2014.12.22
位田です。
成瀬(洋)くんと広河原沢左俣に行ってきましたので、報告します。
船山十字路(5:20)-二俣(6:30)-F1(7:00)-最後の大滝終了(14:30)-御小屋尾根(15:50)-船山十字路(18:00)
今回はちゃんと早起きをして、日の出前に出発。
前日の、某アウトドアショップリニューアルセールで、ついうっかりレーザースピードライトを買い足してしまった私。
その他諸々、小物類が増えウッキウキ。
今回はどうしても稜線まで抜けてみたかったので、荷物がちょっとぐらい重くなってもストックを持っていこうと思い、これまた新調した折りたためるストックをつきながら、ルンルン。
林道を20分ほど歩いたところで体が温まってきたので、1枚脱ごうと休憩。
そして…。
はい、お察しの通りです…。
ここでストック残置、気づいた時には林道終点、引き返すわけにもいかず、帰り道で少し戻って取りにこよう、ということになりました…。
それでも、まぁ荷物が軽かったせいか、二俣には1時間で到着。
途中で私たちを追い越して行った男性二人PTもここで一休み。
ものすごい期待を込めて、私はその方たちに「すみません、林道の脇にストック刺さってませんでした?」
「う~ん、気が付きませんでしたねぇ」と答えてくれた方はなんと!
山野井泰史さん!!
気づいてくれたのは成瀬くんでした。
「先日はどうも」「小屋のは完成したんですか?」とか普通に会話していましたが、有名人は羨ましいなぁ。
山野井さんたちは右俣へ、私たちは左俣へ。
30分も歩かないうちに、F1到着。
釜の踏み抜き注意!どころか、全く凍っていませんでした…。
その次の滝も凍っておらず、巻いてばかり…。
こんな状態でこの先大丈夫なんだろうか、と不安は増すばかり。
水も滔々と流れる中、ようやく!
絶対に落ちられないですが、やっと氷にありつけました!
ここからいくつか小滝やナメ滝の連続。
このあたりから一部埋まってはいたりするものの、ちゃんと凍った滝が連続。
でも!
前日に入っていたはずのM・Hパーティーの踏み跡がわからなくなりつつあり、代わりに始まったのが、ラッセル。
とはいっても、私は50mぐらいがやっと。
こんなにしんどいものとは思わず、泣きそうになりながら、すぐに交代してもらってばっかりでした…。
踏み跡をしっかり見つける力と、ルーファイ力も鍛えなくては、無駄に体力を消耗してしまうんだということを体で覚えました…。
もうこのあたりまでくるとトポのどの滝なのか、わけがわからなくなってきました。
でももう終わりに差し掛かっているであろうし、とにかく上まで抜けなくてはなりません。
今回は上まで抜けることが第一目標だったので、全部リードは成瀬くんにお願いして、とにかくスピード重視。
とはいっても、やはりラッセルが辛すぎる…。
もとい、後半はほとんど私はラッセルしておらず、ひたすら着いていくのみ。
いやいや、ほんとにどうもありがとう。
多分最後から一つ手前の階段状のナメ滝。
ヨレヨレで必死で登っていて、ろくにアックスも振れなかったのですが、乗越しで顔が見えた瞬間、なぜか「アイス、飽きてきてるでしょう?」なんて言われ、もう心までボロボロです…。
そして、雪にズボズボはまりながら、成瀬くんの踏み跡を追いかけて、なんだかんだでこれが最後の大滝。
下部はなめているけど、上部はバーチカル。
もうヨレヨレの私は回収もヨレヨレ。
初のアックステンションまがいのことをしつつ、2テンでどうにかこうにかTO。
もう悔しいとかリベンジとか、そういう気持ちは全くありません。
この時点ですでに14:30。
阿弥陀岳頂上へ抜ける時間はなく、とにかく御小屋尾根へ出なくては!
というわけで、ここからさらに何もかも出し切って、雪の積もるシャクナゲやらなんやら藪漕ぎ。
成瀬くん「がんば!」がありがたかったです。
そして「ここ、登山道に出ましたよ~」という声が聞こえた時点で1時間経過。
必死でしたが、あっという間でした。
ここからは安心して猛ダッシュで御小屋尾根の下り。
長かったですが、ここまでのラッセルに比べれば、長いぐらいなんてことないです。
最後の滝を登り切った時はもう歩けない!と思いましたが、重力に従うことに対してはまだ余力があったようです。
というわけで、無事に林道に出て、ストックの回収に向かいましたが…。
残念ながら見つかりませんでした。
もしかして山野井さんが拾ってくれて、車に戻ったらそこにあるのでは?なんて淡い期待をしてもいましたが、結局新しいストックはたった20分ぐらい使っただけで、さようなら、でした。
今回は、歩きもありアイスもあり、藪漕ぎもラッセルもあり、そして最後に抜けられた、という、盛りだくさんの冬のアルパインらしい初めての山行になり、これまでの自分では行くことのできなかった経験ができました。
成瀬くんにはなにからなにまでリードしていただいて、感謝です。
こういう山行をたくさん重ねていって、いずれ「自力で行けた」と思える山行ができるように、まだまだ頑張らなくては、です。