピッチすべて私リード。剱の初登攀で若干の緊張はあったが、難しくないクライミングなのでわりと余裕をもって楽しめた。
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最後はコンテで山頂へ。
頂上には小3の女の子が我々のカムやらガチャ類を興味深そうに見ていたので、O氏が使い方を教えていた。
夏休みの思い出作文に書くんだよと言っておいた。

下山は、カニ横付近で大渋滞。辟易としたがまあ仕方がない。前日にスタートしたTJARの選手もきちんと渋滞に並んで順番を待っていた。

S井さんはこの日に下山。
自分とO氏も、その後の日程の天気が芳しくないので翌日下山しようかと話しをしていたが、
剱で一皮むけるために来たのだ。行動不能の天気でないならレイン行動もいとわない覚悟をそろそろもたないと自分も強くなれないと自分に言い聞かせ予定通り行動することにして雨の中眠りについた。

13日(4日目)
起きた瞬間から雨で、すでにきのうの決断を後悔し始める弱い自分が心の中に。リトル吉川は完全に歩きたくないと言っている。
というのもこの日は、剱沢から真砂沢まで降り、池の平山を越え、三の窓まで至るルートを、全装備で歩くというもの。
山岳部出身のO氏はもちろん、このブログをお読みになる屈強なヤマヤの皆さんにはどってことないことでしょうが、とにかく歩荷の弱い吉川は、それに加え雨天という状況に不快感しか感じておりませんでした。。。
それでもO氏の力強い鼓舞によりテントを出て、覚悟をきめザックを背負う。

近藤岩までは下り、水平移動なのでザックの重みも耐えられたが、登りに差し掛かるとズシっと肩にくる。おまけにそのタイミングで雨が強くなる。
案の定ヘタレ吉川のメンタルはズケズケとやられ、どんどんと歩が遅々としてくる。O氏にロープ1本をたくすという情けない始末。
休憩で油断し、サングラスを谷へ落とすも、もはやそんなものはどうでもいいと思えるほど。
剱沢大滝の場所や裏剱の地形を詳しく教えてくれているO氏の話も、うつろに聞いていた。

自分の山に対する弱さを思い知った。

結局、時間的にも、天気的にも、私の気力的にも(これが一番大きい)池の平小屋までとした。

ほとんど沈殿日となった午後のテントは、濡れた衣服を乾かしながら、O氏の所属していた大学山岳部の合宿動画を見た。
学生はみな、自分と同じくらいの装備を背負い、何日も歩く。雨の日も歩く。
学生時代、ミーハーな登山や、たまに単発の登攀に行くことくらいしていない自分には、根本的な山歩きが弱い。。。

雨は夜まで降った。

13日(5日目)
まずは三の窓を目指す。
小窓氷河に出ると、冷たい風が吹き降りてきて、前日までと変わらない装備にも関わらず、この日は調子よく歩けた。
自分の歩く足元には何万年もの月日をかけて形成された氷河、それによって浸食された土地が数百m下にあると思うと、自然の偉大さを感じた。
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小窓から三の窓まではルーファイに難儀した。
雪渓のトラバースや、いやらしいルンゼ登りなど、まさに山登りをしているといった感じ。
小窓の王手前のルンゼが体力的にも、精神的にも疲れたが、前日に比べればかなり余裕があった。
天候だけでここまで心持ちが変わるなんて。。
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三の窓にはすでにテント1はり。
離れた場所に4天をはり(2人だけど)、杏仁豆腐を雪渓の上に置いてチンネ左稜線の取りつきへ向かった。
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しかしながら、前日の行程を取り戻すことに時間を使ったので取り付き時点ですでに正午前。日没前に登攀終了できるかというところだった。
1ピッチ目O氏リード。案外カライなあなどとつぶやきながら凹角を登る。
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続いて吉川リードで、トポでの2ピッチ目と3ピッチ目をロープ10mを残し登る。

このピッチの登攀は、まだ数は少ないが、今まででアルパインをしてきた中でアルパインしている感を一番感じた瞬間だった。
プロテクションを落ち着いてとること、ロープの流れを考えたり、残地ハーケンの強度を確かめたり、のこりの球数も考えつつ登るといったことを、高度感のある中、剱という憧れの場所で落ち着いて考えて登攀できたのは、ほんの少しばかりだがアルパインの経験値が上がってきたような気がして嬉しかった。
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フォローを迎え、さあ残りのピッチもガンガン行こうと士気をあげたところで、ポツポツ降りだす。
このまま登って行って荒れれば後にもひけない状況になる。時間も遅かったし、残りのピッチはまだまだあったので、ここで懸垂下降した。

結果として、時間切れによりチンネは敗退となり、その原因が少なくとも前日の行動をこなせなかった自分の弱さにあることを思うとかなり悔しかった。
剱は甘くない。またこればいいと言い聞かせテントに戻る。

帰る際、雪渓の雪解け水で水をくんだ。
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テントに戻り、冷えていい感じに固まった杏仁豆腐を食べる。
テキトーに飯をすまし、雷雨の中、二人で歌いながら最後の夜を過ごした。

15日(6日目)
いきなり池の谷ガリーの登りから始まるので、気が引き締まった。
この日は6日間の中でも一番天気がよく、能登半島や富山湾、北アルプス南部もきれいに見渡せた。
北方稜線から3度目の本峰登頂。
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剱沢まで降り、さてあとは一登りかと油断していたところで、O氏の愛のムチ。
「さて、別山北尾根経由で室堂戻りますか!!」

別段難しいところもないが、三の窓から全装で来て、あとは一般道の一登りかと気を緩めていた自分には十分すぎるシゴキ。
そして雨。今山行、結局毎日雨に降られた。
またもリトル吉川の弱い部分が出てきたが、この先の自分のためだと歯を食いしばった。

雷鳥沢からはもう、石畳の階段ですら苦痛と思えてくるほどの弱さが出て、ターミナルでO氏を待たせた。

計画していたことはあまりできず、自分の甘さと、山の甘くなさを思い知った山行になりました。
まだまだ未熟なハイカーです。。
諸先輩方のような強い「ヤマヤ」になれるよう精進しなければと思いました。

しかしながら、6日間「ヤマヤ」のO氏と過ごしたことで、山に対するモチベーションのもち方や、自分に足りないことなどを知ることができたように思います。

あくまで趣味の世界ではありますが、それなりの目標をもち、憧れを抱き続けられるくらいの熱量は保って山をやっていきたいと思います。
強いヤマヤのO氏、山だけでなく「地球と遊ぶ」かっけー大人のS井さんのお二人のおかげで大変充実した山行となりました。

夏休みなので長々とブログ書いてみました。

では。

2018.08.27

早戸です。

西村代表と南アルプス農鳥岳の荒沢本谷左俣へ行って来ました。

ガレガレでヒヤヒヤしました。

冬はどうだろうか。アプローチが遠いな。

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2018.08.25

ごきげんよう.犬飼です.

北穂高岳は滝谷のドーム中央稜を登ってきました.
濡れた岩と雨にやられつつも,泥臭くのぼりました.

久しぶりにアルパインらしいこと,した気がします.

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日程: 2018/8/14

メンバー: 上手さん,犬飼

天気: 晴れ時々雨

装備: カム#1以下数個(残置ハーケン使いまくりですわ)

タイム:

9:00 一般縦走路より下降~9:30 1P目取り付き 登攀開始~14:00終了点

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懸垂支点目印のぴなくる

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懸垂~

【1P目】上手リード
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岩はビタビタ.フォローの私は見事に挟まりました.

【2P目】犬飼リード
カンテ上を登りました.
ちょっぴり高度あります.

【3P目】歩き
大岩のリッジを歩き4P目取り付きへ
若干迷いました汗

【4P目】上手リード
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凹角が2つ並んでますが,
右で通すの正解っぽいです.

【5P目】犬飼リード
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最後の一手以外階段です.ヨユー.

うん
滝谷は荷物もって上がるのが
とてもシンドイですね

今度は下から4尾根やりたいな.

2018.08.22

吉川Gです。
今まで何度も行こうとして、天候等の都合で断念していた川浦谷に遂に行くことができました。

板取キャンプ場の第2駐車場に車を停めて(日帰りの人は下の駐車場が空いていても第2駐車場に停めるよう指示されるので注意)出発。
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↑入渓地点

岩登り的な要素はほとんどなく、随所に出てくる泳ぎポイントをこなしながら進む。
水量が少ないせいか、核心となる70m廊下まではほとんど問題となるところはない。

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↑海ノ溝谷出合

50m廊下の直前に泳ぎでは突破出来ない3mの滝があり、ここは右岸から懸垂下降を交えて巻く。ただ、クライムダウンも可能だろう。

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↑50m廊下

50m廊下は流れも弱く、普通に泳げる。

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↑70m廊下

核心の70m廊下は幅がかなり狭まり見た目以上に流れが速い。
僕はなるべく水線を行きたかったので、流れが弱いところは泳ぎ、厳しいところは壁を伝って突破した。
廊下の出口が最も流れが強い。
一緒に行ったWさんは左岸側をトラバースしていた。どうやらほとんど泳がずに突破する事も可能なようだ。
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↑廊下の出口

70m廊下を過ぎれば平和な感じになり、西ケ洞出合まで泳ぎも少しはあるが、ほとんど歩きで行ける。
その先は車道に出て下ってもいいのだが、せっかくなので同ルート下降する事にした。

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↑泳ぎのポイントはただ流されるままに…

2018.08.21

吉川Gです。

鈴鹿で大滝を登りに行ってきました。
メンバーは会員外の友人含めて3人。まともな大滝登攀は今回が初めてです。

・東多古知谷百間滝
一部では大滝登攀の入門とも呼ばれているらしい百間滝に、まずは行ってみた。
鈴鹿スカイライン沿いの駐車場に車を止めて、表道登山道から入山。最初の堰堤を越えたらすぐに入渓。
小滝をいくつか越えると、右から滝がかかる二俣に着く、これを右に進みしばらく行くと百間滝に着く。駐車場から15分程度しかかからない。
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リードジャンケンに勝ち、1ピッチ目をリードさせてもらう。
取り付きは右の右上クラックから。カムも効くし、ジャミングも効くが傾斜が立っているので力を使った。いきなりコレなので少々焦った。
その上もずっと滝身の右側を登る。緊張する箇所もあるが、要所要所でカムが決められるし、残置ハーケンもあるのでプロテクションは心配ない。
1ピッチ目の終了点はハンガーが無いボルトのみが3個残っている。これにナッツを使って支点を作った。
2ピッチ目は友人のWさんリード。傾斜は落ちるが、スラブぽくなり、ホールドも甘く悪い。僕はフラットソールで登ったがWさんはラバーソールの沢靴なのでもっと悪く感じたに違いない。
2ピッチ目の終了点は立木を利用する。
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↑落口

百間滝の上は小滝が連続し、意外に面白い。
最後は表道登山道に合流するので、ここから登山道で鈴鹿スカイラインまで下山した。

・西多古知谷大滝
西多古知谷は文字通り東多古知谷の一本西側の谷で、ガードレールを越えて入渓する。
入渓して、5分程で大滝が現れる。こちらもアプローチは楽勝だ。
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西多古知谷大滝は難しいと聞いていたので、見学のつもりだったが見れば見るほど登れそうな気がしてきたので、取り付くことにした。

リードジャンケンにまた勝って、1ピッチ目を登らさせてもらう。今回もフラットソールだ。
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取り付きは最も水流の多い(と言っても少ないのだが)凹角から。こちらは百間滝と違って残置は全く無い。
ホールドは多いので登るのはなんとかなるが、プロテクション設置に慣れていないので、時間がかかってしまった。
最初の凹角から1段目のテラスに上がる部分が怖かった。
そのテラスから上も理想は水流のラインだが、僕には無理そうに見えたので、左にトラバースして、濡れた凹角を登った。
濡れた凹角の下部はそこまで難しくないが、最後の草付きっぽい箇所が意外に立ってて悪い。あとちょっとで大テラスに上がれるのだが、そこが核心だと感じた。
このピッチのリードに50分もかかってしまった…未熟すぎる。

大テラスの中央の壁には朽ち果てたハンガーボルトがあるが、これは使えないので右岸の立木を利用した。

2ピッチ目は左岸側の草付きを登るようだが、そこまで惹かれなかったのでやめてしまった。
帰ってから調べると、最後の草付きも割と悪いらしい。
最後まで登れば良かっただろうか。。

下降はビレイ点に使った立木を利用して懸垂下降した。左側の壁には錆びて伸びきったリングボルトが打ってあった。
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↑懸垂で下降

今回、全てフリーで登れたので満足でしたが、やはりプロテクションの技術がまだまだ未熟だと感じました。適切なプロテクションを瞬時に選択して、確実にセット出来る技術を身につけたいですね。

2018.08.21

吉川gです。

以前から行ってみたかった金木戸川小倉谷に友人らと4人で行ってみました。

天気予報がコロコロ変わり、怪しい天気だったが、なんとかなるだろうということで、金曜夜に出発。その日は金木戸川林道の第1ゲートまで車で入り、そこでテント泊。先客の車が一台停まっていた。そのパーティは打込谷に入るとの事。

翌朝車がもう一台現れ、更にタクシーも二台入ってきて、ゲート前は賑やかになってきた。小倉谷には我々以外にもう一パーティ入るようだ。
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↑ゲート

金木戸川林道は一箇所だけ崩壊して大高巻きしなければならないが、それ以外は整備されていて歩きやすい。
この林道歩きが4時間弱。
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↑崩壊箇所

小倉谷の出合では本流を渡渉する必要があるが水量が少ないらしく何も問題なかった。

最初に出てくるのがトイ状の10m滝。これはどう見ても登れないので巻く。
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そのあと暫くは大した箇所もなく進み、最初のゴルジュ帯に入る。
3段11m滝辺りと思われるところで先行パーティに追いつく。滝登りに時間がかかっているようだったので、右岸から巻いてみたところ、これがなかなか難儀させられた。
これなら待っていればよかったと思った。

最初のゴルジュ帯を抜け、しばらく平凡なゴーロや河原をやり過ごすと、核心とされている大ゴルジュ帯に入る。
結論から言うと、水量が少ないからかこのゴルジュ帯はそこまで困難では無かった。

泳ぎポイントとなる20m大瀞も流れも強くなく普通に泳げた。
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↑20m大瀞

ゴルジュ内の小滝も数カ所ちょっと悩むところもあるが、言うほどの悪さは無い。
途中かなり高い位置にハーケンとスリングがかかっている箇所があり、水量の少なさを物語っていた。
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↑支流の大滝

このゴルジュ帯を抜けた後、しばらく進むと40mの大滝が現れる。時間も時間だしそろそろテンバを探したい。
この大滝は遡行図には左岸から巻くとある。しかしどう見ても右岸が巻きやすそうだ。
どうするか迷った末、本に書いてあることを信じ左岸へ。
これがかなり悪い巻きで、登りも正直ロープを出したかったし、下りもできれば懸垂下降したかった。無理やり突破したが、通過に40分かかった。
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この巻き道が終わったところで初日の行動を終了した。

二日目は渓相がひらけてきてアルプス感がかなり出てきた。
最初のポイントは二俣の滝だった。
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↑一旦左の滝を登って尾根を越えて右の滝上に降りる。

遡行図には左の滝を巻くとあったが、登れそうだったので直登してみた。
難しくは無いが、落ちたらタダでは済まない。朝一なので結構緊張した。

そのあと40mの滝が現れる。これは遡行図によると簡単に登れるとある。確かに登れそうに見えたので、フリーソロ で取り付いてみたが、上部がなんとも微妙でこれもかなり緊張させられた。
プロテクションは取りにくそうだが、ロープを出しても良さそう。
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次の30m滝を巻くととても展望の良い気持ちのいい場所に着く。ここで泊まったら最高だろう。写真無いけど…

この後は更に景色が開けてきて、ひたすら標高を上げる。
小滝が続くので飽きないが疲れてくる。
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最後はガレ場を登ると笠ヶ岳の直下でよく踏まれている道に合流し、それを辿るとすぐに笠ヶ岳山荘の裏にでた。
山荘では即ビールを飲んでしまい、笠ヶ岳への登頂は断念。

翌日は雨の中笠新道をひたすら下って新穂高温泉に下降した。

新穂高温泉でタクシーを拾うつもりだったが、どこに電話しても予約でいっぱいとの事。
考えた末、タクシーを拾える可能性の高そうな平湯までバスで戻ることにした。
平湯でタクシー会社に電話するとやっと来てもらえることができた。
タクシー代は10500円。新穂高温泉から金木戸林道まで行くのとあまり変わらなさそうだが、バス代の800円ちょっとは無駄だった…

2018.08.16

早戸です。

友人と盆休みに上ノ黒ビンガに絡めて黒部周辺を散策して来ました。

 

8/11 折立-太郎平-薬師沢-上ノ廊下-立石手前

太郎平まで小雨の中歩き、重荷に喘いだ。

 

8/12 立石手前-上ノ黒ビンガ登攀-取付近くで泊

ビンガの登攀は6ピッチ、ピリリとした部分もあったがフリーで楽しく登ることができた。登攀後、ビンガを眺めながらキャンプ。夕方から夜は雨。

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8/13 上ノ黒ビンガ下-口元ノタル沢-1850m付近岩小屋

小雨の中上ノ廊下を下降。口元ノタル沢へ入る。

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すでに予定より早く行程をこなせているし、雨も降っているので良いところがあればさっさと行動終了したいと思っていたら巨大なルーフを持つ岩小屋発見。

ツキすぎてて怖くなる。昼前に終了。その後はまとまった雨になったが岩小屋の中は快適だった。

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サンショウウオも雨宿り

8/14 岩小屋-赤牛岳-温泉沢下降-高天ヶ原温泉-竜晶池-岩苔小谷

口元ノタル沢を赤牛岳まで1000m上げる。雪渓は問題なく通過。上部はガレで歩きにくい。

赤牛岳山頂でガチャやらネオプレーンのスパッツとはおさらば。

温泉沢を下り念願の高天ヶ原温泉へ入り疲れた身体を少しほぐした。

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湯上がりに竜晶池まで散歩。言葉を失うほど美しい場所だった。

高天ヶ原山荘でビールをチャージ。すぐそばの展望台で絶景を楽しんだ。

 

8/15 岩苔小谷-雲ノ平-祖父岳-雲ノ平-薬師沢-太郎平-折立

昨日赤牛岳山頂にて仕入れた天気予報から黒部源流散歩は諦め、雲ノ平から下山することに。

朝日を浴びた雲ノ平は正に楽園。祖父岳山頂からは穂高の稜線、剱、能登半島まで見渡せる、旅の締めくくりに相応しいデラックスな眺めだった。

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2018.08.10

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台高マニアの1皮です
今回は北アの沢に1人で行ってきました
大穴のある素晴らしい直瀑に目を奪われました

【4日】笠谷出合(国道471号沿い、標高670m)5:30~6:40 入渓地点(860m)7:00~10:00 1150m地点の滝~12:30滝の上12:40~13:00二俣~13:10最初の大滝~13;50大穴のある滝14:40~16:00 1460m地点

【5日】1460m地点4:50~7:40奧の二俣~10:10稜線2720m地点(クリヤ谷登山道)~10:30頂上10:40~14:30中尾(ママチャリ利用)~15:00笠谷出合

◆4日
クリヤ谷登山口の中尾にママチャリをデポし、10キロほど下流の笠谷出合まで移動して駐車。林道を1時間ほど歩き、谷に下りられそうな斜面があったので、獣道を通って早めに入渓した。標高860m。すると、砂地に人の足跡を発見。まだ新しいもので、釣り師が入っているのかも。
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ずっと河原歩きが続く。釜や淵もあるが、横からすり抜けられる。猛暑で水はぬるいから、泳いでもいける。逃げ場のない谷に比べて緊張感はないが、まあ、林道歩きよりはましか。標高1120mぐらいの所には、50m以上の壁が立った門のようなゴルジュがあった。遠目で見ると、一番狭いところに何か人工物のようなものが転がっている。近寄ってみたらトラックの残骸だった。上部の林道から土砂崩れで流されたのだろう。人は乗っていなかったのだろうか。
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その先で、谷は左カーブ。高さ10数mのナメ滝が出てきた。直登は無理で、右の岩場からは一段上に登れそうだが、段上がコケの着いた傾斜の強いスラブになっている。1人の場合、滝を登るか巻くか、いつも迷う。パートナーに確保されていれば、登りに集中できるが、1人だとどう確保するのかという難題がつきまとい、クライミングに集中するのは難しい。この滝も、段上にリスがなかったりカムによるプロテクションが取れなかったりすると、足が滑ったら釜まで落ちるだろう。迷った末、少し戻って手前のルンゼから大きく巻くことを選択した。しかしこのルンゼ、登っても登っても壁が続き尾根になかなか上がれない。対岸の林道の高さを遙かに超えてやっと尾根に上がり、シャクナゲや枯れた笹ヤブをかき分けて下りていく。ヤブの中には大木の切り株がいくつもあり、中には直径1.5mにもなるものも。かつての杣人はすごかったんだなあと感心。遠くの尾根には巨大な一本の木が飛び出ているのが見えた。すごい巨木なんだろうなあ。あそこまで行けないけど。ところが、河原まであと10mぐらいまで下りて来て、先ほどのナメ滝の手前に下りてしまったことを知った。もっと大きく巻かなければならなかったが、後の祭り。すでに汗だくだがUターン。急なヤブ尾根を登り返し、今度は大きく尾根を回り込んで、滝の上の河原に下りた。ゴルジュだが、そこだけ歩いて下りられる草付きだった。結局10数m足らずの滝を巻くのに2時間半かかった。
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そこからすぐに右俣と左俣の分岐点。地形図には右俣の方が太く描かれているが、笠ヶ岳の頂上に行くために左俣を選択した。間もなく、二筋に分かれた大きな滝。高さ50mぐらいはありそう。汗だくでもあり、水しぶきを浴びて修行する。巻き道は1カ所しかない。だが、大きくトラバースしていく所は下部が切れ落ちていて不安定だった。巻くためにだいぶ上がったが、河原まではヤブをこいで歩いて下りられた。
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そこからゴルジュを進み右に曲がった所にあるのが、この谷の白眉となる大穴を備えた直瀑。高さは30mぐらいだろうか。滝に向かって右手奥に幅、奥行きとも20m、高さ10数mぐらいの大穴が空いている。滝の左手にも縦に長いチムニー状の大穴があった。笠ヶ岳東面・穴毛谷には、名の由来となった大穴もあり、この辺りの岩質は固く、小さな穴が空いても全体が崩れるということはないのだろう。この大穴の中に入ってみた。急斜面は崩れやすい砕石で覆われている。右手の壁沿いから一番の壁へ。突き当たりから見ると、穴の出口に滝が落ちる不思議な光景が広がっていた。
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この滝は登れそうにないので、2つあるルンゼのうちどちらかから巻くのだろう。よーく観察し、砕石があまり落ちていない方から上がる。尾根まで上がると、次の大滝が遙かに下に見えた。一緒に巻いてしまったようだ。途中でルンゼから抜けられそうな場所が1カ所だけあったが、迷った末にやり過ごしたためだ。しょうがないので、そのまま上へ。この巻きもブッシュが生えかなりワイルド。適当なところで谷に下り始めたが、河原に下りるところで壁にぶち当たった。10mの空中懸垂で下りた。
よく見ると、太陽の日がかなり斜めになっている。濡れたウエットスーツのタッパーを干したかったこともあり、1470mの二俣の下部で泊まることにした。涅槃像が置かれる台座のような真っ平らな岩があったので、そこで荷を解く。水流から1mぐらいの高さしかないが、明日まで快晴予想だから増水の危険はないだろう。ツエルトも張らず、星を見ながら寝ることにした。しかし3時間ぐらいたった夜中に目が覚めてしまった。背中と腰が硬い岩で痛すぎる。普段、家では畳の上で昼寝するのが好きだが、畳と岩では硬さが全く違うようだ。朝まで寝返りを繰り返し、早朝3時には我慢できずに出発の準備を始めた。

◆5日
薄暗いなかスタート。すぐの二俣で右に進み、河原をどんどん進む。方角は北東から、1600mで東北東になり、あとは穴毛谷第1岩稜などが見える稜線まで真っ直ぐ続いている。1690m、1800mで右岸に支流が分かれる。谷はあくまで緩やかで周囲の峰に日が当たってくると、夏山の雰囲気が満ちてきて気持ちがいい。アルパイングレード3級ぐらいの滝が3カ所ぐらい出てくるが、ロープなしで問題なく登れる。
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途中、水の中で黒い生き物を何度か見かけた。水中で体をくねらせて泳いで(?)おり、イワナよりは遙かに動きが鈍い。そこで影を追うと、簡単に捕まえられた。ヌルヌルしていて4本足がある。模様からサンショウウオだろう。家に帰ってから調べると、絶滅危惧種のヒダサンショウウオの可能性があることが分かった。2000m近くの高山で生きていられるなんて、不思議だ。それとも、他の動物に生息圏を追い立てられて高山に上がらざるを得なかったのか。笠谷にこのまま人があまり入らず、ずっとヒダサンショウウオが生きていける環境が守られればいいが。
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谷はそのままだらだら上がる。周りの景色を楽しみながら歩いていると、谷の方角が変わったことにふと気づいた。地形図と高度計を見比べると、2000m地点でまた一つ支流が合流したようで、どうやら気づかないまま左俣に入ったようだ。合流点まで戻り、よーく観察。水量は左俣1に、右俣は伏流らしくゼロ。左俣の先には大きな滝が見え、その先は北に方角を変えている。さて、どちらに行けばいいだろうか。最近、沢登りを楽しむためトポを持たないことが多いので、自分の勘を頼るしかない。迷った末、水流のなき右俣へ。家に帰って登山大系を見ると、左俣が正解だったようだ。残念!
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そこからは3級ぐらいの岩場が3カ所、2300mぐらいで谷は北に方角を変え、2720mぐらいの稜線で登山道に合流した。下界は40度超が頻発する炎暑だが、登山道も30度超のような猛暑。たまらずザックをデポし、頂上を往復。そのまま下山し、中尾から笠谷出合までママチャリで走ってゴールした。
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